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院長業務とは、哀れなクレーム担当おじさん
2009年11月06日(金)
今朝もあたかも私の往診を待つ様に、末期がんの在宅患者さんが旅立たれました。自宅に帰ってきて3ヶ月間。30分前までアイスクリームを口にされ、5分前まで意識がありあり、本当に穏やかな最期でした。
遅れて始まった嵐のような外来を終えて、在宅ミーテイング、20名以上の来客対応を終えると、山のようなクレーム処理が待っていました。院長業務とは、半分はクレーム処理などの雑用です。ストレスを入れると9割が雑用です。毎日、米つきバッタのように頭を下げて回るばかりです。昨日と今日に経験したクレームを書きます。
1) 2日前に風邪で受診された患者さんの夫からのクレームを頂きました。36.6度の微熱で喉が痛くて咳が出て頭痛がするとの訴えで初診されました。当院の某医師が別館で聴診を含めて丁寧に診察した結果、急性扁桃腺炎と診断し、消炎剤を処方しました。左腰も痛いとのことでしたが腎盂腎炎を疑って叩いて診察しましたが、その所見はなく湿布を処方しましょうかと尋ねるも不要とのことでした。しかしその患者さんは納得されず、別の医院を受診されたところA型インフルエンザだったそうです。ご家族は「インフルを見逃したこと」、「左腰に対して聴診器をあてなかったこと」「湿布を出しましょうか」、と言ったことに対するクレームを言われました。確かに、平熱のインフルエンザも時々経験します。風邪と新型インフルエンザは区別できない場合が現実にはあります。両者を鑑別するのは本当に難しいのです。後医は名医といいますが、私のクリニックが2番目でインフルを診断することもよくあります。しかし左腰に対して聴診器をあてなかったことには言い訳はできません。「腰痛に対してロキソニンの頓服が5錠出ていて飲んだが、ネットで調べるとインフルにロキソニンは出してはいけないと書いてある。今も頭痛がするのはロキソニンの副作用ではないのか」とも言われました。さらに「連れていた子供のインフルエンザも一緒に見抜いて欲しかった」とも言われました。平謝りしました。その医師にも伝えました。
風邪患者さん全員に簡易検査をすると過剰診療で処罰されますし、患者さんからは「無駄な検査をしてもうけ主義だ」と怒鳴られます。反対に平熱だからと簡易検査をしないと、見落とすこともあり、これまた怒られます。どちらに転んでも分が悪いです。
2) 訪問看護師が点滴を忘れて取りに帰ろうとしたら、患者さんから「今日は注射でいい」と言われてそのとうりにしました。しかしこれに対してご家族からクレームを頂きました。「普通なら取りに帰るはずだ」「それで訪問看護したことにするのは悪徳商法ではないか」「点滴が終わったら話なぞしなくて一刻も早く帰って欲しい」「点滴しないのなら来ないで欲しい」とも言われました。これも頭を下げて謝ってきました。
夜は兵庫医大での抗がん剤の勉強会に参加しました。国立がんセンターの部長先生による「胃がんに対する分子標的治療」の講演を聞きました。帰りがけに「化学療法と緩和医療や在宅医療との接点はどうなっていますか?」と尋ねました。「ちょっとずつですが、やり始めています。まだまだですね」というお答えでした。
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