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ニッポン臨終図鑑 280~289回
2023年02月12日(日)
ニッポン臨終図鑑の第280~289回、をご紹介する。
コロナがあっても無くても毎日、人は3700人死ぬ。
ワクチンで超過死亡が凄いけどこれはまだ書けない。
<280~289>ドクター和のニッポン臨終図巻 夕刊フジ 毎週土曜連載
(280) 医師 石蔵文信 充実の「オマケの人生」、穏やかな旅立ち →こちら
大阪・十三の商店街のはずれにあるこの人のクリニックを僕が訪ねたのは2021年5月の冷たい雨の日でした。がんの話、コロナの話、死の話...3時間たっぷりと意見を交わしました。 この対談をいずれ本にするつもりでいましたが、コロナ禍で出版のタイミングを見失っており、そこに舞い込んできた訃報。戸惑いの中で原稿を書きます。 女性の更年期障害の主因は夫にあるのでは? という観点から「夫源病(ふげんびょう)」という言葉を流行させたことでも知られる、心療内科医で循環器内科医でもあった石蔵文信医師が11月3日に、大阪市内の自宅で亡くなりました。享年66。
石蔵さんは3年前に前立腺がんが見つかりその後、全身に転移していることが判明。手術不可能な状態であり、ホルモン治療などを続けていました。 大阪に緊急事態宣言が出されていた昨年5月、なぜ石蔵さんに会ったのかといえば、彼が〈譲るカード〉なるものを発案したからです。あの頃、ヨーロッパ各地では呼吸器などの医療機器が不足し、若いコロナ患者が優先されて高齢患者の治療が打ち切られる事態が起きていました。
誰の命を助け、誰の命を諦めるのか? 現場の医師がそれを決めるのは、あまりにも酷なことだと報道されていました。 日本でも今後同じ事態が起きるに違いないと想像した石蔵さんは「もしも医療が逼迫したときに私がコロナになったら、若い人に治療を譲ります」という意思を示したカードを作成したのです。〈譲るカード〉は、誰からも強制されるものではありません。あくまで自分の意思で携帯するもの。しかし、この〈譲るカード〉のことがメディアで紹介されると、石蔵さんのもとには「高齢者は死ねというのか!」という怒りのクレームが多く寄せられたといいます。
石蔵さんは、僕にこんなことを話してくれました。 〈今回のコロナを機に私が言いたいのは、「生き方」も大事だけど、「死に方」ももうちょっと考えてよ、ということ。死ぬことについてのディスカッションを健康な時からしなければいけないんです。人間は本来、60歳まで生きられたら本当にラッキー。それ以降はオマケの人生です。 今(対談当時)私は65歳なので5年のオマケをもらったと考えています。もうすぐ死ぬ、とわかったほうが、やりたいことの優先順位がついて毎日が充実してくるんですよ...〉
そう言って、少年のような笑顔を見せてくれました。最期はご家族に見守られ、とても穏やかな旅立ちだったそうです。
(281) 元プロ野球選手 村田兆治 永遠に輝く野球への情熱と功績 →こちら
火事による死亡について書くのは長い連載でこれが初めてのことです。マサカリ投法でも知られる。昭和の野球史に残る大投手、村田兆治さんが11月11日に亡くなりました。享年72。
同日午前3時10分頃、東京都世田谷区の自宅が出火。村田さんは意識不明の重体で救急搬送されましたが、そのままお亡くなりになられました。 村田さんはこの家に一人で住んでいた様子で、火元とみられるリビングとは別の小部屋で座ったままの状態で発見されたといいます。死因は、火事による一酸化炭素中毒との発表です。
在宅医として、独居の高齢者を何人も診ています。介護保険を利用しながら、悠々自適に楽しく暮らしている人が大半ですが、やはり一番の心配事は火の元です。ちょっとした不注意で、取り返しのつかない事態に至った人もいました。 村田さんの自宅の出火原因は未だ不明のようですが、冬場に気を付けたいのは、やはりストーブによる出火です。 特に高齢男性の一人暮らしの場合は、部屋を片付けるのが苦手な人が多く、ストーブの近くに雑誌や新聞が重なっていたり、ともすれば飲みかけのアルコールが転がっていることも。
