このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
20年間診てきた方が深夜、静かに旅立たれました
2010年03月18日(木)
20年間診てきた方が深夜、ご自宅で静かに旅立たれました。大台が目前だっただけにちょっと惜しい気もします。まさに大往生です。死亡診断書は「老衰で書きましょうか?それとも肺炎にしておきましょうか?」と聞くと、ご家族全員がすぐに「老衰!」と答えました。そう、老衰としか言いようのない経過でした。ここまで長生きする人の特徴は、あたり前ですが、「病気がない」ことです。血圧は例外なく正常です。
この方の配偶者も在宅で看取りました。末期がんでしたが、亡くなる当日まで歩いて食べていました。どちらも眠るように旅立たれました。10人以上いる一族みんなが患者さんですので私が本当に「ファミリードクター」です。私以外には医者にかかったことのない人たち。今の時代には珍しいと思います。
しかし本当に支えてくれているのは、訪問看護師さんでありケアマネさんです。寝たきりになったら、医師は何の役にもたちません。さりとて医師がいないと、命令(指示)が出せません。医師とは責任を負うものです。またオーケストラの指揮者にすぎません。
患者さんは亡くなる当日と、3日前に訪問入浴されました。寝たきりになって2ケ月間、風呂に入っていなかったので私が勧めましたが、本人に喜んで頂きました。「風呂は生きているうちに限る、生きているうちなら2000円ですが、亡くなった途端に数万円ですよ。どうします」と説明したら、ご家族にもすぐに納得頂けます。
亡くなる前日、「こんなに人のために尽くしてきたのに、何故私は死なないといけないの?」とご家族に話されたそうです。「もっともっと生きたかったのだ。たとえ100歳を超えても人間はそう思うものだろう。年だからもういい、と思うのは奢りかな」と思いました。
週1回、10年以上通い慣れた往診路をもう通ることもないと思うと、ふと寂しくなります。
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
この記事へのコメント
長尾先生、一息入れたら病気になりますよ。そのまま長尾先生指揮のオーケストラ・長尾楽団の素晴らしい楽団員の皆様で一丸となって演奏を続けていただきますように。エールをお送りさせていただきます。
お力落としのございませんように。。。
Posted by 狭間紀代 at 2010年03月19日 12:22 | 返信
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: