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尼崎の介護保険の現状
―その傾向と対策―
2010年02月20日(土)
尼崎市には約2万人余の要介護認定者がいます。人口の5%です。そのため介護保険料は兵庫県下で2番目に多い自治体です。つまり大赤字なのです。4月から我々審査委員の報酬も1割カットされ、お茶も出なくなるそうです。まあそれはいいのですが、とにかく要介護認定者の重症度が高いそうです。また施設系の給付が少なく、在宅系の給付が多いそうです。それらの傾向と対策、そしてもっと大胆な改革案を考えてみました。
今日、難しい分析が行われましたが、話は単純です。要介護認定者の重症度が高いのは、病人さんが多い町ということ。また施設系の給付が少なく、在宅系の給付が多いというのは、単に特養や老建という施設が全然足りないということです。
【ケアマネやヘルパーの評価はどうなのか】
医師は各方面から大変厳しく監視されています。かたやケアマネやヘルパーの評価は不十分だと思います。不適切なケアマネジメントをしてもあまり処罰されません。医師は何時も社会の悪者扱いです。しかもひとつ間違えばすぐに逮捕されます。しかし私の知る限り、介護系には優しいという印象があります。もう少し平等に厳しく指導すべきだと感じます。ケアマネさんも2通りに分かれます。あまりにも良心的なケアマネとそうでないケアマネ。まあそんなことを言えば医師も看護師もそうですが。ひがみかも知れませんね。しかし医師にばかり社会の攻撃が向いすぎているように感じます。
【人間が手を入れるから平準化という作業が必要になる】
機械がせっかく1次判定してくれるのですが、人間が審査委員会という名のもとにさじ加減を加えるものだから当然バラツキが生じます。それを平準化せよとの命令がお上から毎年下りてきます。しかし、そもそも機械にすべて任せていれば平準化作業は全く不要となります。
【介護認定審査会廃止で何百億円が捻出】
1人の患者さんの介護認定に3万円かかるそうです。認定調査、認定審査会委員の報酬、膨大な事務作業に関わる人件費などです。尼崎の場合、認定患者さんが23000人いますから年1回認定作業が行われるとして、年間約7億円くらいのコストがかかっています。もしコンピュータソフトを優秀な頭脳を使って改良して認定作業を完全機械化すれば、6億円は浮きます。全国では何百~何千億円ものお金が節約できます。そのお金をケアマネ報酬と介護施設でのヘルパー報酬に回すべきです。
【介護度の簡素化を】
介護度を7段階に分けることに、一体どれだけの意味があるのでしょうか?もし下がっても不服が出ればまた上げる。これって何なの?もっと単純にすべきです。松竹梅の3段階で充分です。現場で機械入力してその場で介護度を決定すればいいのです。例えが悪いですが、駐車禁止の認定も資格と権限を持った人間が現場で行います。もしそれをいちいち持ち帰って5人による判定委員会を開いて、運転者の心情にも充分に配慮していたらどうなるのでしょうか。単なる無駄ですよね。今の認定審査会もコネクリ回すだけの無用な過程に思えてなりません。
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この記事へのコメント
ケアマネジャーの分類分けに良心という言葉を使うのが適切かどうか。わたし個人的には(わたしにはあまり良心はないので)良心的だろうがなかろうが最低限の質は確保しなければならないと感じています。最低限のラインもまた曖昧ですが、在宅生活において介護に関する困り事が起きない、或いは起きてしまってもその生活被害を最小限にとどめることができることだと思います。医師、看護師が24時間休まず体制確保してくださっているのですから、まずニーズを充足しながら予測されるリスクは可能な限り把握し、回避すること。そして緊急時の医療的ニーズ以外の「困ったなあ・・・」に対応できる体制を我々ケアマネジャーも整備すべきだと思います。
長尾先生は介護業界には甘いとおっしゃいますが、いやいやなかなか「実地指導」や市町村によっては「適正化事業」は相当にプレッシャーです。そればかりに目がいき、机から離れなれないケアマネもいます。それもバランスが大事だと思います。
Posted by はなぽこ at 2010年02月21日 03:52 | 返信
はなぼこさま
長尾です。コメントありがとうございました。言葉が足りませんでしたので補足します。
良心的という言葉は適切ではありません。
良心的=ケアマネ本来の仕事をこなしたうえで、なおかつMSWとボランテイアの仕事までしているケアマネさんが実際に沢山いるので、その方々を思い浮かべながら良心的と表現してしまいました。
そんなことをしたら、普通のケアマネはついていけないので、やめてくれとよく言われています。
「良心的ケアマネ」が雑用係をすべて引き受けているのが、私の周囲の実態です。
しかし、書類が厳しくなっています。昔、某大学病院の看護師は、病室にはいかず一日中書類を書いていたことを思い出します。私は、書類が60点でも現場が100点のケアマネが好きです。
両方100点は無理です。その反対(書類100点、現場60点)のケアマネのことを、「普通のケアマネ」と表現しました。
「甘い」という言葉も説明不足です。重い犯罪行為(本来ならもちろん逮捕拘留というレベル)に対して、甘いという意味です。ここではこれ以上書けませんが、警察も行政に通報しても彼らは実態を知りながらも介入してきません。ちょっと前、善良な市民とともに闘ったこともありますが、彼らはややこしいものには絶対に近づきません。はなぼこさんが想像しておられるような普通のケアマネさんの話では全くありません。
書き方が悪くてすみません。もう少し練っていきます。ありがとうございました。
Posted by 和 at 2010年02月22日 10:35 | 返信
×はなぼこ→○はなぽこです。文字が小さいのでわからないですよね。ややこしいのでやめます。上村です。(もう、バレてました?)
すみません。カマトトぶったコメントを入れてしまい、長尾先生に詳細を説明させてしまったようですね。長尾先生のおっしゃるように、それはそれはひどい介護保険事業所も多く存在します。福祉の仕事をしているから善人かと言えば、決してそうではないと思います。
そういう意味では、やる人がやれば、介護保険事業なんて、「ちょろこい商売」なんでしょうね。わたしもここでは過激な発言は慎みます。。。
Posted by はなぽこ at 2010年02月23日 09:54 | 返信
現在では絶滅種の看護師出身の熱血ケアマネ、上村さま。長尾です。
自由に発信し、純粋に寄り添えるケアマネさんとして尊敬しています。
ケアマネさんを代表して今後も過激発言を期待しています。
「医者がアホやからやってられんわ」とか
「20種類も薬を出して、その医者の顔をみたいわ」とか。
一度、過激対談でもしませんか?
Posted by 和 at 2010年02月25日 02:49 | 返信
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