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ヘルパーさん達と話して分かった医療と介護の連携不足。そこには暗くて深い川がある。
2010年01月21日(木)
今日の午後は三宮で兵庫県ホームヘルプ事業者協議会主催の「在宅ターミナルケア研修会」で講演し、引き続きパネルデスカッションの司会を務めました。パネラーは「訪問看護ステーションすまいる」所長の邉見知恵子氏、姫路市社協介護サービス課の稲積初美氏、「認知症の介護者の会」の増尾千代美氏が、それぞれ訪問看護師、ヘルパー、市民の立場から在宅看取りの現状と問題点について発表されました。後半のグループ討議でヘルパーさん達と話して感じたことは、医療と介護の連携不足でした。そこには暗くて深い川がありました。このフレーズ、ちょっと古いかな?
私は日常的に在宅看取りをしていますが、ヘルパーさんたちにとっては在宅看取りがいかに敷居が高いかも再認識しました。末期がんなどで在宅看取りと決まっていてもイザ急変すると救急車を呼ぶヘルパーさんやご家族が大勢おられます。日本人の死生観の成熟を待つしかありませんが、「日本国の法律はおおらかな看取りを保障してくれている」ことを時間をかけて説明申し上げました。いろんな講演をしていますが、ここまで「看取り」に特化した講演は初めてで、オリジナルのスライドを用意しました。昨夜徹夜で作った甲斐がありました。
グループ討議ではいくつかのグループを覗いてみました。ヘルパーさん達は異口同音に医者の悪口ばかり言っていました。連絡を取ると怒る医師への対応の仕方の質問をいくつか頂きました。多職種連携という言葉の意味さえ知らない在宅医が兵庫県には大勢いることが分かりました。そんな頑固医者にも諦めずにFAXかメールでの連絡をお勧めしました。ヘルパーさん達には「粘り強く医師を叱って下さい」とか「そんなことではこれからの医療ではやっていけませんよ、と脅迫してください」と説明しました。
地域医療連携が医療崩壊を救います。医療再生とは、お金でも、医師数増員でもありません。入院、外来、在宅の機能分化、すなわち徹底した病診連携、医療・介護の連携が医療崩壊を救います。こんな当たり前のことを何故誰も大きな声で言わないのか不思議でなりません。当たり前のことを県の遠方からも来られたヘルパーさん達に教えて頂きました。
「ヘルパーは見た」という番組がありました。医療者には決して漏らさない本音を介護者にはふと漏らす時があります。患者さんのこの「揺らぎ」こそ、医療者には重要な情報であり、生病老死の価値観をケアチーム全員で共有することが大切です。
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