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入院先によく往診を頼まれます。
2009年10月26日(月)
こんなことを書けばいくらブログといえども支障があるかもしれません。
数年前から、入院先によく往診を頼まれます。「どうしたら病院から脱出できるのか」、「一度でいいから病院に往診して欲しい」と懇願されます。要するにご家族は家に連れて帰りたいのです。しかたなく見に行く時もあります。正直、寂しげな表情の患者さんを見ると在宅医療の良い面を日々感じている者としてはちょっと複雑な気持ちになります。
普段、在宅で自然な表情の人ばかり見ているせいか、機械に繋がれて眉間に皺を寄せてひたすら耐えている患者さんを解放してあげたい衝動にかられる時が正直あります。しかし、私にはこの異国から彼を脱出させる権限は一切なく、ご家族に「主治医に退院させてくれるよう自分でしっかりお願いしてください」とアドバイスします。そして本当にそう言うとたいていの病院主治医は不機嫌になります。虫の居所が悪いと「死なせたいのか」と怒られ、また慌てて相談に来る家族もいました。 まあ家に帰れる人はまだいいのです。結局、異国(療養病床)で最期を迎える人が大半です。
今日は、命からがら(ご家族の弁です)某病院から脱走したばかりの患者さんが車椅子に乗せられて、夜診の最後に来られました。「長い間、何の病気で入院なさっていたの?」と聞くと、家族も「わかりません」と。「主治医は何て言ってるの?」、「わかりません。主治医とは一度も会ったことがありませんから」と、まるで「迷子の子猫さん」の歌のようなやり取りです。3ヶ月間入院していても医師が診察するのは1、2回の療養病床もあるようです。DPCという包括制になると何もしないことが一番病院の利益になります。出来高制と対極です。結局、この患者さんは本人やご家族の意思と関係なくよく分からないまま入院さされていたご様子でした。さっそく在宅医療の話をしました。
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