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人に言えない事情

2010年05月18日(火)

ある企業で産業医の健康相談をしていたときの出来事です。
何年間もHbA1c=13%、を放置している重症糖尿病の社員さんを、
産業医として呼び出して、ちゃんと指導するよう命じられました。
いろんな衛生スタッフが、すでに病院受診を勧めましたが、拒否されています。
2人きりで話すと「人に言えない事情がある」と、吐露しはじめました。
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予想どうり、「お金の問題」でした。
昔、某有名専門病院に通院していた時には、
帰りに1万5千円以上も支払っていたそうです。

「いろいろ人に言えない事情があって、
とてもお金が続きませんでした」、とのこと。
やっぱり・・・

インスリン治療をして色々検査をすると、それくらいになります。
医者は満足でも、患者はコリゴリかもしれません。
ぼったりバーに、してやられた気分でしょう。

時間をかけて専門病院の、再受診を強く勧めました。
「受診しないと働かせないぞ」と、半ば脅しましたが、
それでも、医療費の恐怖の方が勝るようです。

しかたがないので、言いました。
「僕のクリニックに来てください。3000円。
薬もオール込みで5000円にまとめましょう」と。
言いながら、「怪しい」と自分でも思いました。

しかし「行きます」と即答してくれて、一件落着。
待たせていた緊急往診を、大急ぎで回りました。

インスリン管理料(800点ぐらい)は、高すぎます。
なんとかなりませんか?
半分でいいじゃないですか?

以前、糖尿病学会関係者にそう言ったら、
「長尾先生、なんてひどいことを言うんだ!」と怒られました。
たぶん中央でそう叫んだら、医学会から袋叩きにあうでしょう。

金持ちさんだけ算定して、
貧乏な人には算定しなければいいのですが。

身なり等で経済状況は判断できませんし・・・
まさか、「貴方の年収はいくら?」と聞くわけにもいきませんし・・・
高年収かつ、それを上回る高借金の方もおられるし・・・

難しい。




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この記事へのコメント

ほんまに怪しいです。。。嘘です。
江戸時代?のお医者さんは、命を助けることを優先して貧乏だったのですよね。
(ほんまか嘘かは知りません)
介護保険の業界でも、一割負担やデイの食事代が支払えないという理由で、
サービス利用ができない方が増えました。
以前、その負担額を支払っていたヘルパーがいました。
もちろん叱ってやめさせましたが、彼女はひとり真剣に悩み、そうしていたのです。
そうさせたわたしも反省しました。

長尾先生のように思い切った判断のできるドクターは少ない(いても言わない?)でしょうが、
じゃあこの患者さんの命をどうやって守るのでしょうか?
心ある医師ですか?地域ですか?社会ですか?

Posted by カミムラクミコ at 2010年05月19日 06:06 | 返信

院長先生、私も以前から働いていた時は別に
気にならなかったのですが、結婚してから
主人の身の回りをするだけで共稼ぎをする
余裕(たぶん手際が悪いからだと思うけど)
が無く、お金の事情で悩むときがあります。
私は、近所のかかりつけ医に行けば、様子
を見たいからと採血され、大病院で専門科
ではまた様子を見たいから採血をしましょう
となり、毎月それを捻出するのが大変な
時期がありました。連携連携って言うけれ
ど、どこが連携なんだ??と思ったことが
とても本音です。院長先生にかかり直しを
したのは、私だって若いから採血の分、遊ぶ
ほうに回したいとか思ったりしている1人です。
いつもありきたりな採血の項目を見るのがとても
コピー用紙を見ているようでした。
私は長尾クリニックに通うのは少し遠いけれど、
胸のつかえもとれて採血の検査料を引いても、
浮いてくると考えて主人と相談しました。
近所の病院内で調合する院内処方に比べてちゃんと
した処方店でのお薬ももらえるので安心感もあります。
院長先生には儲けがあまり無いかもしれませんが、
私は専業主婦なので助かっています。総合内科、
引越しした時もずい分、ネットで調べてもらったの
ですが、なかなか難しいかったです。1度かかると
次、次、様子を見ましょうと離れなれないし、
柔軟性のある長尾クリニックに戻って正解でした。

Posted by ST**yminmin at 2010年05月19日 08:24 | 返信

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