往診に行くたび「ストーブのそばに物を置くのはあかんで」と周辺を片付けてあげますが、次に伺ったときは見事に元の状態に戻っています。せめて石油ストーブやはめて、オイルヒーターやエアコンに変えませんかとアドバイスしても、「ワシはこれが好きなんや」と石油ストーブにこだわる人も。上に薬缶を置いて熱燗を作ったり、ホイルに包んだ芋を焼く楽しみを、そんなおじいちゃんから奪うのも忍びないなあと感じます。あるいは、 天ぷらを揚げていて、コンロの火が衣服に移って大やけどをした患者さんも何人かいました。仏壇のろうそくの火を消し忘れてボヤを起こした人もいます。タバコの不始末から家が全焼した人も知っています。
火災による死亡者は年々減少していますが、それでも、1日あたりの火災による死者は4.1人。内65歳以上の高齢者が70%を占めており、男性の方が死者が多いことがわかっています(令和2年版 消防白書より)。 村田さんは今年9月に、羽田空港の保安検査場で女性検査員に暴力を振るった容疑で現行犯逮捕されたばかりで、往年のファンにとっては、悲しくやりきれない最期かもしれません。
しかし、それで過去の栄光が否定されるものではない。村田さんの野球への情熱と功績は永遠に輝き続けるでしょう。
(282) 映画監督 大森一樹 白血病との闘い「やめどき」で相談 →こちら
医者の家に生まれて、子ども時代は医師を目指しましたが、青春時代、ゴダール監督作品に出会ったことで一念発起。医学部を出た後に映画監督として成功された異例の経歴の持ち主。『ゴジラvsビオランテ』などの平成ゴジラシリーズや、医学生の苦悩を描いた『ヒポクラテスたち』、アイドル全盛期に斉藤由貴さん主演『恋する女たち』や吉川晃司さん主演『すかんぴんウォーク』など上質な青春映画をヒットさせたことでも知られる大森一樹さんが、11月12日に兵庫県内の病院で亡くなりました。享年70。死因は、急性骨髄性白血病との発表です。
実はこの夏、大森監督と何度か会う機会がありました。僕が原作を手掛け、高橋伴明監督がメガホンを撮られた映画『痛くない死に方』を観て下さったとのことで、高橋監督を通じて、会いたいと連絡が来たのです。
しかしそれは映画の相談ではなく、医療の相談でした。 「死因は急性骨髄性白血病」と書いてあると、突然病に襲われて亡くなったようなイメージを持たれるかもしれませんが、そんなことはありません。発症するのが急であり、闘病を長く続けている人はたくさんいます。 白血病とは、血液のがんのこと。骨髄芽球といわれる、白血球になる前の未熟な細胞に異常が起こることで、骨髄でがん化した細胞が異常に増える病気です。急性骨髄性白血病は、1年間に約4000人が発症します。若い人でもなります。昔は「不治の病」といわれていましたが、今は抗がん剤の進歩によって、5年生存率は4割で、完全寛解する人もいます。しかし高齢になればなるほど、治療を続けるのがしんどく、治療のメリットと副作用のデメリットを天秤にかけながら医療方針を決めていかねばならない場合もあります。
大森監督は僕に、「白血病治療のやめどき」の相談をしたいと仰いました。僕は以前に、『抗がん剤 10のやめどき』という本を書いています。「やめどき」は、医療側ではなく、あくまでもご本人が決めるものとお話しました。どんなに効果がある薬でも、その人の状態によっては命を縮める可能性もあるからです。
大森監督は熱心に僕の話を聞いてくださり、悩んだ挙句「もう少し治療を続ける」と決断されました。抗がん剤の「やめどき」に、正解はありません。御本人が決めた選択が、ただ一つの「答え」なのです。 この原稿を書いている今日(11月20日)、宝塚映画祭があり大森一樹特集が組まれました。監督も天国からトークショーに参加していることでしょう。
(283)俳優 白木みのる ひそやかで幸福な旅立ちか →こちら
60歳以上の人ならば、60年代を代表する時代劇コメディ『てなもんや三度笠』を覚えていることでしょう。「あたり前田のクラッカー」「非ッ常にキビシー!」などのギャグも、この番組から生まれました。そして、主演の藤田まことさんと名コンビを組み、珍念役で一世を風靡したのがこの人でした。 俳優で実業家の白木みのるさんが2020年12月6日に兵庫県芦屋市の老人ホームで、88歳で亡くなられていました。
SNSで芸能関係者が呟いたことから、スポーツ新聞が記事にし今月訃報が流れたということです。死因は明らかになっていません。
稀に、「〇〇さんが実は▲年前に亡くなっていた」という報道が出ます。そのたびに、僕はちょっぴり、うらやましい気分になります。何千人もの死を見てきた医者だからこそ「死とは一体、誰のものだろう?」というシンプルかつ、深淵な疑問が浮かんでくるからです。 がんなどの長い経過を辿る場合、自分の死期はある程度予期できます。しかし、「今、私はまさに死んだ」ということは、どんな人にもわかりません。
