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風邪の点滴
2010年03月16日(火)
診療所には、高血圧などで1ケ月に1回定期的に受診する方と、年に1、2回だけ風邪で受診される人の2通りの患者さんがいます。たいした症状でもないのにわざわざ受診する若い人の中には、何か魂胆がある場合もあります。数日後に、親の在宅医療を頼みに来たりします。そうだったのか・・・。要するにテストされていたのです。それ以外に、意外と多いのが風邪と称して受診する患者さんの中にはあたり前のように「風邪の点滴」を要求する患者さんが結構おられます。
「世の中に風邪の点滴などありません」。機嫌の悪い時は、思わずそう言ってしまうこともあります。
「これまで、どこの医者でもしてくれたのに・・・」
「いったいどこの医者ですか?」
「どこでもしてくれます」
「どんな点滴ですか?」
「栄養剤が入った点滴です」
「あなたは生活習慣病ですし、食べれるから、点滴は不要ですね」
「そんなこと言わずに何か元気の出る点滴をしてくださいよ」
「元気の出る点滴?ノリピーじゃあるまいし、そんな恐ろしい点滴はできませんわ」
「ケチ!」
と、怒って出ていった患者さんもおられます。
気管支炎や肺炎を起こして食べられない場合のみ、抗生剤や点滴は許可されているのですが、町医者では、なかなか教科書どうりにはいきません。
むきになって患者さんを論破してみたり、逆に、必要以上に気を使ってしまう時もあります。
たしかに、ゆらぎがあります。
「先生、こないだは点滴してくれたのに」
「こないだはこないだ。今日は必要ありません」
と、わけのわからん説明になる時もあります。
ビタミン剤の点滴は本当のビタミン欠乏症以外では禁じられています。今の日本には本当のビタミン欠乏症は1人もいない、とも言われています。「普通の人にビタミン剤を出したり、点滴することは恥だと思ってください」と、若い医師には指導しています。しかし、議論に負けてどうしてもしてしまうことも、正直な話、あります。
扁桃腺の腫脹が強かったり、喘息を合併していたら抗生剤やステロイドを入れることもあります。断りきれない場合や、多少なりとも脱水を認める場合は、ポカリスエットと同じ成分の点滴を少しする場合もあります。
もし町医者が集まって「風邪の点滴」について実態調査をすればどんな結果になるのでしょうか?もちろん、本来は「そんなもん無い!」ですが、でも本当のところはどうなんでしょうか?興味があります。
まあ、あるはずもない「風邪の点滴」や「風邪の注射」を正面から要求されると、反射的に意地悪を言ってしまう悪い癖があります。
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この記事へのコメント
そういえば一部のママ友は「風邪ひいたら点滴うちにいったら一発でなおるよ。」と言ってました。おむかいの奥さんも学校休んだ子供を点滴に連れてくと言われてました。結構「風邪に点滴」はひろまってます。でも、あまりよくないのですね。というか必要ないのですね。
うちの子は風邪をひくとなぜか薄めの紅茶を大量に飲みたがるのでそうしています。あとはリンゴと。安上がりです。
Posted by チズ at 2010年03月16日 09:32 | 返信
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