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「滝山病院事件」は氷山の一角

2024年12月16日(月)

昨夜、NHKスペシャルで滝山病院事件が報じられた。

精神病院での酷い医療は昔から有名だけど根が深い。

僕らはこの国の精神医療から目を背けてはいけない。



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NHKスペシャル 「死亡退院」

オンデイマンド配信    →こちら


入院患者の8割が死亡退院の病院がある。


虐待や酷い医療の実態が、報じられた。


NHK、やるねえ。



それにしても酷い話だ。


精神医療に無知な人は驚き、怒るだろうが、そこで終わってはダメ。


なぜ日本の精神病院がここまで酷いのかを、よく考えて欲しい。


それは、昨夜、Xのスペースで1時間話したとおりだ。



今、言えることは、

1)この問題は医療制度がメイン、政治の課題である。


2)滝山病院は氷山の一角にすぎない。


3)現在もあちこちで繰り返されている。


4)誰もの中にある精神病への偏見や関わりの拒否、優性思想が関与。


5)国民皆保険制度が続く限り、滝山病院事件は無くならない。




みんな他人事ではない。


ご両親や自分自身がいつ当事者になってもおかしくない。



それを防ぐためには、病院選びやリビングウイルが大切だ。


でも、本当は日本の医療制度を理解しないといけない。


国民皆保険制度の闇の部分がこの問題ではないのか。


抜本的な改革は、命を惜しまない政治家にしかできない。


でも、そんな人はいない。


だから、しばらくは、この問題は解決しない。


まさに明日は我が身。


そう思ってNHKスペシャルを観て欲しい。




PS)

映画は後半戦に入りました。


お陰様で撮影は順調に進んでいます。



今夜は満月。


神秘的な夜、ですね。


明日もいい日でありますように。







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この記事へのコメント

今晩は。
テレビの存在をすっかり忘れてまして、残念な事に、見てないです。
幸い、れいわ新選組の天畠大輔参議院議員が、滝山病院の事は、他人事ではない、18日0時35分〜の再放送を紹介していました。
是非多くの人達に見て頂き、関心を持って欲しいとの事でした。
天畠氏は、今年3月に「滝山病院問題を終わらせない」都庁前行動に参加しました。

驚いたのは、日本の精神科病院では、一般科に比べて、医師の数が3分の1、看護師は、4分の3で良いとされている事です。
一般科よりも医師の数も看護師の数も必要ですし、病棟には、事務員を置く必要があります。
精神科の患者さんは、手がかかる人も多くいるからです。
職員の人員不足は、患者さんにも影響が有ります。
箱ティッシュを置いて貰えないから、シーツに鼻糞を拭い着ける事をしないといけない。大便をしてもトイレットペーパーは無いし、トイレの水も止められているから、看護師を呼ばないといけない。とか、患者の不安を和らげる為に家族が持たせた縫いぐるみも置けない。等、監獄よりも酷い処遇を受けます。
実際に刑務所にいた男性が「刑務所よりも酷い」と大分県立の精神科病棟の事を言っていました。
県立病院なのに事務の仕事までも、看護師がしてて驚きます。
「ローラースケートが必要なのでは?」と思う程、彼女彼等は、忙しなく飛び回っています。
看護師は、超絶忙しそうでしたし、医師は、疲弊している様子でした。

