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脳が言葉を添削する
言葉より感情
2010年07月30日(金)
TVを見ていたら、意外な現象が紹介されていました。
私自身も、間違って記憶していました。
長嶋監督の名言。
「巨人軍は、○○に不滅です!」の、○○とはなにか、みんさん知っていますか?
長嶋監督は、「巨人軍は永久に不滅です!」と言っていたのです。
「永遠」ではなく、「永久」です。
しかし、私を含めて多くの人は「永遠」だと記憶しています。
有森裕子さんの名言。
「自分をほめてあげたい」も、全くの誤りです。
正しくは、「自分をほめたい」でした。
福田総理の名言。
「あなたとは、違うんです」も誤りです。
正しくは、「あなたと、違うんです」でした。
うーん、自信が無くなってきましたね。
もうひとつ。
石田純一さんが言ったとされる、
「不倫は文化だ」も全くのねつ造でした。
このような現象は、どう解釈すればいいのか?
人はある言葉を記憶するときに、記憶しやすいように頭の中で
勝手に添削して、覚えやすい形にしてから記憶するそうです。
そう聞くと、日々の診療で、思い当たる節が沢山あります。
全く言っていないことに対して、患者さんから
クレームを受けることがあります。
最近、
下痢の患者さんに、ビオフェルミンを出しました。
しかし帰宅した後にまた下痢が出ました。
しかし、本人は「長尾先生に下剤を出された」と言って聞き入れません。
ついに御主人が出て来られました。
「下痢しとるのに下剤を出すとは、お前はそれでも医者か?」と。
何度も電話が来て、文句を聞き、
最後には、訴訟も辞さない勢いで乗り込んでこられました。
忙しい昼休みに時間を取って、じっくりと傾聴させて頂きました。
こちらにしては、まさに寝耳に水。
言った、言わないになりますが、なかなか納得してもられません。
長い時間を費やして、なんとか少しだけ納得(?)してもらいました。
風邪で受診した直後に、「熱が出た。金を返せ」、と言って、
散々文句を言われたこともありました。
腰痛や、腹痛でも。正直、医者を辞めたくなります。
数名の医師で沢山の患者さんを見ているので、
毎日、多くのクレーム処理にあたることになります。
もちろん、担当は私。そう、管理責任者だからです。
多くは、こちらにしてみれば、「濡れ衣」です。
しかし相手は、絶対に違う、と言い張ります。
先ほどの、下痢騒動だけでも、半日、潰れました。
言葉は怖いもの。
我々は、言葉を使い、仕事をしています。
いくら正しく言っても、相手の脳は感情で、言葉を勝手に添削してしまいます。
だから、大切なものは、「言葉より感情」だと思いました。
これは、私だけでなく、多くの医師仲間に贈る言葉です。

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この記事へのコメント
「言葉より感情」
確かに、私達も高齢者の言葉(記号)そのものより、その記号を発言させている思いに気付きなさい、と教えられていました。 今ボランティアでも同じです。
ですが、どっちかというと、私はつい理論的に反応して、説明してしまいがちなタイプです。未熟であると同時に、性格的なものもありますね。少しは自分のクセにも気付いたので気をつけるようにしていますが、性格をスキルでカバーするのはなかなか難しいです。
Posted by 梨木 at 2010年07月31日 12:36 | 返信
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