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今夜の「どないかせなあかん会」の収穫

通院介助を巡る諸問題

2010年05月21日(金)

今夜は当院3階で、地域のヘルパーさんたちが集まって、
2ケ月毎の、「どないかせなあかん会」が開催されました。
ヘルパーさんが通院介助した時の問題点が浮き彫りに
なりました。「医療と介護の連携」の、出発点です。

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今夜は、通院介助についての勉強会でした。

以前は、ヘルパーさんが病院に運んでも、院内での滞在時間は
介護請求できない規則でした。
そのため、病院入り口で患者さんを捨てる(?)ヘルパーさんがいました。

しかし現在は、本当に必要な院内滞在時間のみ算定が認められています。
しかし、医者はそんなことは知りません。
言ってくれれば、最優先で呼び込みますが、そうなってはいません。

その請求を、身体介護でするのか、家事援助でするの?、
ヘルパーさんたちが真剣に議論していました。
もちろんケアマネさんも一緒に議論に加わります。

私は、熱心なヘルパーさんたちに質問しました。
「もし病院で2時間待たされたらどうなるのか?」

答えは、「2時間はボランテイアです」 とのことでした。
では、2時間ではなく、4時間ならどうでしょうか?
ヘルパーさんが気の毒です。

こんなことは、今夜まで知りませんでした。
さっそく、院内メールで、全職員に
「ヘルパー同伴者最優先」を指示しました。
小さな組織なので、たった10分で問題解決します。

さらに、私は気がつきました。
・病院への付き添いと
・診療所への付き添いでは
事情が違うのではないか?と。

病院への付き添いは、必要だと思いますが、
診療所への付き添いは、不必要な場合があります。

これには、2とうりあります。

1)通院介助の必要が全くないのに、ヘルパーが付き添う場合、と
2)寝たきりの在宅医療者を、無理やり、車いすに乗せて連れてくる場合


1)は、悪徳ケアマネと悪徳ヘルパーがグルになっています。
  「介助は必要ないよ」と医者が患者に言わないように、
  ヘルパーが用もないのに診察室に入ってきて見張っています。

2)は、在宅医療と訪問介護の競合です。
  少しでも仕事を増やすため、ケアマネが、在宅医療を断らせて、
  無理やり通院医療に戻していきます。
  経済的側面では、1回の診察に要する費用はほぼ同じでしょう。
  訪問診療はさせずに、夜中の電話だけはしっかりかかってきます。
  外来扱いなのに、仕方なく24時間対応しています。
  主治医としては保険請求のしようがありません。

通院介助だけでも、これだけの問題があります。
「医療と介護の連携」は、遠い夢かな。

介護の世界も自律が必要ですが、遠い夢。
まず、ケアマネを独立させなくては・・・

しかし、この「どないかせなあかん会」から、
真に国民のための政策が生まれると信じています。

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この記事へのコメント

長尾先生、
院内のいわゆる付き添い介助については、まだまだ課題が山積みです。
たかが付き添い、されど付き添い、ですが おっしゃるとおり捨てられることはなくなりそうです。
厚生労働省からの通達が広く周知されているわけではありませんし、
市町村によっては 通院にかかる一連の動作と解釈して、全て通院乗降介助100単位(1050円)で算定しろ、と指導されます。
ただでさえ、低い単価で働いてもらっているのに、そんなヘタしたら3時間以上待たされる通院に付き合ってもらえない!と わたしは高い時給で?利用者さまのアセスメントタイム、コミュニケーションタイムとしてその3時間の待合を有効活用しています。けれど健康なわたしでも3時間病院にいるだけでしんどなります。patientは まさに 耐える人 だと思うときです。
そもそも なんで3時間も待たされて 要介護者がその病院にかかる必要があるかは疑問ですが
「訪問診療にしろ!」とわたしが言うわけにもいかず。
話のわかる開業医の先生には 利用者さまの状況をお伝えして
クリニックの職員さんで対応できる(移動や排泄の介助が必要)までは通います。
それが困難になれば、訪問診療に切り替える時期を見極めるよう話し合います。
要介護者優先にしてくださる長尾クリニックの案はすばらしいです。
患者さんから文句が出ないように理解してもらうことも、広義の市民のモラル教育の底上げだと思います。
おかしなことは おかしいと言える 長尾先生の活動に拍手!
ケアマネとして文句ばかり言って、何もできていない自分に反省です。

Posted by カミムラクミコ at 2010年05月22日 06:21 | 返信

私も先日、母のレントゲンを撮るために久しぶりにクリニックに同伴しましたが、その時に「こういう場合はどうなるのかな?」と色んな事を考えましたね。
うちは家族が同伴しましたが、やはり同伴できないこともあるかもしれませんし、ヘルパーさんにお願いした場合はどうなるんかなと。
それと送迎の車も、送ってくるからには帰りもお願いすることになりますし、車のキープも行きは良い良い帰りは???。なのです。どのくらい時間がかかるか予測できませんから。
幸いに長尾のスタッフが車の送迎もしてくださっていましたので、受付で「終わりました。」と一声かけたらすぐに奥から出てこられまして特に問題はなかったですが、これが外部の業者に頼むとなるとややこしそうだなと思いました。
母の場合は身障者手帳がありますから病院の送迎は介護タクシーを予約すればタダですが、連携が悪いと困ります。送迎もして頂けて本当に助かりました。

