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処方されている薬が多すぎる
2010年03月03日(水)
20種類以上の薬を処方されている患者さんを時々診ます。大病院の循環器科で8種類、整形外科で5種類、泌尿器科で3種類、精神科で6種類、なんていうのがこの場合の標準パターンです。全部で22種類です。これで鼻血が出て白内障が悪化して胃が痛くなれば、30種類を超えてきます。お薬手帳という制度が定められていますが、まだ充分に活用できていません。ひとつひとつの副作用はもういいから、医者に「お薬を減らしなさい」と薬剤師さんは叱る時ではないでしょうか?どうせ医者に叱られるなら、副作用情報ではなく、薬の数が多すぎること(=相互作用問題も含まれる)で、医者を叱ったほうが、患者さんにも、お国にも貢献できると思いますが。
医学の分化に伴い、医療も細分化しました。誰も当然と思っていますが、私は「分化は退化の始まり」だと懐疑的です。5,6つもの診療科にかかっている病気自慢の患者さんもいますが、出来るだけかかる診療科を少なくするような方策を国は考えるべきです。
我が国の薬の処方数の多さは異常です。偉そうに言っていますが、私のクリニックでも医師数の増加と平均処方数は見事に比例しています。診療所の管理者として情けない話です。次に診た医師は必ず前の医師とは違った良い治療をしようと新しく薬を出して、その結果、気がついたらとんでもない数の処方数になっていくのです。
「くすりはリスク」とは有名なことばです。
薬の数が増えるほど、副作用や相互作用のリスクが増えます。
さらに最近の研究では、処方数と夜間の転倒の頻度も比例するそうです。
薬好きな国民性も困ったものです。
国を挙げての正しいくすりのリスクの啓発が望まれます。
保険では一人5種類以上飲めないような制度にしたらどうでしょうか?
そして薬剤師さんに、そのお目付け役を委任したらどうでしょうか?
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