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22時間労働のタクシー運転手の高血圧診療
保険料は払っても、医者にかかるお金は無い
2010年06月15日(火)
血圧が220/120でフラフラになったタクシー運転手さんが、駆け込んできました。
彼は、1日で2日分働くという労働形態ですが、この不景気で、安月給に喘いでいます。
健康保険料は払っていますが、とても医者にかかる余裕など無い!と言われます。
不景気でリストラされた人が、沢山タクシー業界に流れています。
尼崎でもこの1年で100台以上増えたとか。
お客は激減しているのに。
彼のライフスタイルは、隔日勤務、です。
午前5時から翌日の午前3時までの22時間勤務。
本来は、16時間(=8時間X2)だが、それでは食べいけない。
16時間勤務の月給は、税込13万円で、手取りは10万円以下となります。
生活保護以下で、とても暮らしていけません。
22時間勤務だと税込17万円になるので、なんとか生きていけます。
しかし、医療にはなかなかお金は回せません。
彼は、血圧だけでなく、GOT100、GPT180と脂肪肝かつ、尿酸値は13を超えています。
勤務明けは、酒を飲んで寝ますが、4時間しか眠れず、うとうとしながら
非番の日をすごします。
タバコは、40本以上。
22時間勤務のうち、7~8割は、「待ち」の時間です。
エンジンは、クーラーをかけるので停止できません。
そのガソリン代は、会社によって扱いが異なります。
彼を10年以上診ていますが、治療が中断しがちです。
頭痛がしたり、痛風発作の時しか受診されません。
受診したくても生きていくために出来ない、と言います。
故郷(山陰地方)に帰ることも考えたが、帰っても
仕事がほとんど無いので、どうすることもできない、とも。
タクシー運転手の生活習慣病は、すさまじいものがあります。
とにかく治療を継続してもらうほかありません。
診療の9割は、医学というより社会学領域になります。
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