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終わったと思うな、身内の老人介護
2010年03月05日(金)
「先生、私、いつになったら介護から解放されるの?」と、私より少し年上の女性患者が診察室で嘆きます。2年前に夫の父親を、1年前に夫の母親を在宅介護を経て看取りました。夫はまだ元気ですが、10歳以上年上ですから密かに将来の介護不安があると漏らします。さらにまだ元気な自分自身の両親も近い将来、介護しなくてはいけないとのこと。まさに「終わったと思うな、身内の老人介護」です。彼女はなかなか息が抜けません。
楽になったと思ったら次の介護が待っています。急速な高齢化社会を実感します。老老、認認介護があたり前の世の中になりつつあります。尼崎には、特養やグループホームなどの施設は少なく、療養型病床がその代役を果たしています。しかし経済的問題で在宅医療を余儀なくする人も増えています。介護保険が出来てから在宅医療は以前よりやり易くなりました。しかし今なお家族、特に日本の嫁の負担は甚大です。
「私の人生って何なの?」なんて聞かれることもあります。子供の人生=親の介護、となっている家庭も結構あります。介護生活が数年以上続くと「介護中毒」に陥っている介護者もいます。ほんの些細なことでも夜中に携帯電話を鳴らしたり救急車を呼ぼうとします。我々としては介護者のメンタルケアが重要となります。
安くて、広くて、家庭的で、開放的な施設が必要です。言葉は悪いですが放し飼いできる場が要ります。介護に埋没している介護者には、「上手な手抜き介護」を勧めて廻っています。
県立病院が統合されたら、その跡地を「誰でもすぐに安く入れる放牧型の認知症センター」に転用してはどうかと、兵庫県のパブリックコメントに書きました。
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この記事へのコメント
県立病院が統合されたら、その跡地を「誰でもすぐに安く入れる放牧型の認知症センター」に!
賛成です!私が認知症になるまでに長尾先生にはこの運動を頑張っていただき実現させて頂きたいものと真剣に思います。
明るい気持ちになってきました!長尾先生、よろしくお願いいたします。
Posted by 狭間 紀代 at 2010年03月06日 02:28 | 返信
狭間さま。長尾です。いつもコメントありがとうございます。
「放牧」なんてヒドイ言葉をわざと使ってみました。
人間は自由に生きたいものです。
つながれて喜ぶ人はまずいません。
できるだけ広い場所で好きにさせてあげるのが一番だと思います。
私の頭にあるのは大阪府池田市の御坊さん、釈宋徹さんが自院でしているデイケアです。
一昨日、本屋をうろついていたら、こそ釈さんと、時の人、内田樹さん(日本辺境論)の
対談集を見つけたので即買いました。
Posted by 和 at 2010年03月06日 01:24 | 返信
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