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昔の名前で出ています
―既存薬の再利用を―
2010年03月13日(土)
熊本大学薬学部の水島教授は言います。「昔からある多くの薬は、何故効くのかよく分かっていない」と。そんなものです。便秘の副作用がある抗ガン薬が、そのまま下痢(=下痢型過敏性腸炎)止めの薬となり、毎日、臨床の場で使っています。水島先生は、胃潰瘍に使うある薬がHSP(heat shock protein)を増やすことに注目し、認知症治療薬への可能性を研究されています。
創薬が困難な時代ですから、苦肉の策として既存のお薬の見直しが始まっています。薬の長所を再利用したり、欠点を逆利用するのです。これからの10年、このような発想の転換が重要だと思います。
意外と開業医が、経験的に創薬のヒントを知っているかも知れませんね。(なんちゃって)
私自身もこれまでいくつかの新薬の開発に関与してきました。フェーズ2およびフェーズ3と呼ばれている臨床治験です。新薬開発に携わることは臨床医として名誉なことです。開業してからも、誰でも知っている2つの有名な「トクホ」の臨床治験に関わり、論文に名前を連ねています。詳しくは書きませんが、とても「トクホ」のレベルを超えて充分に「お薬」と言える、驚くような発見がありました。
毎週のように、新薬の治験会社が臨床治験薬への参加を誘いに来てくれます。私は、この1年間、「認知症薬の治験なら参加する」と言ってきました。今週は認知症のことばかり書いてきました。敢えて医療者側の視点から書いた部分には気を悪くした患者さんやご家族がおられたかもしれません。どうかお許しください。
今、もっとも望まれるのは「新しい認知症治療薬」だと認識しています。
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この記事へのコメント
長尾先生、ちょっとしたジャーナリストより説得力があるにはやはり現場の生のお声からのメッセージでありますことでしょうか。。
薬学部も少し前までは優秀な学生は創薬に就職しました。
エリートは創薬、次は病院薬剤師に就職しました。
今は総ての薬剤師26万人、薬局薬剤師12,5万人、病院薬剤師5万人、メーカー学術3万人と言う内訳です。もっとも26万人の薬剤師とは90歳以上で働いていない人も含まっています。
もちろん理学部、工学部、生物関係などからの学部から創薬に係わるべく就職をされる学生も沢山いらっしゃいますが今度はやはり予算ですよね。
これだけ国がジェネリックジェネリックと風向きを変えればメーカーも心穏やかではありません。
私には詳しくはわかりませんが、認知症の新薬はもっとも現在世の中から必要とされていますようですね。
梅村議員にもこのあたりは頑張っていただきましょう!
長尾先生もよろい駆お願いいたします。
Posted by 狭間紀代 at 2010年03月14日 01:07 | 返信
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