このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
「ジェネリック」しか効かないと訴える患者さん
2010年03月19日(金)
睡眠薬欲しさに受診される老人がいます。先発品を処方したら、ある薬局でジェネリック品に変更されました。それで全然いいのですが、「あのジェネリックでないと私は効かない」と毎回主張され、説明にかなり時間がかかります。軽度認知症の患者さんの思いこみを変えることはほぼ不可能ということは、経験から知っています。
経済的理由でジェネリックを希望される患者さんはこのご時世ですから当然、多くおられます。しかし、少数派ですが、「私にはこのジェネリックしか効かない」と主張される患者さんも何人かいます。ジェネリック派もいろいろです。
ひとくちに「ジェネリック」といっても何種類、時には10種類以上ある場合もあります。先発品は1つですが、人気薬のジェネリック市場は実に競争が激しいいのです。その中でも、「ある特定のジェネリックしか効かない」という人が現実に結構いるのです。なかには
特定の品番しか効かないと主張される患者さんもいます。プラセーボ効果ではありませんが、患者心理とお薬とはそんなものです。
もはや論理の問題ではなく、感情の問題かもしれません。はたまた「本当にそうかもしれない、本物を超えるジェネリックがついに登場したかもしれない」とも思いながら聞いています。そうであって欲しいのですが・・・。
一方、その極稀品ジェネリックで患者誘導を企てるあこぎな調剤薬局もあります。医師が処方箋にわざと、極稀品ジェネリックを記載し、「これ以外は絶対ダメ」にサインをすれば、事実上、その処方箋はその極稀ジェネリックを置いてある特定の薬局でしか通用しません。いつの時代にも規則ができれば必ずその裏を行く人間がいます。いずれ法律のメスが入ることでしょう。
ところで、最近は国立大学病院もDPC(包括性)ですから、ジェネリックをバンバン使います。数年前まで「ジェネリック医者=ヤブ」、のように言われたものです。しかし今時は「先発品医者=ヤブ」のような感じで、時代が変われば逆に言われそうな勢いです。
まあ正確に言うと、大学病院では経済的事情でジェネリックしか使えないのです。しかし患者さんにとって大学病院は絶対ブランドです。ベテラン開業医より新人勤務医の方が、ブランド力、信用力が上位なのが現実です。だから「大学病院で出された特定のジェネリックしか嫌だ」という患者さんも結構います。いずれにせよ説明に結構時間を取られます。
話しが飛びました。現場の開業医や薬局は、日々、ジェネリック問題に振り回されている、と言って過言ではありません。その中で大切な医療の本質を見失わないで医業を営むことが、結構大変な時代となりました。
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
この記事へのコメント
長尾先生
>いつの時代にも規則ができれば必ずその裏を行く人間がいます。
その通りですね。
ジェネリック問題はホンマに様々に多種多様な振り回され方で振り回されています。
「裏を行こう!」と張り切りますがいつも負けます。
厚労省も本当に長期的な視野で言っておられるのか疑問に思いながら
「決まったことだから裏を読もう」と思いつつ。。またまたやられます。こんなことでが続きます。
Posted by 狭間 紀代 at 2010年03月20日 01:16 | 返信
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: