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「独居の認知症患者さん」が、来院すると大変

2010年06月04日(金)

外来診療は、時間との闘い。
胃が痛くなります。
そこに「独居の認知症患者さん」が来院すると、大変です。
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まず、服薬管理が全くできませんから、
お薬の日数についての話は支離滅裂になります。
日にちの感覚が全くないので、相談は成り立ちません。

血圧を測定しても、10分後にはもう忘れています。
何のために来院したか、本人もわからない。
「迷子の子犬さん」と同じです。

検査の説明も無理。
栄養指導も無理。
ましてお薬の理解も絶対無理。

患者さんの要求も、よくわかりません。
「あの薬」「あの白い薬」じゃ、分からない、と言うと怒りだします。

認知症診療は、介護者同伴が原則ですが、
独居であったり、天涯孤独であったりで、同伴は無理なケースが増えています。
無駄とは分かっていても、本人と話すことしかできません。

ホント、どうすればいいのでしょうか?

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この記事へのコメント

長尾先生。
独居の認知症、なんとか加算の高ポイントですね。
(※住民票等で独居と認められ、主治医の意見書より重度の認知症と認められば、
ケアマネ側の申し出により少し支援の金額に上乗せしてくださいます。)
加算をいただいてるからではありませんが、
それはお上が「より手間暇かかる利用者さまのために」ようけお金をつけてはると言うことで、
ようけ貰てるわたしたちが 頑張らないと ぼったくりだと言われます。
(そんなん誰も知らないから、言いませんが。)
毎回ご一緒できないかも知れませんが、
できないときは、ファックスやメール 医師が日常生活上必要だと思う情報は入れますし、
わたしたちが困っていることももちろん入れます。
そうでないと お互い不安です。
やはり、加算ありきではなく、不安ですもの。

Posted by カミムラクミコ at 2010年06月05日 05:01 | 返信

長尾先生の今日(6月5日)のブログ記事5つを読んでいると、
『先生、心身共にかなり参ってるなあ。大丈夫かなあ』と、とても心配になりました。

どうしようもない問題が山積みで、私自身も
もういったいどうしたらいいの!?とキリキリすることもあります。

でも、どうしようもないことは、どうしようもないんですね。。。

駆け出しの頃、私の猪突猛進的な性格を心配した大先輩が、
『肩の力を抜くには、割り切りが必要なんだよ。今出来ない物事に直面して玉砕してどうするの? 
人間は完璧じゃないんだよ。世界を救うスーパーマンになれる人は存在しないんだから。
自分に出来ないことを悔やんでも時間は過ぎていくのよ。
同じ時間を使うなら、自分に出来るひとつのことを見つけ出してそれに集中しなさい。』

あれから年月がたち、私自身が後輩や新人を指導する立場になりました。
主任からも、同僚からも、新人からも、研修医からも一目置かれるようになりました。
それでも、看護という医療分野において『自分のプロとしての経験不足』を痛感せずにはいられないのです。
どれだけ経験を積んでも、解決出来ない問題が雪崩のように襲ってきます。

先生が書かれたこのブログ記事の問題のような事柄も日常茶飯事。
それに対して逃げるどころか、時間の猶予すら時には許されない、医療現場。。。
プロとしての知識や技術では解決など出来るはずもありません。

『今の状況を突破するには、現在の医療を取り巻く環境を変えなければならない』
と、すでに危機感にも似た、背筋が凍るような切羽詰まった感覚を覚えます。

Posted by *snowflake* at 2010年06月05日 05:57 | 返信

*snowflake*さま
ご心配ありがとうございます。
参っているのは、患者さんではなく、依頼原稿や講演の多さの
方です。でも元気に過ごしています。
制度の矛盾は、声をあげて、いい方向に変えていきます。
このブログは、その予告にすぎません。

Posted by 長尾 at 2010年06月07日 01:23 | 返信

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