そう考えると「死」とはどこまでも他者(家族を含む)のものであり、社会的なもの。つまり「死」を他者に知らせなければ、たとえ肉体は存在しなくても社会的にはずっと生きていることになるのでは? と思うのです。もちろん年金目当てに家族の死をずっと隠していたなどの昨今の犯罪は、別問題ですが。 人間は、死んでいるか生きているかわからない者に、ロマンを感じます。「千利休は実は切腹していない」とか、「源義経が生き延びてチンギス=ハンになった」とか、偉人の生存伝説は各地に数多く残っています。
白木みのるさんは、この生存伝説に相応しい、不思議な魅力を持った人でした。地元芦屋では、実業家として有名だったので、芸能界を引退されてからは悠々自適にセカンドライフを楽しんでいたはずです。 しかし満州引揚者であり、身長が小さかった彼は少年時代、数々の辛酸を舐めたようです。身長の問題から、結婚も諦めたとインタビューで語っています(『週刊新潮』2007年)。
「僕は寸法が足りなくて、一人前の人間じゃないからね、女性も困るだろうと思っていました。ずっと独りで暮らしたいな」 もしも晩年結婚していたら、相続問題などで最期にトラブルになっていたかも...誰にも知らせない死は、決して孤独な死ではない。老人ホームで多くの人に看取られての、密やかで幸福な旅立ちだったと想像します。
(284)俳優 渡辺 徹 糧となった家族の幸福時間 →こちら
(285) 映画監督 崔洋一 「人生面白い」と言って死ねるか →こちら
僕が働く尼崎にはフィリピンパブがいくつかあって、フィリピン人女性が時々クリニックの外来に来られます。ルビー・モレノさんみたいな美しい方から拙い関西弁で症状を訴えられると、異国の地でさぞ不安だろうと身の上話まで聞いてしまうことも。日本の男に騙されてここに来たと泣く人もいます。そんな時は、『月はどっちに出ている』をつい思い出したり...。 この作品を始め、内田裕也さんが主演の『十階のモスキート』、ビートたけしさんが主演の『血と骨』など数々の話題作を世に出した映画監督の崔洋一さんが、11月27日、都内の自宅で亡くなりました。享年73。死因は、膀胱がんとの発表です。
崔監督が体調の異変を感じたのは2019年春のこと。尿が出にくくなり、検査を受けたところ、膀胱がんの診断を受けたそうです。 膀胱がんは、膀胱内に発生するがんの総称です。症状が現れやすいため、早期発見しやすいがんのひとつです。一番顕著な症状は、「血尿」。膀胱炎でも血尿は出ますが、膀胱がんの場合は、血尿以外にあまり症状が無いことが多いです。血尿以外では、頻尿や残尿感、下腹部の痛みからこのがんが見つかる人もいます。しかし、60歳を過ぎた男性の多くは、何らかの下半身の問題を抱えていることが多く、「歳のせいだろう」と棚上げにしてしまい、気がついたらがんが進行していたというケースもままあります。
崔監督は、膀胱がん発覚時に、全摘手術と人工膀胱の造設を提案されましたが、すぐに決断はできず、セカンドオピニオンを受けるなどして、自身の小腸から代替膀胱を造る方法を選択しました。この場合、ストーマ(排泄口)を付けず、尿道から排尿できるわけですが、お腹を押して腹圧を使った尿のコントロールが必要になるなど、トレーニングが必要です。監督はその一年後、全摘手術を決断しました。しかしその時には既にリンパ節などへの転移が判明し、化学療法を受けていたそうです。 そしてこの春、<ラスト・ショー>という名の7日間に及ぶトークライブを都内の劇場で開催。同じ膀胱がんで亡くなった松田優作作品を上映するなどして話題となりました。
このイベントで崔監督は、「どうやって死んでいくか考えている?」との質問に、「とあるエッセーの連載をした時、死ぬ10秒くらい前に、ああ面白いと言い、10秒後に消えると書いた。それでいいですかね」と話して空を仰いだのだとか...人生面白かった! と言いながら死ねたら最高でしょうね。
(286) 歌手 水木一郎 歌い続けたアニソンの帝王 →こちら
ウィキペディアに約90言語で掲載されている、世界一有名な日本人だったそうです。その訃報も、各国を駆け巡りました。『マジンガーZ』『バビル2世』『キャプテンハーロック』......1968年にデビューし、自ら歌った主題歌レコードのセールスが700万枚超えでギネスブックに掲載。持ち歌は1200曲を超えていたとか。
