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病院を中心に医療が回っているという錯覚
2010年02月05日(金)
いまも昔も大きな病院からよく呼びつけられます。まもなく退院する患者さんの打ち合わせに来いとのことです。行かないと怒られそうなのでケアマネや看護師らと無理やり時間を作って一緒に伺います。「どうせ行っても末期がんの場合、半数しか家に帰ってこないけどな」(実際そのとうりです)、と思いながら。待たされることもあります。がん拠点病院の場合、完全に上から目線です。在宅スタッフを病院に呼びつけることが病診連携だと思っているように感じます。
私は時に本音をつい言ってしまいます。「病院さんこそ患者さんの家を一度見られたらどうですか。生活を見ないと病気は分かりませんよ。退院時カンファレンスを家でやりませんか?」。相手はキョトンとしています。まあ冗談ですが、せっかく家に帰るのに病院に行っても仕方がないでしょう。メールやFAXがあるのです。顔を合わせて文書を交換するだけの意味しかないのでは、時間の無駄です。
形骸化した退院時カンファレンスに呼びつけることが自分の仕事だと思っているMSWや地域連携室が多いこと。まあ行きますよ。しかし時には本当に患者さんの家も一度見てください。きっと発見があります。しかし何度もこれを言い続けていますが、実際に患者さんの家に来た地域連携室のスタッフはいまだかつて、ゼロです。
大きな病院の部屋に籠っていたら誰でも錯覚するのですね。病院を中心に医療が回っているのだと。地域にも医療・介護の素晴らしいリソースがあります。地域医療をもっと信用して欲しいのです。再発がんや難病は点ではなく面でうけるのです。面とは「地域の在宅医療チームを信頼する」とこです。
病院での講演でいつも医師に言うフレーズです。
「いつでも病院に来てください」と親切にいうのは最悪の病院医。
「もう病院には来なくていい」と見放すのが最高の病院医。
心配しなくても、本当になにかあれば全国各地にある「地域連携システム」を通じてかかりつけ医から病院に連絡をします。
今年を「連携革命元年」にしたいものです。
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