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市民ターミナル・ボランティアとともに大学病院の教授回診
2010年02月10日(水)
今日もめまぐるしい1日でした。午後から市民ターミナル・ボランティア研修生2人を連れて在宅患者さんを数件回りました。神戸の黒田裕子さんが中心となり「市民ターミナル・ボランティア養成講座」を続けています。私も講演や実習に協力しています。介護保険だけでは賄えないケアを、研修を受けたボランテイアが手伝うことを目指しています。人工呼吸器、鎖骨下静脈からの高カロリー輸液をつけた患者さんが来週、在宅に帰ってきます。今日はAさんの退院調整のために大学病院の病棟に伺い教授回診にも参加しました。
たまたま訪れた大学病院の病棟には病院独特の匂いがしていました。しかしどこか懐かしい。白衣を着た医師がウヨウヨしていてまさに教授回診が行われていました。教授回診を見たのは20年ぶりで懐かしく頼もしくもありました。昔の教授回診の時はカルテを持つ手も話し声も震えていました。教授とは雲の上の人だからです。ところが現在は研修医とも対等な関係になったようです。回診につかない医師も大勢います。これが医療崩壊の原因です。しかし今日の教授回診は結構沢山の金魚の糞を引き連れていて、なかなかいい感じでした。
この患者さんの退院には様々な準備が必要です。
・自動輸液ポンプのレンタル
・人工呼吸器や在宅酸素のレンタル
・高カロリー輸液の調達ルートの確保
などです。
在宅医療は料理に似ています。
1) 仕入れ=退院調整
2) 仕込み=退院準備
3) 調理=初回訪問
4) 給仕=定期訪問診療
普通の研修では4しか見ませんでした。当院の医師でも経験の浅い医師は4しか知りません。しかし本当は、1、2、3が大切です。これで90%以上が決まります。4だけが在宅医療と思ったら大間違いです。今日は大事な仕込み作業である1を研修生に見て頂き、よかったです。
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この記事へのコメント
長尾先生が、大学病院の教授回診や研修医の激務に肯定的なことが、ちょっと意外で、興味深いです。
教授回診に付き従う金魚の糞には、100人にひとりの石川遼君級の「よき医者」(の卵)も含まれているのでしょうね。
遼君に対しては、なんだかもうちょっと効率的でお洒落な育て方をしてあげたい気もするのですが・・・。(笑)
しかし彼なら、どんな環境で糞に紛れていても、瞬時に大容量を学び取りそうだ。そこのところが、最初から医師としての魂をもっている人間の強さのようにも思えます。
あ、、、残り99人こそ、金魚鉢の中での激務が必要なのかなあ。
偏差値65のプライド、または家業を継ぐプレッシャーや諦観。こういうものを乗り越えて行くためには、金魚の糞として体力と気力の限界に浸かりきって、一度自らを初期化する必要があるのでしょうか。
あ、、、石川遼のライバル池田勇太。 彼は、遼君に勝るとも劣らないジュニアでの実績を持っていたそうですが、すぐにはプロにならず、ゴルフ技術の向上以外のものを求めて、あえて大学のゴルフ部に身を置いた、という話を聞いた気もします。
彼も、遼君とは違うタイプだけど100人にひとりなんでしょうね。
かつて医師になるためには、石川遼も池田勇太もその他の大勢の人たちも、全員が有無を言わさず通ってきたイバラの道を、今の研修医制度では通らない選択が可能になってきているのですか?
その選択の多様化が、医療崩壊の原因の1つになりそうだとは・・・驚きました。
Posted by カンダタ at 2010年02月11日 10:33 | 返信
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