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役人さんの報告が大半で質問は僅かな時間でした。確かに有益な情報を得ました。例えば兵庫県下で新たに申請していた２ケ所のがん拠点病院の認定が国に却下されました。全国的にがん拠点病院の定員オーバーと判定されたようで、大変気の毒でした。また兵庫県の在宅看取り率が、８％から１０％にアップしていました。私も０．１％位貢献しています。がん対策への国の予算が減っているので当然県の予算も減り気味です。

タバコ問題について２、３質問してみました。
１）官公庁の敷地内禁煙はまだ５０％程度だが、県の指示でなぜ前進できないのか？
２）昨年１１月から、兵庫県のタクシーの禁煙化が決まったが、まだタバコを吸いながら走るタクシーをよく見かける。全国的にみてマナーが悪く恥ずかしい。行政としてどう対応しているのか。罰則規定は設けないのか？
３）薬局を拠点とした「禁煙ありがとうキャンペーン」だがこのアウトカムについて知りたい。

以上３点を質問しましたが、予想通り内容のある答えは返って来ませんでした。

また、行政主導ではなく市町村医師会とももっと連携すべきだと意見しました。がん連携パスを通して地域の診療所とも充分連携していく、とのお答えですが、本来、地域の熱心な診療所こそ拠点にすべきです。すべてを「がん拠点病院」だけで解決しようという発想に感じます。緩和医療の講習会も完全に上から目線です。たとえば我々のクリニックは、年中、研修を受けています。リエラルギー化が、がん対策推進を阻害しているという現実に誰も気がついていないように感じました。

１年に１回しか開催されないこの会議は、前回もそうでしたが実に形式的な会議です。本当に協議するなら２時間では全然足りません。委員１人あたりの持ち時間１、２分でしょうか。上から目線のがん拠点病院だけでがん医療が回っているかの印象に残る会議でした。本気でがん医療を変えようとする気概はゼロと見ました。

この会議は役人のアリバイ工作のための会議です。ひとを呼び出しておきながら、知事さんは今年も出てきませんでした。がん対策を本気で考えるなら、毎週は無理としても毎月のペースで開催しなければ実効性がありません。何を言ってもたいした反応は無く、時間の無駄でした。こんな暇があるなら「病んでいる患者さんのそばに少しでもいてあげたほうが良かった」と思いました。

結局、県は国の下請け機関です。国の考え方を変えないと県のレベルで何を言っても変わらないことを悟りました。なぜ「がん拠点病院ががん」なのか、なんとなくイメージできました。私が県の役人であったり、がん拠点病院の幹部であってもきっとこの現実を変えられないかもしれない。しみじみとそう思いました。その意味では委員になってよかったのかもしれません。