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在宅医療に国境あり
―県が違えばルールが違う―
2010年03月17日(水)
正確には「国境」ではなく、「県境」です。ほとんど知られていませんが、医療制度は県単位で異なります。都道府県が違えば、極端な話、国が違う位、医療制度が違います。県境をまたぐことは、まさに国境をまたぐことです。国境をまたげば、当然ながら、「摩擦」が待っています。しかし時には摩擦覚悟で異国に飛び込んできました。
今日、遠くの病院の地域連携室からはじめての電話がありました。大阪府在住の患者さんの在宅医療の依頼でした。尼崎は兵庫県と大阪府の境界に位置します。車で10分も走ればもう大阪府です。しかし大阪府には大阪府のルールがあり、兵庫県の医療機関なぞ所詮は門外漢です。行政からも意地悪をされる可能性があります。
しかし実際には尼崎にも大阪府との境界線付近に住まれている在宅患者さんがいます。しかし車で5分の大阪府の在宅医療機関は受けません。車で30分かかる当院を受けます。いくら隣でも管轄外に出張すると、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。特にお役所には何故か睨まれます。
しかし当院では、過去、何例か大阪府に越境往診していた例がありました。大阪府の全医療機関が断ったケースのみ当院で受けてきました。それは外国人であったり、言葉が通じなかったり、特殊なケースのみです。
自慢するようですが、なにも私のクリニックでなくてもよい症例は診ません。自然に任せるべきです。でも、「誰も引き受け手がない」と言われれば、血が騒ぎます。訪問看護師さんに反対されても、ひとりでも頑張ろうという気が湧いてきます。そして粘り強く、そのような症例に取り組んでいると、驚くべき「学び」があります。神様からのプレゼントだと思っています。
話が変わりますが、インフルエンザの予防接種も都道府県が違うと制度が違うので、結構ややこしい場合があります。
もし道州制が導入されたら、こんな悩みは無くなります。もちろん、道州の境界の問題が残りますが、少なくとも悩みは10分の1以下になります。どうか行政には、県境事例は柔軟に対応して頂きたくお願いします。
結局、地域連携室には「もし大阪の全医療機関に断られたら、その時は必ず長尾クリニックで診ますからね」とお答えし、某、大阪の医療機関を紹介しました。それでいいのだ。
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この記事へのコメント
いつも楽しみに拝読させていただいております
ご多忙で大変なお仕事かと拝察いたしますが頑張ってください
一愛読者より
Posted by 愛読者 at 2010年03月17日 11:15 | 返信
長尾先生のその正義感の根幹には何があるのですか?
Posted by 狭間紀代 at 2010年03月17日 11:31 | 返信
愛読者さん
ブログランキングに参加するまで、誰も読んでいないと思って書いていました。
実際に読んでくださっている方がいるのは、励みです。
よろしくお願いします。
Posted by 和 at 2010年03月18日 02:53 | 返信
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