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痛みを止めれば食べれる、笑える

2010年03月02日(火)

「麻薬で痛みを止めれば、食べれるし、笑えますよ」なんて講演で何度も偉そうに言ってきました。しかし現実には痛みの評価が遅くて、充分な痛みの治療が出来ていないことが、在宅ホスピス現場でも病院でも沢山あります。未熟な医療者は後手後手に回りがちです。言うは易し、行うは難しです。

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全身の骨にがんが転移している患者さんに、頓服用麻薬と定期麻薬を飲ませていました。しかし見た目以上に痛がっていると評価して、朝から少し量を増やして貼るタイプの麻薬に変えてみました。夜、訪問したら見違えるように顔色が良くなり、会話も沢山できました。そしてなにより久々に笑ってくれました。在宅ホスピスをしていて一番嬉しい瞬間です。

この患者さんはやはり我々の想像以上に痛みを我慢されていたのです。後になって分かるのです。まあ後でも分かればいいのですが。この辺を診る目にはやはり経験が要ります。患者さんに教えて頂く毎日です。
 

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この記事へのコメント

患者と患家に対して真摯に対応されている長尾先生、その先生に支えられている方々に羨望の念を禁じ得ません。
近くの総合病院では各病棟に「退院認定看護師」(このような資格があるのでしょうか)が配属され、その看護師はカレンダー大の患者入院記録とにらめっこ、該当する者がいると家族に肩たたき、それも3回もすると険しいお顔に、もっともそれも上からの指示だそうですが。
私どもの地方は自宅葬は無くなりました。老保施設か病院に入院し息絶えたら出入りの業者が斎場に安置、葬儀が営まれて焼骨、遺灰となって我が家に帰ることが一般化しています。1兆円産業の斎場に寄与しているのです。それですら土壇場で入院しなければなりませんし、老保施設は待機300人、都会では児童の待機が云々されていますが、少子化で保育園は閉園、統合されています。
在宅治療は誰でも願うこと、まして今の70才台80才台の人々は家族に負担を掛けたくないと思う人々が多いですが、せめて終末期は家で、の医療にいつの日実現するのでしょうか。
このコメントは私信としていただければ幸いです。失礼を重ねてしまいました。

Posted by さすらいの、、、 at 2010年03月03日 12:55 | 返信

さすらいの、さま
長尾です。コメントありがとうございます。
都会でも自宅で最期を過ごすことは決して一般的ではありません。
僧侶にも「珍しいですね」なんて言われます。余計なお世話です。
葬式産業は1兆円ではありません。15兆円です。
医療30兆、パチンコ30兆、葬式15兆円と覚えています。
生きているうちに1千円(訪問看護1回分)を出し惜しむ家族が亡くなった途端に
葬式に100万円単位で使うのが理解できません。
医療の単価と葬儀の単価はひとケタ以上違います。
あと、「認定看護師」の話です。認定なんとかが流行っていますが、はっきり言って
認定なんとかにロクな看護師はいません。看護大学で必要な資格であるだけです。
在宅で最期まで患者さんに寄り添って活躍しているのは認定なんとか、ではありません。
普通の名もない看護師が想像を絶する素晴らしい看護をしています。
敢えて極論すれば、本当の看護は在宅現場にしかありません。
大学病院の看護師は午前も午後もカンファレンスをしていました。
カンゴ師ではなくカンファ師です。
横で亡くなる人がいても絶対に手伝てくれません。腹水を抜く処置をしていても絶対に
手伝いませんでした。
それどころか、あとで婦長さんに「腹水抜いたら、ちゃんとなんぼ抜いたか
看護師に報告してもらわな困るがな」とエラそうに言われたものです。
時には「掃除のおばちゃんが死んだら困るけど、あんたらが死んでも誰も困れへんで」
と研修医の私に言われました。
医者のカルテと看護師のカルテが2本立てでありました。
医者は看護師のカルテを見ることはありません。看護師は1日1、2回、薬を配りに
行くだけですから、患者さんのことを何も知りません。
看護師は医者のカルテを看護師カルテに写すのも日課です。
だからちゃんと書いてきないと看護師さんに怒られます。
病院が大きくなるほど看護師は何もしません。何も手伝いません。
採血ひとつしてくれません。
内視鏡の前処置も、後の洗浄も、奴隷のような研修医の仕事でした。
大学病院で5年間働きましたが、看護師さんと口をきいた記憶がありません。
名前も顔も何も一切覚えていません。意識の中にも記憶にも看護師はいません。
無給で寝泊まりしている医師と全く無関係に1日中「理想の看護とは」との
カンファレンスに終始していました。滑稽を通り越していました。
私は大学病院で働いた経験のある看護師だけは絶対に雇いません。
いい看護師は在宅現場にいます。
看護師全体からみると極端に少ないのが最大の難点です。

