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抜いてはいけない!

胸水、腹水とは上手くおつきあい

2010年08月19日(木)

病院医療とは、腹水や胸水を抜いて余計なものを入れる医療。
抜けば体は弱り、余計なカロリーを入れれば苦痛が増して、寿命が縮まる。
そんな単純な真理を、99%の医療者自身が理解しようとしない。

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腹水が溜まれば、抜かないといけない。
胸水が溜まれば、抜かなければならない。
医者がそう信じて実行するので、患者もそう信じ、ざるを得ない。

抜くのは、「お水」ではなく、血漿成分。
赤血球を除いた、血液そのもの。
元気な成人でも、400mlの献血したあとは、ちょっとフラッとする。

それが、弱りきった末期癌患者さんの体内から、2~3000mlも一気に抜く。
私に言わせれば、それは「安楽死」そのもの!?
医者は、「抜いた分を少し点滴で補います」と、分かったような理屈を言う。

水は、溜まるわけがあって、溜まっている。
熱は、体温を上げる必要があって、上がる。
痛みは、異常を知らせるサイン。

なんでも理由がある。
水も溜まりたくて、溜まっているわけではない。
溜まらないと生きていけないから、溜まっているだけ。

水は、体外に排除しなくても、自然に減っていく。
砂利道の水たまりが、雨が上がったら、自然に無くなるように。
水分を体内に入れなければ、そのお水を利用して生きるから、自然に減る。

そうすると、苦痛もない。
長生きする。
いいことだらけ。

昔から、末期がんはあった。
しかし、水を抜かずに、家で自然に死んでいった。
水を抜かない方が、全体的な苦痛は少ないし、長生きする。

末期がんが、水に苦しめされたり、痛みにのたうちまわるのは、単なる幻想。
たしかに、どうしようもなく痛みを感じる人もいるが、半数以下。
余計な医療が、痛みを増幅させ、命を縮めている。

都市伝説ならぬ、病院伝説の誤りに気が付いているのは、在宅医だけ。
経験という言葉が、ここで活きてくる。
しかし、病院医療者には、なかなか信じてもらえない。

抜くのは、あくまで最終手段。
利尿剤の内服と注射、そして絶食が優先する。
それでも駄目なら抜けばいいが、その時には、もう「お水」は、そこに無いはず!

在宅経験を積み重ねて、10年以上。

抜いてはいけない!!!







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この記事へのコメント

有難うございます! 眼からウロコでした。
理由があって休もうとする歯車を無理やり動かせるのは苦痛にしか過ぎない、というのは理解していましたが、
第一に「水」が血漿成分ということを知りませんでしたし
第二に「たまる」のは必要があってで、次第に吸収されていくことも知りませんでした。

一般人として不思議なのは、同じ臨床医として患者さんを見ていて、何故病院の医師はそれに気付かないのでしょう。急性期の対応をして帰宅させてしまうから? 患者の日常を見てないし長い目でフォローしないから?

以前書かれていた田舎での研修医生活は、実り多いものかもと感じます。ただしそこに素晴らしい理念と臨床経験を持つ指導医がいてこそ。可能ですか?

Posted by 梨木 at 2010年08月19日 09:30 | 返信

2009年のお正月に、母の様子が急変しました。
昨日まで自分で手すりにつかまってトイレもしてたのに、突然の完全寝たきり垂れ流し状態です。
精神も異常をきたして変なことをずっと口走り、見えないものも見ているようでした。
(実にその時の急変がきっかけでロータスさんにお世話になることになり、介護認定を受けました。その時まで家族の自力介護でした。)
西宮の脳外科に3人がかりで診察にいったところ、脳内に水がたまって脳を圧迫しているとの診断。解決策は水を抜くか、水を抜きつつチューブを入れる処置しかないとのこと。しかし、そこのお医者様は今から思うと経験のある名医だったのですね。「2週間~1カ月様子を見ることを勧めます。薬などは主治医に従って、当院からは何も出しません。もちろん、ご家族の希望があれば水はいつでも抜きますよ。」と最後に説明して下さったのです。直感的にそれがベストだと私には聞こえました。でもあの状態でひたすら待つのは本当に怖かったです。
そして、結果は今日の先生の記事のとおりでした!
3週間後に再び見て頂いた時には水が消えていたのです。それから少し遅れて母の状態も確実に回復し、私の介助で自宅トイレとお風呂にも入れられるようになりました。
車いすにのせて喫茶店やマッサージも行けるようになりました。残念ながらその時期は半年くらいしか続きませんでしたが、とても貴重な半年間です。そのあと、ゆるゆると機能も落ち始めて長尾クリニックにたどり着くことになります。下手に水を抜いていたら、あのときに母は逝ってしまっていたかもしれないと思っています。
何もせず、元気になって、余命を長尾の献身的スタッフに支えられて今では文字通り寝たきりになった母。まさに「なんとかなるで」の人です。

Posted by チズ at 2010年08月19日 11:01 | 返信

水は、体外に排除しなくても自然に減っていく・・・・この文章を拝読し・・・・そうなんですか?
と驚きました。
慢性心不全、脳梗塞、膵炎、などなど色々な合併症を患っている父は、胸水が溜まり、肺炎を起しやすくなっています。 嚥下が十分出来ないので、水分、栄養剤を管から摂取しております。
このような場合も、絶食、水分摂取無し を行うと、胸水は減るのでしょうか?

在宅で父の面倒を見たいのですが、どうにも水と尿とのバランスをチェックしてくださる在宅医がいなくて 本当に困っています。

Posted by nori at 2010年12月20日 03:07 | 返信

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