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コレステロールを腸から吸収させなくする薬の可能性
2009年10月24日(土)
朝一番に携帯が鳴りました。認知症で数年間寝たきりの患者さんが静かに息を引き取りました。胃ロウ栄養と気管切開で数年間、家族とともに頑張ってきましたが、最後はあっけなく亡くなりました。一昨日にも末期がんの患者さんを看取りましたので、今週は2人目の看取りです。
外来、インフル、訪問、看取り、緊急往診。毎日がこの繰り返しです。感じたことをネットメデイアに投稿したり、官僚に陳情したり。これは気分転換なのかもしれません。
一昨日、東京に行ったばかりなのに、午後は往診を済ませ、また東京へ日帰りで勉強会に参加しました。今夜はコレステロールを腸から吸収させなくする薬の勉強会です。コレステロール治療の基本的イメージがだいぶ変わりました。
悪玉コレステロールが動脈硬化を起こすのは間違いないのですが、血中の悪玉が急激に増えた理由はなんでしょうか?脂は口から入り腸管で吸収され、肝臓でコレステロールに合成されます。これまでコレステロールを下げる薬としては「スタチン」という有名な薬の独壇場でしたが、増えているのは肝臓でのコレステロールの合成ではなく、腸管から吸収される脂の量なのです。ですから後者を抑える薬の方が、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病患者さんのコレステロール治療には理にかなっています。
ちなみにこのコレステロール吸収阻害剤を用いると、中性脂肪や血糖も下がります。最近、NASHという悪性の脂肪肝が急増しています。肝硬変になり命に関わる脂肪肝です。この治療にはベザフィブラートということになっていますが、今後はこのコレステロール吸収阻害剤が主力選手になる予感です。大きな可能性を感じる薬剤です。また、小腸の粘膜にあるコレステロールを吸収するレセプターが発見され、それを邪魔する薬まで発見されたこと自身に感激しています。
もちろん本当は食事療法が一番大切です。野菜に含まれる多くのミネラルが、腸管粘膜のコレステロールレセプターにどう影響するかが私自身の興味です。
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