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テレビＣＭ等でおなじみの曲ばかりです。ビフォー・アフターのテーマ曲や焼酎のコマーシャルで流れる霧島などおなじみの曲が、また違った凄い迫力で心に響きます。オリジナルにこだわらずカバー曲でも名曲であれば関係なく演奏しちゃう。まるでバイオリン界の徳永英明のような勢いです。いやそれ以上です。インストラメンタルだけで３時間。一瞬たりとも全然飽きません。人間の声よりもバイオリンの音色の方が遥かに表現力があることを知りました。

スペシャルゲストの一人目はハワイから呼ばれた陽気なウクレレ演奏者のジェイ・シマブクロ氏。彼とのコラボは、バイオリンとウクレレの見事な楽曲でした。大阪とハワイとそしてどこか沖縄の匂いもしました。もう一人のスペシャルゲストはイケメンギタリストの押尾コータロー氏。このギターも最高。ちなみにこの二人は４１歳で同級生です。

途中でクイズがありました。「世界で一番歌われている曲は何でしょう？」と。

答えは誕生日の時に歌う「ハッピーバースデイ」という曲です。世界の人口は６８億人で毎年日本の人口に匹敵する１億４千万人の赤ちゃんが誕生しているそうです。その誕生日ごとに世界中で歌われているのがこの曲です。この曲は今から１２０年前、１８９３年にアメリカの小学校の名もない先生が「グッドーモーニングトウーユー」、そう子供たちへの朝の挨拶の曲として作られました。その曲が何故かクチコミで全世界に広がりました。要するにこれは変え歌なのです。後に著作権をめぐって裁判になったそうですが、「要するにいい歌は時代を超えて残るから誰が作ったかはあまり関係ない」と彼は解説しました。その通りです。それが音楽の本質だと思います。

そして何回も何回も聞くうちに聞く者の頭の中で曲のイメージが膨んでいくものだそうです。葉加瀬氏の音楽にはタブーはありません。音楽とは楽しく、美しく、そして生活の一部である。そんな彼のメッセセージがビンビン伝わってきた素晴らしい美しいステージでした。ちょっと言葉ではうまく表現できません。現在の日本のミュージックシーンのリーダーと言えば、桑田佳祐と葉加瀬太郎だと確信しました。

そんな葉加瀬氏が育った場所はなんと大阪です。トークは大阪弁バリバリでした。彼は吹田市の千里ニュータウンにある団地の狭い２階で育ちました。彼は学会発表のようにスライドを何枚も使い、自分の昔の家や小学生時代の思い出を語ってくれました。これも形式に囚われない彼のサービス精神にあふれた試みです。絶妙トークも満点でした。

アンコール曲は喜太郎の名曲「シルクロードのテーマ」でした。１６年前、ニューヨークのラジオシテイで喜太郎のライブをたまたま通りがかったダフ屋から安く買って最前列で見たことを思い出しました。あの時の自分は３５歳。まだ若かった。喜太郎は日本人を代表してＮＹで和太鼓を考えられない位長時間叩き続けていました。その姿に涙が止まりませんでした。その感動を思い出し、そして今夜の葉加瀬氏の感動が加わり、また泣いてしまいました。益々、葉加瀬氏のファンになりました。