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グループホームでの看取り
ヘルパーさん、ありがとう
2010年05月02日(日)
今週、あるグループホームで、末期がんの方が旅立たれました。
グループホームとは、認知症の方が入所する「施設」です。
全国的に、「施設」での看取りはなかなか進んでいません。
この施設では、看取りの第1号だったようです。
在宅から引き続いてこのグループホームでも、診させて頂き、
ヘルパーさんが看守るなか、旅立たれました。
この患者さんは、在宅で3年間、施設で1年間過ごされました。
途中でがんが見つかり病院に入院されました。
最期は、あっけないほど穏やかでした。
余計なことをしなかったからです。
昨年、別の施設(グループホーム)でも、1人、看送りました。
当初、施設長らスタッフ全員が、看取りに大反対されました。
よく聞くと、「人が死ぬのが怖い」、とのこと。
なるほど。
スタッフは20代が多く、人が死ぬのを一度も見たことがないからです。
そこで、自分が書いた本を配って、看取りの法律についての説明会を開き
スタッフ達を説得して、そのとうりに、看取って頂きました。
看取ったヘルパーさんの感想は、「苦痛が全然なかった」でした。
開設されて数年経つその施設での、看取り第1号となりました。
看取ったヘルパーさんは、「最期はゴロゴロいって怖かった」と。
「死前喘鳴といって、あなたも私も死ぬ直前はゴロゴロいうのですよ」と、私。
看取り初体験の施設を、ひとつひとつ開拓しているような気がします。
グループホームは、外部から我々のような医者が入れるので助かります。
そのひとらしい自然な最期です
一方、訪問看護師が施設に入れない規則は変だと思います。
ここはちょっとやりにくい。
規則を緩和して欲しいですね。
施設のヘルパーさんも我々スタッフ達も、GWも関係なく働いています。
ヘルパーさんが看取り人でした。
ヘルパーさん、ありがとう。
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この記事へのコメント
GWなので「過激なブログ」にも足を(手を?眼を?)のばしてます。
看取りのケアを推進なさっておられるご様子、有難うございます。
私が以前勤務していた東京都内の区立の特養ホームでは1995年全フロア個室で開業。看取りのケアも行われていました。
個室は建築時の区の方針で、良さもある代わり(当時は加算なし)リスクもあり正直なところスタッフは大変でしたが。おまけに離床がコンセプトで。
看取りのケアは新任の所長と勤務医(看護師は24時間勤務)の方針で実現したように記憶しています。もちろんご家族の希望があった場合です(認知症フロアではご本人のご意向をうかがうことは難しかったので)亡くなられた時はエンゼルケアもしました。介護業界が理想に向けて希望を持っていた時代。
若い方の臨死に立ち会ったことはなく比較できないのですが、高齢者は「あまり苦しみなく(あっけなく)亡くなる」という印象が残っています。苦しむ力ももう無いので自然に、という感じ。医療職でないので間違っているかもしれませんが。
ところで人間は「息を引き取る」というように、引いた息で終わると聞いたことがありますが、その息は体の中でどうなるのでしょうか。どうでも良いことながら、時々思い出しては不思議に思う言葉です。
良い人生をサポートして下さる医療者の皆様に心からの感謝を。
Posted by 梨木 at 2010年05月03日 09:13 | 返信
梨木さま、長尾です。
こちらは過激なブログで頑張ります。
先進的なグループホームでの看取りのご様子をお伝え頂き、ありがとうございます。
まだまだ、一部であるのが現状だと思います。
>高齢者は「あまり苦しみなく(あっけなく)亡くなる」という
>印象が残っています。苦しむ力ももう無いので自然に
そのとうりです。自然だと苦しみません。
グループーホームだと、「医療者が余計なことをしにくい」から、いいのです。
>人間は「息を引き取る」というように、引いた息で終わると聞いたこと
>がありますが、その息は体の中でどうなるのでしょうか。
なるほど。最期の息の行き場所ですか。
最期の息は、大きく吸われて、必ず吐いていますね。
そんなこと、考えたこともありませんでした。
「引き取る」とは、「停止する」ということだと思いますが。
Posted by 和 at 2010年05月05日 01:17 | 返信
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