このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
認知症学は奥が深い
2010年03月26日(金)
昨夜は兵庫県立西播磨病院の柿本達也先生の認知症の講義を拝聴しました。この先生はこれまで聞いてきた認知症専門家の中で、もっともよく勉強されている先生だと感じました。
活発な質疑応答も含めて沢山の日常診療のヒントを頂きました。今日から、認知症を疑ったら葉酸をしっかり測ることにします。
勉強しても勉強しても、勉強会に行く意味はある、といつも感じます。新たな発見があるからです。柿本先生が強調されたように、まず「認知症の診断」が最も重要です。すべての除外疾患を否定して、はじめて「認知症」の診断ができるのです。私がいつも「簡単に認知症と言わないで」と言うのと同じです。
●必ず、VB12と葉酸の測定が必要。両者の欠乏症は意外に多い。特に葉酸欠乏は認知症の10分の1に見られる。葉酸投与により劇的に症状が改善する場合がある。両者の欠乏は最終的にβセクレターゼを増加させ、その結果アミロイド蛋白量の増加につながってくる。
●認知症患者さんのご家族に待っていただいている間に、FASTという問診票を毎回記入してもらうとよい。その際、下にサインができるかどうかもポイント。
FAST4度=軽症、家計の管理ができない
FAST5度=中等度、洋服の管理ができない
FAST6度=やや高度、着衣ができない
●ちなみにMMSE,三宅式、ADAS、GDPなども全部、毎回調べる。
臨床心理士のコストは診療報酬でしっかり出る時代になった。
●LBD(レビー小体型認知症)
ありありとした幻覚(幻視)。CT上脳委縮があまり見られない場合が多い。まず形態認識能が落ちる。調子のいい時間帯と悪い時間帯の差(インオフ現象)が激しい。
●認知症の人を拘束すれば暴れる。認知症介護は「快」が基本。
●うつを合併した認知症=少量のエビリファイ+SSRIを投与
●認知症とタバコは大いに関係あり。以前、「関係ない」との論文を出していた先生は、しっかりJTからお金を貰っていた。
この先生は、何でもよく知っているなーと感心しました。またお会いしたい専門家です。
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: