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B型インフルエンザ肺炎という落とし穴

2010年02月14日(日)

新型インフルが激減しています。そして季節性インフルも今年はおとなしい。そして例年どうり、ノロウイルスがチョロチョロという2月です。そんな中、普段はとっても元気な中年男性が右半身が脱力して起床時より歩けなくなって運ばれて来ました。てっきり脳梗塞かと思って緊急入院させたら、「B型インフルエンザ肺炎でした」という手紙が返ってきました。

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見事な誤診です。インフルエンザで腰が抜けた若者は時々診ますが、その方もそうだったのか、と悔みます。まして肺炎になっていたなんて。もっと胸の音も聞くべきだったな。それにしてもインフルエンザ減少期だからこそ「インフルエンザを見落とさないように注意」と思いました。ましてB型もケアです。

臨床では、「どんな名医でも半分は誤診である」という諺があります。誤診をしても患者は
違う病院に行くので大半は誤診をした医師本人も気がつかずに過ぎていきます。時々、風の噂で自分の誤診を聞き、穴があったら入りたくなるような恥ずかしい思いをするのは、どんな医師でも経験しています。

現代は、病院から「診療情報提供書」という大変有り難い「正解書」が届きます。誤診の検証が医者を育てます。ゴルフの帝王ジャックニクラウスは言いました。「勝利から学ぶものは何もないが、失敗から学ぶことが沢山ある」と。誤診からもっと学ばなくてはとあらためて思いました。
 

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