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日本人は眠るのが下手

2026年09月25日(金)

なんか最近うまく眠れていない感じ。

僕はそうだけど、皆さまはどうかな?

睡眠の大原則を改めて見直している。

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日本人は、どうも眠るのが下手な国民らしい。


いや、下手というより、眠ることを軽んじてきた国民、と言ったほうがよいかもしれません。


日本人は、睡眠時間が短い国民として知られています 。


2025年の日本の就労者を対象にした大規模研究でも、日本はOECD諸国のなかで平均睡眠時間が最も短い国のひとつであり、調査対象者の平均睡眠時間は約6.7時間と報告されています。


OECD平均は約8.2時間ですから、この差は大きいですよね。 なぜ、日本人はこんなに眠らない(眠れない?)のでしょうか。 理由はいくつもあります。長時間労働に加えて、通勤時間が長い。女性の場合は、育児や家事や介護の負担もあります。台湾など東南アジアに旅行すると、働いている女性のいる家庭では、日々の朝食・夕食は安い屋台などの外食で済ましている。


そう、東南アジアの屋台文化は、働く女性の味方だったんですよね。一方、日本の屋台文化は、酔っ払いオヤジの味方だったわけで...この差は大きいです。 現代人ではそこに、ネット依存で眠れない、という病理も加わります。 日本は昔から、「寝る間を惜しんで頑張ること」を美徳としてきた社会の空気です。


「働いて、働いて、働いて...」が未だに賞賛される国であり、「眠い、疲れた、休みたい」と言うことが、どこか怠け者のように見られてきました。 僕も若い頃は、いや、最近までそんなふうに思っていました。その結果、身体に無理をしすぎたツケが今になってジワジワとダメージが来ているわけです。



「あんまり寝ていない自慢」は、医学的に見れば、これはかなり危うい価値観です。 睡眠は、余暇ではありません。体の修復であり、脳の掃除であり、免疫、血圧、血糖、認知機能、感情の安定を支える、生命維持の時間です。 良い睡眠は脳・心血管、代謝、内分泌、免疫、認知機能、精神面の維持に重要であり、睡眠が悪化するとさまざまな疾患リスクや寿命短縮リスクが高まるとしています。


睡眠が短いと、どんな病気のリスクが高まるのでしょうか? 成人で7時間未満の睡眠が続くことは、肥満、糖尿病、高血圧、心疾患、脳卒中、不安、うつ病などのリスク上昇と関連すると整理しています。 眠らない人の体内には、感染や炎症と闘うたんぱく質であるサイトカインが減少しているという研究もあります。がんをやっつけてくれる、ナチュラルキラー細胞の産生も大幅に減少するのです。ナチュラルキラー細胞の量が減少している人は、がんで死亡するリスクが高まります。


夜勤が多い人には、決まった時間に働く人よりも、乳がんや前立腺がんなどが多いこともわかっています。 近年注目されているのは「睡眠時間」だけではありません。


「睡眠の規則性」も大切です。 寝る時間、起きる時間が日によって大きくずれる人は、心血管病のリスクが高まる可能性があります。米国NHLBIが紹介した研究では、睡眠時間や就寝・起床時刻が不規則な高齢者は、規則的な人に比べ、約5年間の追跡で心血管疾患を発症するリスクが2倍以上だったと報告されています。


つまり、「たくさん寝ればよい」という単純な話ではないということ。 睡眠には「浅い眠り」と「深い眠り」があります。 「浅い眠り」とは、脳がまだ比較的活動していて、物音などで目が覚めやすい状態。


一方、「深い眠り」は、脳波がゆっくりになって、体と脳が本格的に回復する時間です。成長ホルモンの分泌、細胞の修復、免疫機能の調整、記憶の整理などにも関わります。さらに夢を見ることの多いレム睡眠では、感情の整理や記憶の処理が行われていると考えられています。