Posted by チズ at 2010年05月22日 08:32 | 返信

チズさま はじめまして
ほんとおっしゃるとおり、通院の介助は「至難の技!」なんです。
総合病院では予約票をもらい、処方箋の引換券をもらい、処方箋をもらい、院外調剤薬局さんで薬をもらい、もしも内容が違ったりしたらまた同じ作業を繰り返し、それだけでも1時間くらい待つこともあります。患者さんも家族さんも耐える人です。
糖尿病の方のお昼ごはんが2時3時になっても、医者も看護師さんもヘーキです。
車椅子に座らせられっきりの高齢者が2、3時間ヒップアップ(床ずれ予防)も水分補給もされず順番が来るのを待たせれています。
病院なんかに行ったら、絶対具合ワルなる!!!といつも思います。あら、愚痴っちゃいました。

長尾先生がおっしゃるように、通常タクシーに乗って通院できる方が 便利だから・安いからと介護保険を利用しちゃうと、おそらく本来国が考えているような乗降介助の支援とは乖離した 白タクまがいの営業になってしまう恐れがあるのです。
本当に通院に介助が必要な方で、何らかの支援があれば、訪問診療や往診でなく通える、或いは普段は訪問診療してもらっていても特殊な検査が必要なので通院を調整する方に必要なサービスだと思います。

Posted by カミムラクミコ at 2010年05月22日 10:32 | 返信

カミムラクミコさま コメントありがとうございます。
私も母の介護がここ数年来ずっと続いておりまして、母はまるで自分の体を差し出すかのような人体実験さながらの変化を私に見せ続けてくれております。3か月同じ介護が続いたことはなく、変化の連続ですが、うちの場合それがゆるやかなものであることにいつも感謝しております。
中でも病院へ母を連れていくことの難易度がどんどんあがっております。長尾クリニックの場合、介護の範囲の事も常に念頭に入れて、看護師さんが進めて下さるので本当にスムーズに運び、連携の良いケアのおかげで母は何度命拾いしただろうと、自覚してないのも含めると数えきれないのではないでしょうか。
長尾クリニックにご縁ができる前の事とつい比較してしまいますが、本当に「このままだとみすみす母を見殺しにするのと同じことになる!」とあせる気持ちでした。ネットの口コミでこんな近くに世界にひとつだけの病院があることを見つけました。また、先生の周りには「類友」で志の高い
方、優しい方。奉仕の精神の高い方が集まってこられます。必要な看護を必要なタイミングで受けられています。
カミムラさまもそんな先生の「類友」のおひとりでいらっしゃるのですね。
コメントいつもうなずきながら読ませて頂いてます。今後の介護の参考にもなります。
これからもよろしくお願いいたします!また、現場でも頑張って下さいませ。応援しております。

Posted by チズ at 2010年05月22日 05:28 | 返信

チズさま
ほんとうによくお母さまの介護をなさっているのでしょうね。頭が下がります。

先程、優秀な歯科医師の先生と話をしていたのですが
我々(ケアマネや医療、介護従事者)をその気にさせるのは 利用者さん、家族さん だよね って。
エコひいきは良くないけれど ご家族さまがどれだけ大事になさっているか。
その思いは必ず、我々にも伝わります。
(大事にされていない方は、それはそれで、我々が大事にしよう とかも思いますが。)
だめだめケアマネのわたしを長尾先生はいつも応援してくださいます。
「類友」なんて、サイコーの褒め言葉です!!!
その言葉に負けないよう頑張ります。チズさまありがとうございます!これからもよろしくお願いします。

Posted by カミムラクミコ at 2010年05月22日 10:58 | 返信

先生をそっちのけで私信連投失礼いたします。
前コメには書いたことありますが、カミムラさまはご存じないかもしれませんので補足をば・・。
実は私は週に2回しか実家に通えてないんですよ。偉そうに書いてますが。
嫁に出た身としては」それがギリギリバランスでして。
それでも奇跡のように回っていますのは老老で認認なのに母の世話をし続けている父と、同居してくれている兄(独身)がいるからです。その場に常駐してくれる家族のいることが大きな力です。
綱渡り的介護だなぁと正直思いますが、長尾クリニックという大きなバックが安心感となり、頑張り続けることができています。私は週に二回しか行けないのだから、絶対にそれをキャンセルしないようにだけ心がけてます。どれほど私をあてにしているかを感じますから。
いつもぶっつけ本番の自転車操業介護です。ですからこちらのブログは長尾先生、カミムラさんはじめ多彩な方の貴重なご意見や情報を知ることができ、ものすごく役立っているんです。
とくにここは縦社会を感じないブログですね、院長先生の前では全てが横並びで役割分担のみが見えてきます。だからとても解り易い。
ついついこのように書きこんでしまうのもその表れですね。
カミムラさまに思いがけずお褒めの御言葉をいただき、恥ずかしくなってしまいました。
これからも週二回ペースで、決して休まずをモットーに頑張ってまいります。
そしてちょっとしたことですが、次回はいつ来ると約束して必ず守るということ。
これ、けっこう実は大変なんです。でも「次は金曜日ね。」というと母も約束してくれるんです「生きて待ってる。」と・・・。決していい加減にはできません!
カミムラさま、こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。

Posted by チズ at 2010年05月23日 12:50 | 返信

チズさま
ほんと、個人メールでやれって言われそうですね。でも続けちゃいます。(長尾先生すみません)
週2回の通い介護 素晴らしいです。
わたしの担当している方にも、ご家族さまが東京や海外にいたり、思うように介護できない状況の場合があります。
近くに手はあるんです。それはヘルパーさんでも、看護師さんでも、(わたしでも)エエんです。
やはりマインドですよね。
チズさまの上記コメントを読んで、お母さまとチズさまの様子が思い浮かんで、優しい気持ちになれました。チズさまのような介護者がいる限り日本の介護はまだまだ大丈夫!って気がします。長尾先生が家族介護を賞賛する理由がわかりました。その家族を支えるベースが介護保険でなければいけませんね。

Posted by カミムラクミコ at 2010年05月23日 05:04 | 返信

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