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抗がん剤を拒否する患者さん
―末端医師から日本一の医師への手紙―
2010年04月08日(木)
早期癌が見つかり、日本一と呼ばれる医師に手術をして頂いた患者さんを在宅医療で診ています。癌はほぼ完治したはずですが、肝心の足腰が弱ってしまい、室内をつたい歩きするのがやっとです。アジュバットと言われるダメ押しの抗がん剤治療を強く勧められていますが、本人は「死んでもイヤ、せっかくここまでこれたからこのままでいい」と拒否しています。
先日も転倒して頭を切りました。緊急往診して処置をしました。必要以上に喜んでくれました。どうしても抗がん剤は嫌だと私に言います。私自身も内心、要らないと思っています。しかし医学の最新教科書には「抗がん剤治療をすべし」と書いてあります。
日本一(おそらく世界一)の外科医は、絵がとても上手です。私への手紙に書かれている手術のスケッチは、そのまま額に入れて家に飾っておこうかと思います。字も綺麗です。身分も頭もスケッチ力も何を取っても叶いません。勝つとすれば、口の上手さ位でしょうか?
この先生がエライのは、在宅医療の依頼をしたうえで退院させたことです。一流はどこまでも一流だと、恐れ入りました。
次回の大先生の受診時に「抗がん剤は嫌だ」との手紙を書いて欲しいと患者さんに言われました。そのとうりに書きました。たぶん、大先生も「そうしましょう」とおっしゃることでしょう。
抗がん剤治療は、あくまで「話合い」で決まります。
その仲立ちをするのが、町医者であり在宅医です。
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この記事へのコメント
長尾先生
「抗がん剤はいや!」を通させていただける仲立ちをしてくださるなんて。。
慈愛に満ちたお医者さまです。
長尾先生、私のときもよろしく覚えて置いてくださいね??!
安心しました。
Posted by 狭間 紀代 at 2010年04月09日 01:16 | 返信
紀代さま
抗ガン剤で苦しむ患者さんの相談が毎日あります。
がん拠点病院は、自分の病院だけで「一人相撲」をとっています。
なぜ、地域のかかりつけ医(=研修を受けたがん医療に積極的な
診療所)ともっと連携しないのか、不思議でなりません。
抗ガン剤も考えることが多いのですが、放射線治療の推進も
国はもっと考えなくてはなりません。
そして抗ガン医療をどこまで続けるのか?
統合医療をどう取り入れるのか?
オープンな議論をしなくてはいけませんね。
Posted by 和 at 2010年04月11日 01:51 | 返信
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