アニメソングの帝王・水木一郎さんが12月6日、都内の病院で亡くなりました。享年74。死因は、肺がんとの発表です。
水木さんが体調の異変を感じたのは昨年(2021年)春のこと。公演中に突然、声帯の調子がおかしくなり、その後、病院で検査をしたところ肺がんが発覚。同時にリンパ節と脳への転移も見つかりました。 肺がんの症状としては、咳や痰、息苦しさなどが知られています。しかし、がんの場所や大きさによっては、このような症状が出ないことも多くあります。水木さんのように声がかすれるなど声帯の異変を契機に肺がんが見つかるケースもあります。がんが声帯を司る神経を巻き込むために声の調子が変わってしまうのです。こんな症状で見つかった場合は、がんがある程度進行している可能性があります。
水木さんはご自身の声帯に自信があると以前のインタビューで話しています。声をからすことなく、「24時間1000曲ライブ」を成功させたことも。だからこそ、声が出ないという事態は相当なダメージだったはずですが、がん発覚の時にこんなコメント出されていました。
「20歳でデビューして以来50年あまり、大きな怪我も病気もなく、休むことなく歌い続けてきた水木一郎にがんという病気を知らせてくれたのは、水木が何よりも大切にしているこの『声』でした。声の不調があったからこそ、がんに気づき、立ち向かうことができました」
そして水木さんはすぐに手術。放射線や薬物療法を続けます。麻痺した声帯にヒアルロン酸やステロイドなどを注入する「声帯注入術」と言語聴覚士によるリハビリにも取り組んだそうです。その甲斐あって、歌手活動を再開します。ある研究によると人間の声は、体格や骨格などの先天的要素が2割、生育環境や性格や、心の状態が8割で構成されるそうです。つまり声の性状は、その時の精神状態で大きく変化するともいえます。
水木さんの最後のステージは、死の9日前。かすかな歌声だったかもしれません。だけどアニソンの帝王としての魂は健在。力強くもどこか物哀しいその美声で歌い続けた一生でした。
(287) 安全地帯ドラマー 田中裕二 そこにいなくてもドラムが聴こえる →こちら
あれは2019年11月16日。世界がまだコロナを知らなかった秋。安全地帯が初めて甲子園球場でライブを行いました。タイトルは〈さよならゲーム〉。観客3万8000人。僕は3塁側スタンド席前方で伝説のライブを目撃しました。刻一刻と空が色を変え夕闇に染まる甲子園に玉置浩二さんの歌が響き渡り、気づいたら泣いていました。
あの日の感動から僕は、自分のドキュメンタリー映画『けったいな町医者』の挿入歌に「ひとりぼっちのエール」を使用させて頂きたいとお願いをしました。
安全地帯というバンドは、本当に仲がいい。10代の頃から北海道で苦楽を共にしてきたメンバーが、還暦を過ぎても戦友のように一緒に音楽をしていることに、羨ましささえも感じます。しかしこの〈さよならゲーム〉直前、ドラムスの田中裕二氏が体調不良のためライブ不参加という知らせがありました。 あれから3年。2022年の11月、僕は再び安全地帯40周年アニバーサリーコンサートに東京まで足を運びました。
より艶を増した玉置さんの声、そして円熟味を増したバンドの音。いやあ痺れた! だけどそこに田中さんは不在。と思いきや、スクリーンに彼が映し出され、まるで別の場所から生演奏しているような演出。そして玉置さんが声高らかに「安全地帯ドラムス! 田中裕二!」と叫びました。僕はまた、泣いてしまった。
それから1ヵ月も経たない12月17日。田中裕二さんの訃報がありました。まるで40周年ライブの大成功を見届けて、ほっとされたような旅立ちでした。享年65。詳細は明らかにされていませんが、2019年に脳内出血を発症してから闘病を続けられていたようです。
脳内出血は、脳内の血管が破れた状態のことをいいます。出血した場所によって、手足の麻痺や、言語機能や視覚に支障が出てしまいます。高血圧や糖尿病のある人のリスクが高いことがわかっています。一度発症すると、数年内に再発するケースが多く、手術で完治することはなかなか難しい病気です。
田中さんが闘病された3年間はコロナ禍の真っ只中。未だに面会制限のある病院が多くあります。このコロナ禍のお看取りを、作家の柳田邦男氏は、「さよならのない別れ」と名付けました。だけど田中さんは、40周年記念のあのコンサート会場に、確かにいました。そして、大晦日の紅白歌合戦に安全地帯が出場。田中さんのドラムの音が聴こえましたよね? NO MUSIC、NO LIFE。本年も素晴らしい音楽とともに生きていきたいです。
