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手術は成功したが寝たきりになりました

2010年04月08日(木)

昨日、ご家族が「助けてください」と駆け込んできました。当院で癌を見つけて専門病院に紹介しました。手術は無事成功して退院しましたが、退院後2週間経つのに寝たきりで、食事も摂れていないそうです。さっそく往診しました。

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衰弱した寝たきり老人がいました。なるほど介助しても立つことができません。よくあることです。ケアマネ探しと訪問リハビリ探しの指示を出します。そうそう訪問看護師にも点滴の指示を出しました。

当院から某有名病院に紹介しましたが、まだ手術結果の報告が届いていません。研修医も忙しくて忘れているのでしょうか?それにしても、寝たきりで退院させて気にならなかったのでしょうか?

私は、その神経の方が不思議でなりません。もしかしたら歩けない原因が他にあるのかもしれない、と私なら考えます。もちろん在宅医にも紹介してから退院させます。

患者さんとご家族には、こう説明しました。
「病院は病気を修理するところですから、仕方ないのです。生活やリハビリは町医者がしっかりやりますから心配要りません」と。

病院研修医には、「地域医療連携」を全員に必修項目にして欲しいと思います。いや、研修医のみならず、部長や院長のエライさんにこそ一番、当院の研修を受けてもらわないと、日本の医療は変わらないでしょう。まあ、そういう訳にはいかないでしょうから、せめて
このブログを読んで、実態を知ってもらいたいものです。

医療と生活は車の両輪です。
キュアとケア、です!
 

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この記事へのコメント

長尾先生

相撲太郎です。

今週桜の花見をしに
一週間だけ在宅をされたターミナルの方が
明日からまた病院です。

先月の抗がん剤の治療に続き
また病院の先生に対する義理だての抗がん剤入院です。

彼は言いました。
『今年の桜は本当はあきらめとったけど
みんなの力で家で花見ができた。
ほんまあそこの桜は日本一や』
『絶対に生きて帰ってくるから
今度は花見じゃなくてあまごを食べに行こうな。
病院の先生は口は下手やけど腕はいいと評判やからな。
この4回目の入院が多分最後やから
義理もあるし行って来るから。』

一週間前は言葉も聞き取れないくらいの寝たきりになっていた方が
一週間後の今日には皆へ感謝の言葉を述べ笑顔で
『この一週間はほんまに最高やった。』
そして、また自分自身の戦場へ。
いろんな意味での覚悟を決めた男の笑顔でした。

この一週間たくさんの地域スタッフが
足繁くこの方のご自宅に足を運んでくれました。

地域医療連携を
本当にやり遂げなければならないと
彼のうっすらと流れた涙を見て
今日もそれを感じながら
車を運転してクリニックに帰ってきました。

Posted by 相撲太郎 at 2010年04月08日 09:24 | 返信

相撲太郎先生
なんだか切ないですね。光景が目に浮かびます。
まるでボクシングのセコンドのトレーナーのような役割です。
寄り添うことしかできませんね。

Posted by 和 at 2010年04月11日 05:45 | 返信

この日のブログを何度も何度も見て自問自答・罪悪感にさいなまれながら過ごす毎日です。
昨年12月6日に自宅の湯船で意識を失い、救急車で病院に運ばれ脳腫瘍が見つかり12月16日入院・17日に手術しました。(12月12日からは意識もはっきりしなくなり自力で歩くこともできなくなっていました。)
手術は無事成功したものの、12月30日退院時にはもちろん歩けませんでしたし食事も自分でとることも出来ない状態でした。
1月1日に額が腫れてきたのでネットで検索したところ水頭症かもと思いながら、正月開けの1月4日に病院へ行き応急処置で水を抜いていただきました。
3月初め個人病院の勧めで総合病院に行き、その後水頭症の可能性ありで検査をしましたが、髄液にがん細胞があるとのことでシャント術はしないとのこと。
なんとか退院から3ヶ月自宅で私が介護しながらも元気にすごしていましたが、3月27日から2日続けて嘔吐4し日間ほど食欲がなかったので父に3月30日に個人病院に点滴に連れて行ってもらい、必要であれば入院したほうがよいかを相談するように言いました。
その日は私の仕事が年度末もあり忙しく付き添うことができなかったことがそもそもの間違いだったかもしれません。父は早くから施設に預けたがっていましたから4月1日に即入院が決まってしまいました。(3月30日は食欲も回復し入院後もほとんどの食事を残さず食べていました。)
しかし4月4・5日と嘔吐したので誤飲の可能性を防ぐため食事はさせない方向でと7日に医師から説明があり一切の食事を絶たれ点滴のみの治療で今日に至ります。(4月6日から8日まで息子の引越しがあり私が付き添っていられない間の出来事でしたので私は何も言えずにおります。)
今後、母はどうなっていくのでしょうか。意識もあるのに食事を抜いていて大丈夫なのでしょうか?(話をすればうなずいたり首を振ることとたまにですが単語を話すことが出来ます。)

Posted by 介GO at 2010年05月10日 07:25 | 返信

介GOさま、長尾です。
大変な日々を送られているご様子。
詳しいことがわかりませんので、文面からの推察するだけですが。

どこかのがんの脳膜転移ないし髄膜播種でしょうか。
となると、終末期ケアとして主治医はとらえているのでしょうか?

もしそうなら、意識があるなら食事を食べさせてあげるべきです。
人間は食べる生き物です。
生きるとは食べること。

その主治医は、「誤嚥したら責任を問われる」ことを恐れているのでしょう。
「文句は言わないから、食べさせてやって欲しい」と相談してみてはどうでしょうか?

Posted by 和 at 2010年05月11日 01:45 | 返信

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