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人体「製造」の衝撃
―臓器移植法案のすぐ先にあるもの―
2010年03月28日(日)
今夜のNHKスペシャル「人体製造の衝撃」には、昨夜に続いて驚きました。世界各地の再生医療の実態は想像以上でした。日本では、昨年ようやく臓器移植法案が成立したばかりです。しかし今後は「欲望と技術」に早急に対峙しなければなりません。臓器移植法案のすぐ先にある新たな難問に目を向ける時です。
海堂尊氏が司会を務めました。海外では「幹細胞バンク」がすでに始まっています。将来のために若い時に骨髄から自分の幹細胞を取り出して保存しておくのです。180万円出せば50年間も保存してくれます。冷凍庫にはすでに500人分の幹細胞が保管されています。何度でも人体のパーツ交換が可能な人生が間もなく可能となります。
この「幹細胞バンク」は自分のためのものです。一方、人間は子供のためなら親は何でもします。アメリカでは「救世主兄弟」がすでに誕生しています。「救世主兄弟」とは、子供の病気を克服するために、人工的に作成された臓器移植可能な弟のことです。実際に難病の姉を救うために、遺伝子を選ばれて生まれてきた弟の実例が描かれていました。理論的にはお互いに臓器が移植できます。互換性がある人間です。後に生まれた子供は、先に生まれて難病に冒された生命を救うために、人工的に選ばれた生命です。
1人の命を救うために1人の命を選ぶことは、果たして許されるのでしょうか?イギリスにも救世主兄弟がいて、大騒ぎになりました。イギリス国会内での議論を見ました。救世主兄弟が生涯ドナーになり得るか真剣な議論がなされました。その結果2008年に厳しい基準が出来ました。血液の病気に限定して許可され、臓器移植を目的とした救世主兄弟の製造は禁止されました。
一方、アメリカには規制がまったくありません。自動車の運転と生殖医療は同じレベルと解釈され、自主規制に任されています。デトロイトに世界最高の103人の救世主兄弟を作っているマーク・ヒューズという医師がいます。彼は「必要とならば母なる神にも逆らう」と明言しました。
日本では、救世主兄弟はまだほとんど議論されていません。昨年、梅村聡議員が中心となって「臓器移植法案」が出来たばかりです。この差を一体どう考えるべきしょうか。
それどころか、イギリスでは既に人の精子の作成に成功しています。将来、女性から精子が作れるようになります。女性同志から子供が作成可能になります。
アメリカのダボス医師は、クローン人間作製に着手しています。すでに64個の細胞分裂まで成功しています。果てしない欲望が後押しする「人体製造技術」。我々はどこまで認めていくべきでしょうか?
この問題をイギリスのように日本の国会で梅村議員が中心となって議論される日が近いかもしれません。しかしお国柄の違いがあり、日本ではパーツ交換は簡単には認められないでしょう。日本人はとても賢明だと思います。日本人は本能的に「生命」を知っています。神道のDNAが生きています。
人体製造への哲学の外国との差異は相当なものです。外国で既に、救世主人間が続々と生まれている現実を我々は知っておくべきです。必ず、あとでいろいろと問題が起こると私は思います。
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