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眼が見えない在宅患者への服薬指導
―在宅療養支援薬局の可能性―
2010年02月11日(木)
もともと片目が見えない上に少し見えていた患者さんが目の手術をして帰ってきました。
病院に未収金があるので受診を拒んでいたのを病院事務長さんと交渉して本人を説得して入院させたのです。退院後でも目の前が僅かに見える程度です。そして病院からは沢山のお薬が出されています。朝だけの薬、3食食前の薬、夕食後だけの薬、朝と夕食後の薬・・・
糖尿病などの持病があるのでそうなっているのです。患者さんは「無理」と言いましした。
確かに無理です。さっそく、独断で大幅に単純化しました。
病院からの投薬は患者さんの生活という視点は全くありません。1日2食でも3回分で出ます。薬剤師さんからは「3回飲まないと効きませんから」と判で押したような答えしか返ってきません。目が見えなくても、お薬の字が読めなくてもお構いなしにドンと渡されます。あとは野となれ山となれと言ったところでしょうか。
訪問看護師さんの知恵で1包化してもらい、お薬袋に1回分ずつ入れてもらいました。
このように訪問看護師さんの仕事の半分近くは服薬指導や服薬確認です。しかしもし薬剤師さんが服薬管理してくれたらどんなに助かるでしょう。
狭間紀代さんという元気な薬剤師さんが「全国在宅療養支援薬局連絡会」という勉強会を立ち上げました。薬剤師さんも自宅に伺い、血圧や体温を測ったりする時代になりました。目の見えない患者さん、認知症の患者さん、独居の患者さんには大変役に立つと期待しています。頑張れ、在宅薬剤師!!!
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この記事へのコメント
病院に入院中の服薬をそのまま退院後の在宅に持ち込んでこられると困ることがよくあります。
独居の1日2食(時によっては夕食のみ)の方に経口血糖降下剤が3回出ていたり、
このケースは慌てて勝手に減量しました。
薬剤師の在宅服薬指導は先生のおっしゃるように必須だと思いますが、それに特化しないと経営的に難しいようですね。在宅療養支援薬局・・・素晴らしいです。
前のアップの名前ばかりの主治医制度も、在宅医療の足かせとなっています。
でも、そうした主治医を選ぶのも施設を選ぶのも患者様自身なのですが・・・
現実は難しいですね。
Posted by 千田治道 at 2010年02月11日 11:06 | 返信
長尾先生、有難うございます!
現在一般の患者さんにどれほどのことを薬剤師が出来るのかを・実践しているのかも含めて認知していただきたいのですが・・
現実は結構我々薬剤師の意識と一般の方や多職種の医療従事者の方々とはかけ離れていることが多々あります。
薬剤師同志では結構立派な薬剤師の先生たちが集まって意気高々にご指導いただき一部の薬剤師は実践しておりますことも事実です。
しかしながらまだまだ一部です。
これからは超高齢社会は日に日に進んでいきます。
患者に優しい医療、患者に優しい在宅医療、には薬剤師が敢然と外に出向くことを進めて行かなければなりません。
大型門前薬局で門前のDRからの処方箋を沢山沢山こなしていれば経済的には薬局は楽です。
社会を、現実を考え患者さんを眺めて在宅医療に出かけていきますと結構経済的には薬局経営は苦しいのです。
懸命に在宅薬剤業務をきっちりと実践している薬剤師も目を輝かせて患者さんのところに出向きながらも
管理薬剤師となり店の経営を覗くようになると少しがっかりで可哀想です。
私たち薬剤師はそれでも在宅医療から眼が離せません。
それは実は患者さんが一度良い薬剤師に出会うと心からお待ちになっておられるからです。
私たちこのことを一人でも多くの患者さんに一般市民の方にご理解いただきたいと切に願いながら
実践をし続けます。
背中を押していただきまして本当に感謝しております!頑張ります!
Posted by 狭間 紀代 at 2010年02月12日 01:17 | 返信
狭間紀代さま
長尾です。コメントありがとうございます。
薬剤師も輝きたい。患者さんに寄り添いたい。
そんな薬剤師さんが紀代さんに導かれて日本の薬剤師さんは
大きく変わろうとしています。
医師も薬剤師も初心を忘れないようにお互い刺激しながら
切磋琢磨で頑張りましょう!
Posted by 長尾和宏 at 2010年02月12日 11:13 | 返信
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