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最後の患者には気をつけろ
―今夜は脳梗塞でした―
2010年02月10日(水)
「最後の患者には気をつけろ」という医者仲間のことわざがあります。毎日が本当にこの言葉の通りです。夜診も最後のほうになればなるほどディープな患者さんが続きます。そしてなんでもっと早く来ないの?という患者さんばかりです。今夜の最後の患者さんは朝発症した立派な脳梗塞でした。
朝起きた時から右半身が動かなかったそうです。日中ずっと我慢していたが夜になって不安になり、家族2人に抱きかかえられながら診察時間を過ぎてから診察室に入ってきました。CTを撮りすぐに脳神経外科病院に搬送しました。もし3時間以内だったら血栓溶解療法もできたのに、もったいない。
普段の血圧はお薬を飲んで上が120位、糖尿病もHbA1cは6.3%とまずまずです。それでも立派な肥満があり、典型的なメタボです。一生懸命栄養指導してきましたが、とうとう脳梗塞を起こしてしまいました。幸い軽症のようなので、退院したら一層厳しく危険因子を管理しないとねと、優しく言いました。
その他、認知症の難しい相談が数名駆け込みで来られました。施設か在宅か、インスリンを誰が打つかなど細かな相談が続きます。外は激しい雨ですが診察室は熱気で暑いくらいです。肺炎もくれば、エコーでいきなり大きな癌が見つかることもあります。吐血が来れば病院探しに2時間かかることもしばしばです。診察時間は過ぎてもすべての業務が終了するまで2、3時間かかることがよくあります。
今日のニュースですが、厚生労働省はこんな開業医にさらに「患者さん全員に携帯電話を教えなさい」と命じる規則を作るそうです。このシナリオを描いた役人の自宅の電話番号も一緒に知らせるなら考えてもいいですが(冗談)。真面目な開業医は過労死するでしょう。国は訴えられるでしょう。この「恥の上塗り政策」には、私もさすがにネットメディアで明確な反対意見を述べることに決めました。
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