Posted by 和 at 2010年03月04日 12:16 | 返信

葬式が15兆円産業だとは驚きました。
たしかに1ランク祭壇よくすると50万アップ。棺の前に水車を置いたらさらに10万アップと、あれよあれよと加算されていきますね。 
ここにお金をかけるぐらいだったら、前に長尾先生が提案なさっていたように、救急車の搬送に2万円を徴収するぐらい、屁っでもないように思います。
たしかに葬式は一生一度のビッグイベントでしょうが、救急車を呼ぶのだって、せいぜい一生のうち1度か2度の非常事態でしょう。普通の人にとっては・・・。
水車1個で5回呼べます。 
「院」の字を入れた戒名代で50回呼べます。(笑)


長尾先生の大学病院研修医時代の黒歴史
笑っていいものか、驚くべき実態なのか、嘆く話なのか・・・。
研修医(男)というと、看護師にモテモテ!っていうイメージがありましたから。
これは・・・長尾先生だけが個人的に虐げられていたわけではなく、制度の問題なのですね。(確認)

そういえば、知人が大病院で研修医をしていた時、勤務が終わってから研修医仲間で、ひそかにベッドシーツの交換を段取りよくおこなう勉強会をやったと聞きました。
なんでドクターが??と聞くと、
「看護師がやり方を教えてくれないから」
「でも、出来ないと怒られるから」
「教えてもらわないことも手際よくこなすのが、医師のプライドだから」
みたいな事を言っていたな~~。 
そりゃご苦労さんなこって、で会話を流したのは、やはり平素、患者の立場で見る大学病院や大病院の医師の尊大ぶりがあるからでしょうか。

他人をアゴで使うという言い方がありますが、アゴを動かすのも億劫。看護スタッフに対して「オレの意を読め!」というのが、部外者からも見て取れる医師が、今でも残っています。
そういうのがあるから、江戸のカタキを長崎で討つみたいなのが、研修医に対してあるのではありますまいか?

「医師でなければ人でない」という時代があって、それがじわじわとチーム医療的なものにかわっていく過度期なんでしょうか?
過度期、長すぎですね。(笑)

政治の世界は今、政権交代して、過度期のぐっちゃぐちゃ、これ、1年ですめば御の字だと思っています。

Posted by カンダタ at 2010年03月04日 03:50 | 返信

はじめまして、今は病院で始まり、病院で終わる。と言われています。
家で産まれ、家族に囲まれて最後を迎えるが最高の贅沢のような時代は、やはり不自然だと思いますが、現実に在宅治療に近い往診をしてくださるお医者様も次々に世代交代していき、結果しんどい後を継いではくださいません。
また、負担の多いことを強制するようなもできません。
長尾様のようなお医者様がいてくださるとの情報だけでもどのように嬉しい事でしょう。
3月の20日は大阪での講演会でお目にかかれますことを幸せとワクワクしています。また、私のブログ「ブンナのその後」でも多くの方にお知らせしたいと思います。ありがとうございます。

Posted by 青空 at 2010年03月05日 08:57 | 返信

カンダタさま
長尾です。コメント、ありがとうございます。

>研修医(男)というと、看護師にモテモテ!っていうイメージがありましたから。
>これは・・・長尾先生だけが個人的に虐げられていたわけではなく、制度の問題なのですね。(確認)

大学病院、基幹病院、個人病院の、順番に看護師さんはよく働きます。
特に小さな病院の看護師さんは奨学金の御礼奉公で縛られて24時間勤務などもしていましいた。
本当に気の毒でした。
大学病院で虐待された反動として、この順番に看護師さんとの交流は増えます。
まあ、モテる人はどこでもモテていましたね。どこの世界でも同じです。
私は、昔も今も「食えない男だね」と言われています。これは個人の問題です。

Posted by 和 at 2010年03月06日 01:35 | 返信

青空さま
長尾です。コメントありがとうございます。
在宅医療って本当は最も真っ当な医療で、病院医療がキワモノ医療であると私は思っています。
そのことに、99%の病院医療者と90%の患者さんは、気がついていません。

3月20日といえば、朝の6時半からの講演ですね。起きれるか心配です。
時にはみのもんたの朝ズバの気分を体験してきます。

Posted by 和 at 2010年03月06日 01:41 | 返信

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