つまり睡眠とは、ただ意識を失っている時間ではなく、夜のあいだに体内で行われる「大修繕工事」なのです。 ところが高齢になると、この睡眠の構造が変わってきます。 若い頃に比べて深い眠りが減り、夜中に目が覚めやすくなります。


朝早く目が覚める、長く眠れない、昼間にうとうとする、という変化も起こりやすくなります。 これは老化に伴う自然な変化でもあります。ですから、高齢者が「若い頃のように8時間ぐっすり眠れない」と悩みすぎる必要はありません。安易に睡眠薬に手を出すのも、おススメしません。


個人差を踏まえつつですが、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保すること、高齢者では床上時間が8時間以上になりすぎないことが目安とされています。 大切なのは、布団の中に長くいることではなく、朝起きたときに「それなりに休めた」と感じられるかどうか、です。


しかし、高齢になればなるほど、睡眠に問題を抱える人が多いのは事実。これは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌量が、加齢とともに減少してしまうからです。メラトニン分泌が低下することで、眠りにつきにくくなったり、途中で目が覚めやすくなることがあると研究で指摘されています。


メラトニンの減少を抑制し、良い睡眠を確保するためのヒント


1) 朝の光を浴びること。

睡眠は夜だけで作られるものではありません。朝、太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、その約14~16時間後に眠気が出やすくなります。眠れない人ほど、夜ではなく朝を整えることが大切です。


2)昼間に体を動かすこと。

激しい運動でなくてかまいません。散歩、買い物、階段、庭仕事。高齢者なら、日中に外へ出て光を浴び、足を使うだけでも睡眠の質は変わります。 2023年の高齢者を対象にしたメタ解析では、定期的な運動習慣によって、睡眠の質や睡眠効率が有意に改善したと報告されています。特に「中等度の有酸素運動」が効果的で、歩行運動は代表的なものとして挙げられています。 やはりおススメは、ウォーキング。


最近の研究では、

〇週210分以上歩く高齢者は睡眠の質が良い

〇1日に複数回歩く人ほど眠りが深い、つまりチマチマ歩く。

〇2~3回/週、30分前後の軽~中等度運動

が最も続けやすく、睡眠改善効果も高まる という傾向も示されています。


つまり、昼間にしっかり歩けば、自然に夜に眠くなるという、生物として当たり前のリズムを取り戻すことが大事です。


3) 夕方以降のカフェインを控えること。

コーヒー、緑茶、紅茶、栄養ドリンクにはカフェインが含まれています。年齢を重ねるとカフェインの影響が長く残る人もいます。


4) 寝酒をやめること。

お酒は寝つきをよくするように思えます。僕もしばしばやってしまいます。しかし、実は睡眠の後半を浅くし、夜間覚醒を増やします。それに、トイレも近くなる。夜中に目が覚める人ほど、寝酒は逆効果になりがちです。


5) 寝床で悩まないこと。

眠れないまま布団の中で長時間過ごすと、脳が「布団=眠れない場所」と覚えてしまいます。20~30分たっても眠れないときは、いったん起きて、暗めの部屋で静かに過ごし、眠気が戻ってから布団に入るほうがよい場合があります。 6) スマホを寝床に持ち込まないこと。 眠れないからといって、ついつい寝ながらスマホを見てしまいませんか? これが最悪です。光の刺激がメラトニンを抑制させるだけでなく、刺激的な情報が安眠を妨げます。


そして最後に、「眠れない日があっても大丈夫」と思うこと。

人間ですから、毎日いろいろなことがあり、脳の状態も毎日同じではありません。 うまく眠れなかった翌日も、落ち込まずに少し日光を浴び、少し体を動かし、昼寝を長くしすぎず、夜を待てばいいのです。大丈夫。眠れずに死んだ人はいませんから。 眠りと歩行は、薬にも勝る養生になります。よく眠る人は、よく生きる人です。 夜は寝ましょう。昼は歩きましょう。



歩行の秋、です。


そして、睡眠の秋、です。




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