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働きたくても仕事がない、そして生活保護になるには元気すぎる50代。診察はまずお金の話から始まる。何かおかしい!!!
2009年08月24日(月)
最近の診療はお金の話から診療が始まります。
「胃潰瘍でピロリー菌陽性だったから除菌しましょうか?」
「いくらかかりますか?」
「いくら持っていますか?」
「給料前だから恥ずかしながら5000円しか持っていません」
「じゃあとりあえず対症療法でガスターを1ヶ月分出しておくから、お金ができ次第、是非除菌をしようね。それには5000円位かかるからね。今日は薬も入れて3000円位だから大丈夫ですよ」
なんて話をしています。変ですよね。ですがこれがどこにでもある現実の風景です。
次に60過ぎの血糖のコントロール不良の糖尿病患者さんが入ってきました。
「先生、お金が無いから、今日は採血だけは勘弁してね!」
「そういえば開店した喫茶店閉じてから、勤め人になったのにどうしたん?」
「不景気やから年齢の順にリストラされたんですわ」
「でもハローワーク行ったら仕事くらいあるやろ。掃除とか」
「掃除は2?3時間だけやし、毎日無いのが辛い。だって月3万しかなれん」
「そやな。体は元気やから私はフルタイムで働きたいわ。先生、雇って!!」
「毎日、患者さんにそう言われるわ。(笑)うちは清掃会社が入っているからね」
「そうでしょう。ハローワークには私ら50、60の人間の仕事なんて皆無やわ。情けないわ。これからどないして生きていったらええの?」
「あんた、不動産、持ってのんのかいな?」
「そんなもんあるはずないやん。ところで先生、生活保護になられへんやろか?」
「なれたらいいけど、あんた元気やからまだまだ働ける、ってきっと言われるで」
「そやろな。でも年齢が中途半端やからな。」
「でも働くとこ、ほんまにないの?」
「ほんま、ないわ。うち、どないしたらええの?先生、教えて。うち、何でもするから。」
「わかった。ところで、採血はせんけど、薬だけはちゃんと飲んでね!」
そうです。働きたくても仕事がない、そして生活保護になるには元気すぎる50代、60代。こんな人は世の中に毎日ゴマンといます。「景気回復」「雇用問題」という言葉は、診察室を直撃します。
そういまどきの診察は、まずお金の話から始まります。考えたら異常ですね。まさに政治の貧困が招いた悲劇です。しかし、我々現場の人間こそ、真実から目を離さず、発信して立ち向かうべきです。
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