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紹介状を読むだけで涙が出てくる

2010年05月30日(日)

いろんな病院から、末期がんの在宅医療の依頼FAXが届きます。
紹介状を読んでいるだけで涙が出てきます。
1年の大半を、抗がん剤治療や放射線治療での
入院生活で過ごしています。数回の入退院を繰り返しています。
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何クールも抗がん剤治療が繰り返され、
10数種類の薬を飲んでいる。
すべては、がんに勝つためなのだが・・・

しかし、家族には「余命1ケ月」と告げられている。
本人はもちろん知らない。
真実を知りたいと願う元気も、もはや残っていない。

確かに、がんとの闘いにおいて、どこで線を引くのかは難しい命題。

しかし、病院医療者は、亡くなってから線を引く。
亡くなっても、まだ線を引かない変な医者もいた。

ある時点で、うまく引導を渡す医者が、本当の名医だ。

しかしそれができる医者は少ない。
そんな医学教育も存在しない。

「周産期医療学」と同じように、「周死期医療学」も
あっていいと思う。

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この記事へのコメント

『病気で亡くなる時に、警察は要らない』のブログ記事とこの記事を読んで、もう溜息しか出てこないです(涙)。

現役看護師として病院で勤務していると、こういうシーンを毎日(文字通り、毎日)目にします。
そして、一生懸命患者さんのそばでケアしている看護師の言うこと(患者さん達がどういう状態で、どんなことを望んでいるか)を全く聞いてくれず、患者さん達がどんどん亡くなっていきます。 
医師の死亡確認の後、体を清めて服を着せる間、『ごめんね、ごめんね。。。』と力になってあげられなかった自分の非力さを詫びずにいられません。

患者さん全体を診ず、「病気だけ」を診ている病院医師のこの事実。
病気を通じて患者さん全体を看ている看護師に取っては、とても辛いです。

どんなに一生懸命ケアして患者さんからの全幅の信頼を頂いても、
それに応えたい、最後の望みを叶えてあげたい、と願っても、
最終決定を下せる権利を持っているのは、ケアに関わらないどころか、患者さんからの信頼すらない病院医師なのです。
この理不尽さにやりきれなくなります。
どう考えてもおかしいです。
患者さんに関わっている医療チーム全員を集めてミーティングをしたうえで、結論を出すべきでしょうに。。。

私の『病院医師嫌い』がますます加速している今日この頃。
真剣に『病院外』の職場へ転職しようと検討中です。

Posted by *snowflake* at 2010年05月30日 03:10 | 返信

在宅でお見送りをさせていただくと、
(もちろん専門職としての反省点(後悔?)は次々わいてきますが、)
病棟勤務の頃の感情とはずいぶん異なり
「しやけど(だけどの意)、本人の好きなようにできてんやさかい ええか」
「もっと おもろい事言うて 笑いたかったなあ」
「あの時、手握らしたったらヨカッタ、じいちゃん喜んだやろに~」
とお葬式のときは 笑い泣きしています。
わりと健康な時には、「入院せんと好きなように死にたい」と言う人は
(わたしも含めて)多いのですが
結局、何か予後の悪い病気になると 有名な立派な医療機関にかかりとことんまで治療されます。
好きなことなど忘れてしまったように
でも 隠さず本当に正しい病気の道のりを医師が示すことができれば
もっと人の周死期医療は変わるでしょう。
細分化された医療とそこに携わる医療者は、治療できないことが敗北のように
今だ 考えているのでしょうか?
数字にばかり気を集中させている間に、とうの人間(本人は)身も心もズタズタで
最後の望みも言えないまま 旅立つのでしょうか・・・?
ウチの父親は 治らない病気だったら言わないで欲しい と昔からわたしに言います。
在宅にかかわるまで、看護師でありながら 父がそうなればそうしよう、と思っていました。
でも今は絶対そんなことしたらアカンと確信しています。
なければ ないにこしたことはありませんが そのときは わたしが責任をもって関わることと
ほんとうに信頼できる地域の医者を今から捜す必要があります。
これだけ地域でいろんな人と関わりますが、まだ見つかりません。。。

Posted by カミムラクミコ at 2010年05月30日 08:59 | 返信

長尾先生、いつもお疲れ様です。

ウチでも基幹病院主治医がなかなか引導を渡してくれないので私が引導を渡すことが多いのですが、やっぱりそれは少し変な感じがします。
治療を開始した医師が、治療を終わらせる義務があると思うのですが、どうでしょうか?
自ら延命目的の化学療法を行っていながら、その先にいつしか治療無効となる日が来ることを患者さんに一切お話しない癌治療医の尻ぬぐいをするのは、決して名医でない私にとってはなかなか精神的に辛い仕事の一つです。
でも、先生の仰るように患者さんのためと信じて、日々引導を渡し続けております(笑

*snowflake*さんのような方に当院に来ていただければ、非常に助かるのですがっ(笑
人のブログで求人してスイマセン。。。

Posted by みどり病院 清水 at 2010年05月30日 01:11 | 返信

みどり病院 清水さま

求人ありがとうございます☆ 本心から「嬉しいわあ〜。本気で日本へ帰国して再就職しようかな〜。」と思い始めてしまいました(笑) 

清水先生も、お辛い立場にいらっしゃるようですね。。。
でも、患者さん達は恐ろしいほど敏感に『良い医者』『良い看護師』を見抜いているんですよ。
だから、清水先生にケアしてもらっている患者さん達は、『清水先生がここまでせんでもええんちゃうんか』って、先生の心中を察してくださってると思います。