(288) 女優 あき竹城 闘病公表しない「優しさ」 →こちら
たとえばスナックで見知らぬオッサン同士、肩を並べて酒を呑んでいると、往年の大女優(昨今、俳優と書かないと怒られようですが、リスペクトを込めて女優と書かせてください)の話題で盛り上がることがあります。秋吉久美子が一番美人だった、いや風吹ジュンのほうが可愛かったね、いやいや池上季実子が最高だよなんて、好き嫌いを勝手気ままに言い合うわけですが、満場一致で「そう!間違いなくいい女だ!」と言わしめる女優、それがこのひとでした。
今村昌平監督の映画『楢山節考』(1983年)で緒形拳さん相手に見せた悲哀あふれる濡れ場が今も忘れられません。エロスと母性を兼ね備えた(こんなこと書いたらまた怒られるやろか...)女性に、やっぱりオッサンは弱いものなのです。 女優でタレントのあき竹城さんが、昨年12月15日に都内の病院で亡くなりました。享年75。死因は、大腸がんとの発表です。
最近テレビで見なくなったなと思いきや、2年ほど前から闘病生活に入られていたとのこと。しかし、がんのことを一切公表されていなかったそうです。「元気なあき竹城でご挨拶したい」と本人が希望されていたと所属事務所が発表しています。 がんになったとき、周囲の人にどこまで明かすべきか? そんな相談を、ご家族からよく受けます。とにかく、本人の意思を尊重することに尽きます。
がんになった人からよく聞くのは、「善意の押し付けが苦しい」という悩みです。サプリや健康食品を買ってこられたり、高価な民間療法や、あるいは宗教を勧められたりと、本人の心情を考えずに、自分だけが「いいことをしてあげた」気になっている。こういう人のことを「善魔」と呼びます。
善魔は至る所にいます。友人にも、家族にも。いい人なだけに厄介です。だからいっそのこと、誰にも病を明かさないほうが自由でいられる。僕も恐らく、病気になったら誰にも何も知らせないで生きると思います。
しかし、あき竹城さんの場合はきっと「周囲に気を遣わせたくない」という優しさから公表しなかったのでしょうね。1985年、コメディアンのたこ八郎さんが、酒を呑んで海に入り溺死したとき、親友だったあき竹城さんが、「こんなことなら一回やっておけばよかった!」と号泣していたのが忘れられません。死んだとき、「やっぱり一回やっとけばよかった」と女性から弔われるなんて、男として最高の逝き方じゃないですか。今頃、天国でタコさんと杯を交わしていることでしょう。
(289) マッコウ鯨 淀ちゃん 「かわいそう」の裏にある真実 →こちら
冬本番。お鍋が美味しい季節ですね。関西にはリハリ鍋という料理があります。関東の人には馴染みがないかもしれません。ハリハリ鍋の具は、鯨の肉と水菜。鰹出汁に醤油を効かせたスープで煮るだけの素朴な鍋。山椒や七味をかけていただきます。 食糧難だった戦後から高度成長期まで、鯨肉は日本人の貴重なタンパク源でした。鯨の竜田揚げは昭和世代の給食の定番でもありました。最盛期の1960年代には年間20万トンもの水揚量だったとか。しかし1980年代に商業捕鯨が禁止となり、高級食材に変わります。そんな、鯨肉が大好きな、往診先のお爺ちゃんが、「せんせい、テレビ見た? 淀ちゃんが死んでしもうたわ」と悲しそうに言うので、妙な気持ちになりました。
死にかけている個体は、かわいそう。だけどお肉になったら、美味しそうと感じる人間は、なんと矛盾した生き物か。 1月9日、大阪市の淀川河口付近に体長15メートルほどのマッコウ鯨が迷い込んでいるが発見されました。あまり泳いでいる様子はなく、じーっと同じ場所に留まっていました。その後、テレビがトップニュース扱い。いつのまにか淀ちゃんと名付けられ、「助けてあげて!」という市民の声も高まって大騒ぎだったわけですが、13日に死んでいるのが確認されたとのこと。享年は不明です。
マッコウ鯨の寿命は、約70年といわれています。淀ちゃんは、成熟したオスの個体だったとのこと。衰弱して泳ぐ力が弱まり、群れからがはぐれて川にのぼってしまったのではないかと専門家は推測しているようです。 海獣学者の田島木綿子さんが昨年出版した『海獣学者、クジラを解剖する。』(山と渓谷社)という本が、実に面白かったので紹介します。鯨をはじめ海洋生物が陸に打ち上がるケースは全国で年間300件ほどあり、田島さんはその多くに立ち合っているそうです。
