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「あなたは本当に楽しく生きていますか？」と聞かれたら、正直、自信がありません。生きている喜びを感じているか？と聞かれたら、それはなんとかＹＥＳです。でも楽しい話はホント苦手です。一度吉本に修行に行こうかと思う位、今日は苦労して話をしました。

自然に出てきた言葉は「今日死ぬかも知れないと思って家を出てきた人はいますか？」でした。質問すると２、３人が手を挙げました。実は私は毎日、そんなことを考えながら生きている、という告白をしました。そのために今朝、パンツも着替えて来たなんて、余計なことも。死を覚悟して生きることが楽しく生きることと同じである、としか私には言えません。生きることとは死ぬことを考えること。と言えばどこか病気でしょうか。しかし心のどこかでいつも考えています。

最後に皆さんに昨日のがん専門の教授の話をしました。教授になっても薄給で不眠不休で働いている現実。勤務医が如何に疲弊しているか。それはどうしてなのか。今の研修医制度のせいであること。自殺を考える医師が多いこと。医師の寿命は平均より１０年短いこと・・・。この話題に皆さんが一番反応していました。

がんと非がん、という観点からもお話しました。がんの平均在宅期間は１ケ月半。一方、難病などの在宅期間はその何十倍です。人はがんか非がんのどちらかで死にます。半分はがんです。皆さんはどちらがいいですか？と聞くと、当然、非がんの方がいいとなります。膠原病を患い「神様はいじわる」という本を出版された「さかもと未明さん」の話も持ち出しながら「難病も決して悪くない」という話をしました。

そして思わす「自殺寸前の勤務医を癒す難病患者になってね」なんて、とんでもんない言葉が飛び出してきました。でも本音です。私のような町医者は難病患者さんに最も癒される毎日です。その癒しを病院勤務医にも分けてあげてね、という願いを投げかけてみました。

終了後、沢山の患者さんが話をしに来てくれました。人工透析の患者会の方、希少難病の会の方、パーキンソン病の会の方。いろんな患者会があるのですね。医学も専門分化していますが、患者会も細分化され、別れ過ぎた結果、連合会まで作られています。医療も患者会も似ています。またきっとお会いしたいと思います。患者さんにパワーを頂いた午後でした。