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たまにはピチピチの勤務医のつぶやきはいかが?
2010年03月02日(火)
毎日、オッサンのボヤキばかりではみなさん疲れますね。たまにはピチピチの勤務医のつぶやきはいかがでしょうか?関西労災病院の林先生と済生会滋賀県病院の稲本先生の某MLへの書き込みに目がとまりました。とても新鮮なご意見には、ヒントがたくさん詰まっています。お2人の先生の了解を得て紹介させていただきます。
●関西労災病院の林功先生からのお便りです。
24日未明、トヨタ社長の公聴会です。とても心配です。
RCA、GE、ゼニス、GTEシルベニア・・・・・
GE以外聞き慣れないこれらは、1960年代にBIG4と呼ばれたアメリカのブラウン管テレビメーカーです。この中で今現在も、液晶、プラズマテレビで世界シェアを握っている会社は当然ありません。これらのメーカーは80年代に日本製品により撤退や身売りを余議なくされ、市場から消滅していきました。
今日本のメーカーは過去に凋落した70年代後半のBIG4と同じ位置にまで下がってきています。残念ながらサムソン以上のLEDテレビをつくる技術を日本メーカーは持ち合わせていません。サムソンのLEDテレビは、この1年で世界市場を席巻するでしょう。欧米や新興国でソニーやパナソニックのブランド力は、急速に確実に失っています。サムソンやLGに追いつくことは、実質困難です。そしてそのあとには、中国メーカーの追い上げが待っています。実際携帯の分野では、日系のメーカーは海外メーカーの部品の下請けにまで成り下がっています。悲しいけど現実です。
この間研修医に聞いたところ、最近の若者は海外に一人旅をしないそうです。バックパッカーは韓国人が中心で、日本の若者は殆ど世界の安宿街から姿を消したそうです。実際20代の海外渡航者の数は極端に減り続けています。
当然日本にいれば、これらの現実はあまり目にしません。一部ではパラダイス鎖国、ガラパゴス化とNet上では揶揄もされています。客観的な情報は日本にいるとあまり伝わりません。日本のマスコミの特異性は、プロパガンダの戦前の時代からなにも変わっていないように思います。そして、批判しながらも信じ続ける読者の姿も戦前と大差はないように感じます。
何物にも成り得なかったメディアの方々が、ルサンチマンを解消するかのようにブラウン管の中で、内輪で畏まる姿は哀しみすら覚えます。我が家では5年前からあまり民放は見ていませんし、新聞も止めています。芸能人の名前は全然知りませんがそれなりに暮らせています。
医療に目を向けると、そこにもガラパゴス化は散見されます。一向にドラッグラグも改善される事はありません。勤務医をしていると使えない薬ばかりです。日々アフリカで医療をしているようなものです。実際使える薬剤の種類はアフリカ諸国と大差はありません。ユニークなガイド
ラインや治療法は山の様にありますが、、、
韓国、台湾、シンガポールにおける治験プロトコル数に占める国際共同治験プロトコル数の割合は8割以上ある一方で日本は1割にすぎないそうです。(詳しい数字は確認していませんが)まるで日本は市場としても魅力がなくなったかのような世界からの無視のされ様です。
PMDAの人数を増量するなど、治験医師を増やすなど、なんでも対策は素人目に考えてもありそうです。それが無理でも、せめて公立病院の医師の個人契約を許可するといったような、そろそろ変化があってもよさそうです。何か改善の兆しはあるのでしょうか。
賢者は歴史に学び、愚者は経験から学ぶ。
何も学ぼうとしないものは、何と呼べばいいのでしょうか。
この国が心配です。
●済生会滋賀県病院の稲本先生からのお便りです。
2月28日,梅村議員の国政報告会に参加してきました.
梅村先生から私の質問を提示していただきました.
診療報酬のアップが勤務医の報酬に反映されるか?
梅村先生からも半分正解,半分間違いの答えがあったように
病院に勤務する人間としては,当直明けに帰れる,外来縮小と
なっていけばパンクしないと思います.
病棟の患者さんと違って外来は時間制約があるとともに
お待たせすることが不可能に近い実態です.
前々から病院の外来機能を増幅させることは地域の
開業医を圧迫することと感じます.
地域医療連携室がありますが,紹介を受ける窓口機能
ばかりで,逆紹介斡旋などは行いません.
時間の限られた外来で逆紹介の意味合いやメリットを
”5分”以上かけて話しているような状況で,医学的外来に
なっていないことがあります.
糖尿病外来を担当していますが,毎回30-40人の予約です.
前回は50人以上の外来で16時30分までかかりました.
公立病院の先生も同じような状況ですが,これでは病院内開業?と思ってしまいます.
A1cが安定して,内服継続で可能な方や検査だけに来院される方もいます.
逆紹介を患者さんに周知理解していただきたいです.
当院は土曜日診療を行っていますが,内科は循環器・呼吸器・糖尿病の
輪番で1人で診療しています.初診も再診も混ざってきます.
6週間に1回当番日がありますが,3日前から腹が痛い,喉が痛い
など近医の先生にまず受診すべき患者さんも多く見受けられます.
土曜日の外来の特殊性を知って電話で直接患者さんの
状況を説明して連絡してこられる開業医の先生はありがたいのですが・・・
わざわざ土曜日に神経内科など専門外来がないのを知っているのに
紹介状1枚で送られてこられる先生もいます.
外来をあけるには医師・看護師・事務(やたら多い)・薬剤師など
コストがかかる割には平日ほど来院されません.
開業医の営業妨害ですよ,と幹部職員に上申しても
地域医療を支える機関的病院だから・・・と返答になっていません.
外来数が減る,外来からの臨時の入院が減る これが土曜日診療の本音みたいです.
病院のフリーアクセス制限
外来の再診料を大幅に上げる(患者さんが諦める)
外来の再診料を大幅に下げる(外来売り上げのメリット減少)
入院診療報酬の大幅増加
地域の医師会が中心になって,開業医(診療所)と勤務医(病院)の
役割分担を明確に論議する時期なのかもしれません.
病院で何ができるのか・できないのか,医院で何ができるのかできないのか
お互いデメリットになることではないと思うのですが,地域医師会の
先生方はその様な地域連携の形を自ら提言していただけない状況です.
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