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新臨床研修医制度改革・私案
研修成績に呼応した強制配置を!
2010年07月22日(木)
医療崩壊は、平成16年からの新臨床研修医制度から始まったと言われています。
プライマリケアを重視した初期研修を、私自身、学生時代から強く主張してきました。
ここで、新臨床研修医制度改革案を当院の医師らとともに考えてみました。
医師は不足していません。
偏在しているだけです。
診療科と地域の偏在です。
皮膚科医ばかり増加するなんておかしい。
都会の病院にばかり集中するのもおかしい。
研修医が、お客様であることが問題の元凶。
改革私案を書きます。
1) 前期研修で、研修医の評価を厳しく行う。
2) できれば全国統一模試のように点数化する。
3) 点数の高い研修医は、希望する病院での後期研修を可とするが、
成績の悪い研修医から、へき地の医療機関に強制的に飛ばす。
従わないものには、医師免許を取り上げる。
4) 診療科目の選択も、予め定められた各科別の定員に従い、同様の方法で行う。
5) 以上を、国の責任で行う。
期待できる効果
1) 2年間の前期研修を死に物狂いでやるようになり、プライマリケア能力が上がる。
2) へき地に飛ばされたものは、それなりに貴重な臨床経験を積める。
3) 診療科の偏在や地域による偏在が100%解消できる。
4) 研修医間の競争は、やがては日本国の医療レベルの底上げにつながる。
5) これらを実行するのに、お金はかからない。
どうでしょうか?
本気です。
民主党は医学部定員を1.5倍にすると言っていますが、馬鹿げています。
私の意見のとおりにしてから、考え直して欲しいです。
ついでに言うなら、医学部6年間の間に、「体育」を必須科目にして、
ひたすら、体力向上にも努める。
研修医の評価にも「体力」の項目を設ける。
医者は、紛れもない肉体労働者。
まず体力です。
そして、できらば、倫理と哲学も・・・
1人の医師を養成するのに、3000万円もの税金が使われています。
ならば、医師の診療科目と地域配置を国家統制してもおかしいとは思いません。
やろうと思ったら、できるはず!
これくらいやれば、「政権交代してよかった!」と、
民主党は、世間に認めてもらえるでしょう。
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この記事へのコメント
長尾先生 よくおっしゃって下さいました。有言実行の医師の発言は、外部から見ても説得力あります。実現したら良いですね!
ちらちら望見しているだけですが、やる気のある医師の卵は、たとえシバキの病院にでも研修希望が多いようです。
先生の案では
■前期研修先はどのように選べるのですか。
■へき地では、只でさえ選択肢が少ないのに、レベルの低い医師が配置されるのはリスクが大きいのでは(指導医がハイレベルなら良い?)
■今の学生って、OSCEでも高得点を取るにはどうすれば…と考える向きが見られます。受験教育の弊害でしょうが。
研修医が自分の意見をぶつけても受け止めて、しっかり育てて行こうという指導医の存在が全ての前提でしょうか。(すべての病院で、という意味です)
Posted by 梨木 at 2010年07月22日 09:58 | 返信
梨木さま、長尾です。
的確なご質問、ありがとうございます。
・前期研修は、マッチングという方法で選べます。一般学生の就職活動と同じです。ここまでは現行制度
でいいと思います。
・へき地に行けば、出来の悪い医師でもそれなりの収穫があるのでは?モチベーションの低い医師の方が
へき地研修で得るものが多いはず。へき地研修は、医の原点を教えてくれるでしょう。
・研修医が指導医を評価する現行システムだけでは、良くならない。指導医が研修医を評価するインパク トの方を数倍大きくすることから改革が始まる。昔の軍隊方式で厳しく育てるべき。サボる研修医には
研修修了証書を与えないので、医師として働くことができない。
・研修医の評価方法には、真面目さ、人間性、コミュニケーションスキルなども重視し、多方面からの
評価とする。オリンピックの体操演技の評価のように、複数の指導医によるポイント制とする。
これにより、指導医の地位が向上し、モチベーションが上がる。
以上、過激な提案ですが、お金をかけないで医療を立て直す方法だと思います。
さらに、大学(医学部)教育改革もあります。さらに、看護教育改革も・・・
教育だけで、医療は変わります。
Posted by 長尾 at 2010年07月22日 11:29 | 返信
はじめまして。先生のご意見、いつも興味深く拝見しております。
>医師は不足していません。
>偏在しているだけです。
おっしゃる通りと思います。医学部の定員増で安易に解決を図ろうとする国の方針は理解しかねます。
しかしながら
>3)点数の高い研修医は、希望する病院での後期研修を可とするが、
> 成績の悪い研修医から、へき地の医療機関に強制的に飛ばす。
これだと僻地医療は罰ゲームのようですね。この理由がオープンになってしまうと、地域住民も
「今度来た先生は、成績が悪いからこんな田舎に来させられてしまったのだな」などと思うかも
しれません。
勿論、私のような穿ったものの見方をする人間は、極少数と思いますが・・・
Posted by 僻地の者より at 2010年07月22日 02:03 | 返信
僻地の者よりさま、長尾です。
コメント、ありがとうございます。
僻地とはもののたとえで、要するに「研修医に人気のない医療機関」のことです。
後期研修医はもう3年生なので、人材不足を解消するための労働力を目指して頂きます。
ずばり、罰ゲームです。
プライマリケア研修において、競争をしてもらいます。
脱落した医者には臨床医を諦めて、他の道を勧めましょう。
僻地医療ほど素晴らしい研修環境はないと私は思います。
ここでやる気が出ないような医者には、臨床に不向きであることを早く自覚してもらった方がいい。
これくらいのことをしないと、10年、20年後の日本の医療界は暗いのでは?
多くのご批判を覚悟して書いています。
Posted by 長尾 at 2010年07月22日 04:43 | 返信
長尾先生
私の無礼なコメントにも真摯なご回答、ありがとうございます。
言い訳を致しますが、私は先生のご提案を批判するつもりは毛頭ございません。
かつて小泉純一郎氏が国民の支持を得たのは、「この人なら何かやってくれるのでは」という期待からで
あったと思います。あの時と同じ気持ちを先生のご提案に感じ、もう少し掘り下げて先生のお考えを
伺いたくなったのです。
確かに罰ゲームでもなければ、不人気な医療機関に医師(研修医)は来ないでしょうね。
自分の生まれ育った地域のためにとか、誰かのためにという思いであったらベストだろうなと考えるのは、
素人の郷愁でしょうか。
Posted by 僻地の者より at 2010年07月22日 11:30 | 返信
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