いわば、海獣のお看取りをしている人。大きな鯨の死体は、その処理に大変なお金と手間がかかります。やっかいな粗大ごみなのです。しかし海獣の死には、人間が捨てたプラスチックゴミなどが大きな影響を与えているとも書かれていました。 〈人間社会の営みが、他の生物や環境を脅かす結果になっているとしたら、極論として、「もう私たちが絶滅するしかないねえ」と、周囲の研究者たちとよく話す〉という本書の一節が印象的でした。かわいそう!と叫ぶなら、その生き物の命を脅かしているのが我々人間であることを自覚せねばなりません。
ーーーーーーーーーーーーーー
変な亡くなり方の有名人が増えているけども、
死因に関する情報がないので、書けない。
本来ならワクチンで殺された市民の記事を書きたいくらいだ。
さぞかし無念だろう。
PS)
僕は、地震と戦争と日本の将来が心配だ。
所用で九州にいたけど大阪より活気がある。
マスクはしているけども若者の元気はスゴイ。
九州で思い出したけど、3月に宮崎で2つ講演がある。
3月11日(土) 尊厳死協会の市民講演会 →こちら
3月12日(日) 認知症の市民講演会 →こちら
誰でも参加OK
宮崎のみなさま、来てください。
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この記事へのコメント
長尾先生。こんばんは🐾
ようこそ、九州へ。
そんなに寒くなくてよかったですね。
ニッポン臨終図鑑も200回超えたとは!
2冊目もそろそろですね。
1冊目の本の表紙も万華鏡みたいに美しかったですが2冊目の本の表紙も楽しみにしています。
天国でご本人達も喜ばれているだろうなと思います。
Posted by うし🐮 🐾🐾さん at 2023年02月12日 02:22 | 返信
イベルメクチンをコロナ後遺症やワクチン後遺症に使っている医師がいます。最近は著効しなくなったのと、輸入して持っていたストックがなくなったので処方をやめるそうです。ただしどうしても希望する人のために日本の正規品のストロメクトールを処方します、と言ってます。健康保険では認められないので10割負担払えば出してもらえるということですよね。数万円くらいかかるから高いですということですが、これは自由診療になるからですかね。そうするとクリニックによって価格が違うということですか。イベルメクチン高額ビジネスに発展しないようにと願います。あまり大っぴらにやると疥癬以外の処方に規制がかかりそう。
Posted by 匿名 at 2023年02月12日 06:24 | 返信
こんにちは。
若い人が元気なのは、いいですね。大阪は貧困なので、
元気がない。そんな記事を読んだことがあります。
なぜか、中国のZ世代とおぼしき女性からfollowが
続けて入りました。あちらの女性は積極的だからなぁ。
元気があるのは、結構なこと。
死について思うことは、借金などヨソ様のご迷惑に
なることはしないことと、見られたら恥ずかしい物は
処分しておくこと。エロ本とかね。先生、大丈夫ですか?
では。
Posted by たまねこ53号 at 2023年02月12日 06:42 | 返信
長尾先生
お久しぶりです。
トルコの地震に 落ち込んでいます。
木が 揺れてないのに ビル倒壊。
募金は 中抜きされるから 大使館に
送った方がよい様です。
お金より物資?
HAARPなのか?検証が必要です。
サル痘のパンデミックは
失敗したようです。
↓
WHO 世界保健機関の
テドロス・ゲブレイェス局長は
新たな致命的な
「ヒト型鳥インフルエンザ」の
パンデミックが 今年後半に
起こると予測しています。
WHOは「ワクチンや抗ウイルス剤を
世界的に 使用 できるようにする
ために」すでに製造業者に働きかけて
いるとのことです。(コロナと同じ)
週刊文春が下記を報じました。
安倍元首相について
警察の見解は「首の右側を撃たれた」
しかし専門家は「右に当たるはずはない」
変転する警察庁幹部の国会議員への説明。
救命医と 監察医で 異なる診断。
消えた弾丸。心臓に開いた穴。
検証すると・・
コオロギは中国の薬学上
妊婦にとって禁忌とされ
流産や早産を引き起こす。
昆虫にはキチンと呼ばれる
化学物質が含まれており
アレルギー反応や
呼吸疾患の原因となり
人間が処理できず発癌性がある。
コオロギはゴキブリと同じ仲間。
(何も良いことなんて無いのでは?)
.