『治療を開始した医師が、治療を終わらせる義務がある』これは当然のことだと思います。
普通の会社でも、自分が始めた仕事を他の人間に丸投げして『じゃあ、後始末までよろしくね』とは出来ないはずです。 そんなことをすれば仕事ができない人間として辞めさせられるはず。
教授などのお偉い病院医師の多くが、その地位にふんぞり返ってしまい、
技量、腕、診断能力などが研修医よりもはるかに衰えている場合なんて日常茶飯事です。
(看護師の目と耳をあなどっちゃーいかんのだ。)
そんなお偉いさんは給料泥棒で邪魔になるだけです。
いっそのこと病院のゴミと一緒に処分して、有能で情熱あふれる医師を後釜として据えるべきです。

いっそのこと、病院内に誰でも(看護師も医師も患者も全て)意見を述べられる目安箱(苦情箱?もしくは暴露箱?)のようなものを設置して、苦情があまりにも多いダメな人間を辞めさせるというふうに出来たらいいのになーっとひそかに願っている、現役看護師なのでした。。。

Posted by *snowflake* at 2010年05月30日 07:08 | 返信

*snowflake* さま、長尾です。
>私の『病院医師嫌い』がますます加速している今日この頃。
>真剣に『病院外』の職場へ転職しようと検討中です。

嬉しい言葉です。転職されるかもしれませんね。
しかし、病院内にとどまって、異端児として声を上げ続ける役割も大変重要です。
そのような立場の病院医師もいます。
私自身も、ますます、病院内に入って行こうとしています。

現在の場での発信も大きな意味があります。

Posted by 長尾 at 2010年05月30日 10:12 | 返信

清水先生、長尾です。
治療を開始した医師が、治療を終わらせる義務があると思うのですが、どうでしょうか?
とても難しい問題です。
理想ではそうあるべきです。
基本は、信頼関係でしょう。
大変辛い意見ですが、私は、病院とは、「病気を治療するために患者さんを拉致する特殊な
場所」だと思います。治療の余地が無ければ、そこに「拉致」する意味はありません。
清水先生が、在宅医として往診なさるのなら、それがいいと思います。
私が思う「名医」は、患者さんに「病院に来ても何もすることが無い」と
見放す勤務医です。これが、最高。
もちろん、受け皿をちゃんと紹介するのですが。
まあ地域性にもよりますね。

Posted by 長尾 at 2010年05月30日 10:20 | 返信

『病院内にとどまって、異端児として声を上げ続ける役割も大変重要』...
そうなんです。 だから未だに病院勤務中で、どうしようか悩んでいます(苦笑)

いくら現地の言葉や文化を吸収しても(大抵の患者さんは私がここで生まれ育ったと思い込んで、実は日本生まれの日本育ち、100%日本人なんだよと知るとびっくりします。同僚は知ってますが。)、やっぱり私はここでは『外国人』なんですよね。
患者さんや同僚から『外国人』として扱われたり、
差別されたりしたことは数えるほどしかありませんが(普通に生活していても同様です)、
今現在勤務している病院の医師からは結構あります。
ここは外国から客員教授、優秀な医師をリクルートしている大病院なのに、
外国人を見るとあからさまに態度を変える人がたくさんいます。
『外国人は自分たち(=白人)より劣る』と思い込んでる人の多いこと(驚)!

自分の中味(考え方、行動力、包容力。。。など)はいくらでも変えられます。
でも外見だけは何ともなりません。
外見がこれほど不利に働く場合もあるのだ、と今では自分なりに消化出来ていますが、
やっぱり怒り心頭で『ええ加減にせえ!』とぷっつんしそうになることもありました(汗)

そのためにいくら私の意見が正しくても、いくら良いアイデアをだしても、
職場では聞いてもらえないことも実は多いです。。。

オペ室で働いていた時に頻繁に『皮膚一枚剥いでしまえば、人間誰でも中味は一緒。 なのに人間ってどうしてこうも他とあらゆる面で差別したがる生き物なのだろう』と、毎日頭が痛くなるほど考えさせられました。

それが今の自分にとっても良い意味でのモチベーションです。
『偉いさんも オペ台乗れば ただの肉(字余り)』
と堂々とお偉いさんの目の前で日本語でつぶやいて(←誰も理解出来ないから)
現場で思い切りストレス発散してます(笑)。

Posted by *snowflake* at 2010年05月31日 01:07 | 返信

*snowflake*さん

過激な?コメントありがとうございます(笑
人のブログでコメントのやりとりをするなんて長尾先生に失礼かと思いながら、お返事してしまいました。

長尾先生の仰るとおりで、私が在宅で診ている患者さんでもよく入院をご希望されるケースがありますが、もちろん病状にもよりますが、私は「拉致実行犯」になりたくないので、いつも丁重にお断りさせていただいております(笑
その代わり、その後もしっかり我々で責任を持って、チームみんなで在宅で逝く覚悟を決めています。

病院に勤務していながら(入院不要な)患者さんを入院させるのが大嫌いな変わった医者なので、上の方々からはあまり良くみられていないような気が最近してますが。。。(汗

Posted by みどり病院 清水 at 2010年05月31日 12:47 | 返信

清水先生、

>人のブログでコメントのやりとりをするなんて長尾先生に失礼かと

大丈夫だと思います。だって私は『鬼軍曹』ですから(笑)

私個人の経験から数えると、
本当に患者さんのことを考えて一人の人間としても尊敬できる医師というのは、
おそらく30人に一人くらいでしょうか。
今ではもっと少ないかもしれません。

そんな中、自分の信条を貫いて、患者さんのためを真剣に考えて、
自分が心苦しくても患者さん達に『NO』と言える清水先生は本当に素晴らしいです。

上の人間なんてほっといたらいいんです。
どうせそのうちどんどん退職していきますから(爆)

Posted by *snowflake* at 2010年06月01日 03:52 | 返信

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