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なぜ幼稚園にボランティアで花を植えにいくのか
―ひとを診るということ―
2010年03月15日(月)
胃が痛いと訴える患者さんが来られました。どうやら胃潰瘍のようです。普通の医者なら胃薬を出して終わりかもしれません。しかし、私は何でもしつこく聞かないと気が済まない執着性格です。聞きすぎて患者さんに「あなたは警察か」と怒られることもあります。しかし、部下の医師には「患者さんに怒られるくらい聞きまくりなさい」と指導しています。
「何かストレスはありますか?」と聞いてみました。すると「夫の両親が認知症でその介護で毎日大変です」と返ってきました。よくぞ聞いてくれた、といった感じです。さらに聞いていくと、家業の御商売も不景気で大不振、おまけに実家の親も認知症で毎月、飛行機に乗って介護の里帰りもしなくてはならない、とのこと。涙ぐまれてきました。
「時間のある時は何をしているの?」とも聞いてみました。「幼稚園にボランティアで花を植えに行っています。子供を見たり、チューリップを見ている時が一番心が癒されます」との答えが返ってきました。ここまで聞いて大体理解できました。
かなり病んでいます。そして、「胃の病気は脳の病気である」ことがよくわかります。
「ひとを診る」とはこういうことなんだよ、と毎日、偉そうにスタッフには説教を垂れています。しかし、心の奥では「それでも、自分はその人のことを10%も知らないのだろう」と思ってもいます。
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