Posted by 長尾先生が大好き at 2023年02月12日 07:00 | 返信
おはようございます。
ニッポン臨終図巻の紹介ありがとうございました。
それぞれのお亡くなり方がありますね。
医師、石藏文信先生のおまけの人生。
私は2019年に脳梗塞になり3年が過ぎ還暦を迎える事が出来ました。
私もそれから先はおまけの人生だと思い今を生きてます。
助けられたのはまだ生きていないといけないと言う事。両親、飼っている犬や猫達の最期を見届けないといけないのだと。
死を迎える事を思う様になりました。それは今を生きる事を大事にする事だと思います。還暦を迎え次は短いスパンで65歳を目標に毎日を笑って過ごしたいと思っています。まだまだこの世で修行しなければ!です。
Posted by 博多っ子 at 2023年02月12日 08:46 | 返信
長尾先生いつもありがとうございます。心から応援しています。健康に気をつけて元気に長生きして下さい。戦争も終わらない日は無いです。所でフィリピンの方て底抜けに明るい人多いですよね。出稼ぎのフィリピンの方にエハヨウゴザイマースと拙い日本語で挨拶された時は突然びっくりしましたが今は笑い話で、私の癌細胞をアタックするのに役に立っております。
Posted by 匿名 会社員 女性 at 2023年02月12日 09:20 | 返信
先生こんにちは😃
人の引き際。死に際。。。
石蔵さんの意見勉強になります。
でも少しだけ私は考え方が違うかな。
素人が何を言うかと怒られますかね。
"死に方をもうちょっと考えてよ"の言葉。
ん、、難しいですが少し違和感。。ごめんなさい。
人の去り際や死に際は人それぞれだと思うんです。
それは個人が何が一番自分の散り際にふさわしいのか。
65才を過ぎてもまだまだ現役と考えてる人もいる。
なんだろう、命に汚くてもいいかなと思うんです。
ぶらさがって這いずり回って色んな死に際を探して醜態を晒してそれが80才からでもいいかなと。
もちろん石蔵さんの持論を否定はしませんしそれもありだと思いますが。
抗がん剤も。。です。
色んな説明を真摯にして当事者に良かれと思い力になりたいからこちら側から助言しても
当人から全く真逆の答えが返ってくることがあります。
いやそれは抗がん剤の止め時だから止めた方が良いとこちら側がいくら言葉を重ねても"私は止めない"そう言う方もいます。
何度も話し合いを重ねても。。。
じゃあ彼女に取って何が一番人生で大切なのだろうと考えた時に
納得するまで治療したいと言う気持ち。無駄でも。生きる糧みたいな。
ん~周りから観たらもう止めた方が。。。そう思うけど当人は違う。
手術も。止めた方が年齢的にも身体侵襲身体の負担を考えたら絶対良いのに当人が守るものを守るために戦いたいと言う。
じゃあ私はとことん付き合うよと言う答えになる。
石蔵先生のコロナの中で若い子に命を譲る行為はとても高い志だと思うし
そのような考え方ができる方が凄いなとも思います。
自分の死に際を元気な時に考えることも大切かもしれない。
だけどなかなか怖くて皆考えることも難しい。
ならいっぱい怖がり人に当たり散らし怒鳴り泣いて最期に決まった当人の気持ちに寄り添うそうしていきたいですね。
抗がん剤でボロボロになった身体を引きづりながら納得できたよありがとうと言われることもある。
難しい難しい。。
素人がすみません😣💦⤵️
色んな考え方を尊重していきたいものですね。
先生1日頑張ってください😃
難しい。
偉そうですみません。
Posted by かおなし at 2023年02月12日 11:56 | 返信
臨終図巻、いつも隔週毎くらいに先生のホームページのメディア欄からチェックしています。淀ちゃん以後、していなかったことに気づき、今見たら高橋幸宏さんと野球選手の方のがありました。
七十代での死は、最近の平均寿命を考えると早いなあと言う印象ですが、そうかー、60過ぎてからはオマケの人生という見方もあるんか、と知り、私も過ぎてますのでフルで働いてないことに罪悪感感じなくて良いのかなあと都合よく解釈しました。
でもバリバリ現役を退いた今だからこそ出来る、大事な事はあると思うんです。先生もそのお手本を示してくださってますよね。
オマケだから、色んな縛りや形式に囚われる事なく思い切ってやれる事は確かにあると。言ってみれば本当に本能から自分のやりたい事が出来るのは60以降なのかも知れません。
臨終図巻の最後の方に毎回、キメの言葉が書かれていますね。それがとても好きで、いつもなるほど、と思わせられます。流石やな、というか。じ~んとするし。泣けてくるものも数回ほどありました。
これからも旅立っていった人々に寄せるレクイエムを続けていってくださいね。
Posted by Yoko Oda Thapa at 2023年02月12日 01:26 | 返信
