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いくら叫べども1泊2日の在宅医療があとを絶たない。急性期病院の医療者には人生の最期をもっと真剣に考えて欲しい。
2009年11月21日(土)
昨夜の診察の最後にご家族が在宅相談で駆け込んできました。がんの末期状態の末期です。訪問すると、ベッドから降りることもできず、目を開けることも、話をすることもできない重症でした。とりあえず今夜は大丈夫かな?といった状態です。10年もがんと闘いながら、最期の数日になってもまだ外来で抗がん剤治療をして、在宅医にも紹介しない。家族がネットで探して私のところに勝手に駆け込んできたのです・・・。急性期病院の医療者には人生の最期を真剣に考えて欲しいです。最期を家に帰すなら退院調整もMSWも何もいらないから、とにかく「1日でも早く家に帰して欲しい」、この1点に尽きます。
意識レベルの低下した患者さんを家に帰す意味をもっと考えて欲しい。死ぬ直前、時には死の瞬間まで抗がん剤治療をするのは犯罪だと思います。先週出版した6冊目の本「町医者力」の中に「がん拠点病院ががん医療のガンである」と書きましたが、この過激なフレーズには意外にもたくさんの賛同メールや手紙を頂きました。がん拠点病院の地域連携室の医師やスタッフにいくら一生懸命講義しても全然ダメです。ほとんど変わっていません。現場の医師や看護師に理解して頂かないと何回病院に出張講演しても何の意味がありません。自己満足にすぎません。
病院医療者と在宅医療者では「死」に対する認識が全く違います。前者は敗北ととらえて、後者は自然の摂理としてとらえます。私たちは「旅立ち」という言葉を使います。某がん拠点病院では、自院のがん患者さんの3割以上を看取っていると自慢していました。馬鹿じゃないかと思いました。こんなことをしているから日本の医療はおかしくなるのです。ある会議で「それはおかしい」と指摘したら、もうその会議には呼ばれなくなりました。
紹介のあった患者さんはやはり深夜に亡くなられました。当然、ご家族は大慌てでした。もちろん我々も大慌てです。しかしすべて当然の帰結です。
悪いのは病院です。同業者の悪口を言うのは正直、勇気がいりますが、これだけは敢えてハッキリ書いておきます。
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