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12月12日(金)ガン拠点病院がまさに日本の医療のガンである確信が深まりました
2008年12月12日(金)
独居で療養し最後まで在宅医療を希望していた元歌手は、カラオケ大会での頑張りの後やはりグターとなり2日後意識レベルが低下しました。あのカラオケ大会は、予想を遥かに上回る楽しい会でしたが、まさに「最期のカラオケ」となりました。
しかし1階のカラオケ経営者からは「店で死なれたら縁起が悪い、商売に響く」と病院への搬送を強く要請されました。私自身、クリーニング屋さんや美容師さんなど職場で看取ったことが数件ありますが、今回ばかりは仕方ありません。大半の市民には「死は忌み嫌う」ものだから、絶対に家や職場で死なれたら困る、死亡確認だけでも病院でして欲しいと考えているようです。忙しい救急医の手を取ることになり申し訳なく思います。多くの市民が共有する死生観(病院信仰)の前では現場の開業医の主張なぞ無力です。
いつもそうなのですが、一人減るとまるで入れ替わるかのように、今夜から2名の末期癌の患者さんの在宅医療が始りました。1名は昨日書いた40歳代のBさん。暗くなってから家に訪問して、食べてないので点滴希望があったので、ステロイドを入れた点滴を少ししてもらいました。初めて訪問して帰って来た看護師は言いました。「あまりにも可哀そう。ベッドもないし、ポータブルトイレにも座れない。なんでもっと早く退院させないのか」と涙ぐんでいました。
夜診の最後にもう一人、末期がん患者さんのご家族が在宅医療を依頼しに来ました。この患者さんもA病院の末期がん。もう2週間食べれなくなって動けなくなっていると言う。家族が見たところ「年内もつかどうか」とも言う。さっそく訪問すると顔から膿が噴き出ていて、便臭のする部屋に全く気力のないうつろな男性が寝ていました。1時間かけて話をするうちやっと私の顔を見てくれました。「この患者さんの主治医はいつになったら私のような在宅医に紹介状を書くつもりなのだろうか、亡くなる1日前?いや亡くなってから?」なんて考えてしまいました。そのあと別の末期がん患者さんを2人往診したら11時になってしまいました。
明日土曜日も、元元当院で診ていた患者さん2人が大学病院とA病院から在宅へ帰ってきます。認知症の患者さんにインスリン注射を導入して、紹介状には「低血糖をよく起こすので、対処法をしっかり指導してください」と書いてありました。「いったい誰がどうやってインスリンを打つの?誰もいない時に低血糖が起こったらどうするの?」と思います。「木を見て森を見ず」「病気を見て人を診ず」「血糖を見て人間を診ず」・・・
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