こんにちは。
亡くなったマッコウ鯨の調査が、3時間しか許されなかったので、死因が不明で残念です。
軍用ソナーによる減圧症か?等と思ったりしましたし、先日のトルコ&シリア人工地震の事も有ります。
日本から救助隊が派遣されたそうで、こういうのに血税を出すのは、よいですけど、生物科学兵器(惑珍)は、駄目です。
日本でも立て続けにダイオウイカ、ホシフグ、ボラ、イルカの大軍等が見られていますので気になっています。
夏の晴れた日の昼に近い午前中の津波の夢(天然色)を見ているので気になっています。
白木みのるさんの吉本の舞台で、巫女役として参加した事が有ります。
2年前に亡くなっていたとは驚きです。
Posted by 三毛猫 at 2023年02月12日 01:35 | 返信
ドクター和のニッポン臨終図巻は、どなたに対しても尊厳と慈しみとが溢れていて、いつもあったかい気持ちになります。亡くなられた方の魂は、笑みを浮かべながら清流を下って安心して大海原のあの世に旅立たれたに違いない、と確信出来ます。清流のような心をいつも感じています。”魂のおくりびとエッセイ”と呼びたいです。
。
Posted by 遠い声 at 2023年02月12日 03:54 | 返信
ワクチンで殺された市民の無念を晴らす為に先生は戦いを始められました。裁判は公開なので多くの人の目に触れるチャンスがありますね。先生は武士です。
今日のオンラインの戦略会議では、調停でいくか民事訴訟でいくかの話が出て、アドバイザーの方から、調停は、調停員を介して訴状が届いて欲しい相手(知事など)に確実に届く可能性は高いが、裁判と違ってクローズドなのでより多くの人の目に触れるように出来る工夫が必要、と言われました。
鍵山様の昨日のコメントも大変有用で、仲間とも共有するつもりです。実際にやってこられた方のお話は何よりも説得力があります。
私もオマケの人生に突入しています。侍にはなれずとも足軽位になれれば、と考えております。
Posted by 時代遅れの検査技師 at 2023年02月12日 03:55 | 返信
お疲れ様です。ふと死ぬのが自分のもので無いなら生きるのは誰のものだろうと思いました。自分のもののはずなんだけど、そうでも無い様な。本は買って積んであるのに一番読みたい本もそれほど読めていない。忙しい事が不幸でもあり幸せにも感じる。道具である様にも思いながら無気力にも思えてくる。権力者と言われる人も、他人の人生含めて何でも私物化出来ると頑張ってるんだなあと伝わり、こういう感性は死も生も自分のものだと感じるのかと思いながら、何となく自分の手を眺めていました。
ニッポン臨終図鑑の第280~289回読んでいます。知っているのが渡辺徹さんとあき竹城さんだけだったけれど…。あき竹城さんのエロスは多分分からないのですが笑、母性は分かります。女性でも安心して側に居られる。先生の著作に女性の男性化について時々書かれていて、サカナも雌から雄に変わるのは多いと思い浮かんだりします。でもこの視点を持つと社会生活も面白いです。
優しそうな方達は、旅立った後もまだそこに笑って佇んで居る様に感じられて、渡辺徹さんもあき竹城さんも、社会的な死より今までの温かい雰囲気の方が伝わってきます。
Posted by 匿名 at 2023年02月13日 11:53 | 返信
こんにちは。私も玉置浩二さん大好きです。台湾でオーケストラをバックに歌っていたのをYouTubeで何百回か観ました。わたしは"行かないで"の曲は何度聴いても涙がでます。なかなか生でライブには行けませんが車の中でも安全地帯きいてます。
それとわたしも地震と戦争に脅威を感じます。トルコ地震の後、熊本でしばらく地震が続き、大分も豊後水道の震源地で地震がありました。先生、九州に来られたのですね❣️活気がある…福岡かな?
いつも投稿ありがとうございます。とても人生の勉強になります。いつか先生を生で見たいです^ ^
今日もいい日であります様に…💖
Posted by 胡蝶蘭 at 2023年02月15日 04:39 | 返信
こんにちは。
早速、この講演会について地元の宮崎日日新聞で告知がされていましたが
何故か先生のお名前は掲載されていませんでした。
尊厳死協会主催の長尾先生の講演会は9年ぶりで尊厳死やもし身内が脳死などになり大きな決断をしなくては
行けなくなる場合や死、老いる事について市民に知ってもらい1人1人が自分の死、家族の死について考えるいい機会なのに
なんだかなぁと思いました。
知り合いには告知しておきますね🐾
Posted by うし🐮 🐾🐾さん at 2023年03月01日 11:35 | 返信
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