函館市議会の石井としひろ議員は、精神医療を「施設から地域へ」最後のセーフティネットは、「民から官へ」と言っています。
10人のうち1人が、うつ病を発症すると云われる現在社会では、滝山病院(精神科病院全体の問題)の問題は、他人事ではないのです。
滝山病院問題について心を寄せている天畠氏は、14歳の時の医療ミスで、四肢麻痺、言語障害、嚥下障害、視覚障害(平面が見えにくい、文字を読めない)という重度の障害者となり、10代で2年間施設に入居、日々自分が無力化されているという想いで生きてきたそうで、滝山病院の患者さんに想いを寄せる時、当時の自分を思い出すとの事でした。
精神科病院の医師や看護師の数を定めた人達の上から目線と優勢思想が見えてしまうのです。
「命の選別」発言で問題にされた人もいました。
そういう考え方の人達が、「必要悪」との他人事発言をするのでしょう。
けれど、患者自身の立場になると、常に「貴方死ぬしか無いんですの」「死にたい気持ちで一杯になったら心臓が止まるんですの」「自殺しなさい」「食べるな」とか自分の口を勝手に使って喋られる恐怖と不安を想像するだけでも、胸が痛みます。
今でさえ、入院患者の処遇は、酷いので、御父様の頃を察します。
精神科看護師や医師が、働き易い環境を整える事と医療従事者への人間的教育が、先ずなされないといけないと思います。

Posted by 三毛猫 at 2024年12月16日 02:57 | 返信

息を呑むようなお話ですね。
そうです、明日は我が身。
昨日、長尾先生の「119番と平穏死」のご著書を拝読しました。
本当にリビング・ウイルが必要ですね。
これが国民皆保険制度の闇だとは😱
自分の逝き方は自分で考えないと。
しかし、どうしていいのやら。
難しいですね。

Posted by 山田花子 at 2024年12月16日 09:17 | 返信

NHKの「死亡退院.滝山病院」を見ました。そういえば、昔から精神病院とか、おかしな病院があると報道されていたことがありました。でも、たまたまその病院の経営者がおかしいからと思っていました。精神病院組合の方が「政府の方針だから、仕方がない」と仰っているので国家ぐるみなんだと分かりました。
20年ほど前に、母が「無農薬野菜を採る会」に入って教会のお世話になっていました。以前にいらっしゃった実力のある牧師さんが、他所に転勤になって、若い牧師さんになってばかりの時に、母と同じ年齢の未亡人が、良い人なんですけど、だんだん認知症の症状が現れて皆が、心配していました。心配し過ぎて健康保険を、低所得者老人保健に切り替えたりして「あなたは低所得者なんですか?」と言われて顔が赤くなったとこぼしていました。心配して老人ホームに1泊お泊りしてみたら?と言われて1泊してみたけれど、怖がるようなことは何もなかった。それでお正月に、以前から入っているお年寄りが自分の子供の家に、一時帰宅するからその代わりに10日間宿泊しないかと勧められてしぶしぶ泊まった。すると自分の家に帰らせて貰えないほど認知症が進んだお年寄りばかり残って、ワーカーさんの数も減ったので食事を手でこねて食べたり、夜中に大声を出して暴れたり、10日間へとへとになって正月明けの4日に自分のマンションに送り返された。その後、ほっとしてベッドの横に倒れた。
その翌朝ヘルパーさんが来て、ベルを押しても出てこないので、上の階の人が預かっている鍵で開けようとするも閂がかかっている。開業医の奥さんが教会にきていて、その奥さんの支持で消防署のレスキュー隊が、ベランダのガラスを割って入るとベッドの傍で倒れていた。救急車で救急病院に担ぎ込まれた。医師が「点滴をしたら、元気になったから、家に帰っていいよ」と言ってくれた。でも開業医の奥さんが「この人は独居老人です。今帰宅したら危険です。私は、開業医の○○の妻です」と強く言ったので、病院の若い医師が折れた。引き受けてくれる老人ホームを探して、隣の市の老人ホームが引き受けてくれる事になった。その後世話をしていたヘルパーさんが、心配してお見舞いに来た時、たのまれて靴の代わりのへっぷというかミュールというか、ツッカケを持ってきた。そのつかっけを履いていたのか、わかりませんが、転倒して股関節を脱臼した。看護師長が来て検査したら、骨折していると診断された。そこで老人ホームからお断りされた。すると死んだ主人の姪、保証人になって全財産を預かるから京都の病院で大腿骨骨折の手術をすることになった。手術は成功したが、もともとひとりでは歩けなかった。そこでまた私の近所の老人ホームに戻って来た。その未亡人の姪は「私はこの未亡人にひどい目に会っているので、財産は全部私がもらいます。その未亡人がどうなろうと、私の責任ではありません」と言ってマンションを売り飛ばして自分のものにした。
その後、市役所主催で「認知症と介護保険」の講習会があって、大阪大学大学院の女性教授が来てくれました。何か質問はありますか?とのことで、私はその知り合いの未亡人について「尿崩症化、糖尿病でしょうか?」と質問したら「軽い認知症と、尿が漏れる。足元がふらつく」という症状から「正常圧水頭症が、考えられますけれど、私が直接その方を診た訳では無いので、断定はできません」と仰ってくださいました。その時初めて正常圧水頭症という病名を知りました。
この時の思い出から、独居老人は、いつでも入院を強制されるなあと、自覚しました。でもどうしたらよいのか、それこそ「安楽死」も考えに入れておかないと、いつどこで縛られる状態で殺されるのか分からないと思いました。

Posted by にゃんにゃん at 2024年12月16日 12:16 | 返信

話は変わりますけれど、巻子の言霊を読んでいたので「生命維持装置のボタンは、はずさないほうが良い」などと申しあげてしまいましたけれど、そのような軽はずみな事を申し上げるべきでは無かったと、ずっと後悔していました。
巻子さんは「早く外してって言ってるのに、余計な事を言う人がいる」とお怒りになったかもしれません。
ご夫婦のご冥福と、残されたご家族様のお幸せを、お祈り申し上げます。

Posted by にゃんにゃん at 2024年12月16日 12:27 | 返信

 長尾先生
 こんばんは。

 精神医療や障害者差別に関して優生思想が原因とのことですが、ダーウィンの進化論に端を発しています。11/23の静岡での講演会であった人にもその旨につき話しました。ダーウィンについては人道主義者で奴隷制反対論者との話がありますがあまり信用できません。ダーウィンの母方の祖父であるジョサイア・ウェッジウッドも奴隷制反対でしたがウェッジウッドの創始者である資本家であり国内の労働者を酷使していたような人物です。ダーウィンやウェッジウッドが奴隷制に反対したのは奴隷を工業発展の労働力として使いたいからだというのが理由だと考えられます。
 また、ダーウィンについては典型的なウイルスの一種である我々人間をサルの仲間扱いしたことも許せません。ダーウィンはとことん人間を侮辱していますし奴は人間ではなく悪魔としか言いようがありません。

Posted by 渡邉隼 at 2024年12月16日 08:05 | 返信

五輪でも万博でもワクチンでも、とにかく「契約」そこにあまり皆、注目してないのが。
諦めもあるのかもしれないです。読者様がいうように非常に危険と隣り合わせになるからか、相手が巨大すぎると妄想するから言えなくなるのかは分かりませんが。「契約」が問題であり、それが国民に周知されてない。勝手にきめられて、国民が負の面被ってるのに、当の国民が「どんな契約結ばれてるか」知らない、自分等に関わってきて、契約不履行。クーリングオフしてと思います。どこの誰と勝手に国民が困ること決めてるのですか。お金あればそれができるなら、法治国家とか憲法とか、全部、無視してるってことではないのでしょうか。契約してるからゴリ押せるのでしょう。国民まきこむなら、どんな契約を誰が勝手にを大問題に法曹界や特捜部、総出突っ込み本当はしてほしいくらい。

Posted by 心の中の応援者 at 2024年12月17日 12:17 | 返信

精神医療の話から離れてしまいました。正直、複雑で感想がでてこないです。虐待は絶対だめですが、手がかかる面は、情だけでなんともならない現実もあるし。もちろん他人事ではありません。招来不安は常にあります。

Posted by 心の中の応援者 at 2024年12月17日 12:35 | 返信

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