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ニコチンの壁

タバコ物語に見る、政治主導の虚しさ

2010年08月17日(火)

禁煙は難しい。
一旦禁煙できても、1年は安心できない。
今日、訪問した患者さんは、止めたはずのタバコを吸っていました。

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1週間診ない間に、枕もとに、10箱ぐらいのタバコが並んでいました。
あーあー。一本吸うと、復活したニコチン回路は、そう簡単に閉じられません。
敢えて、本人を責めず、笑いとばして部屋を出ました。

別の外来患者さん。
難しい癌の手術を終えて、命が助かっても、肝腎の禁煙できない。
前回は禁煙できても、今日のCO濃度は、過去最高の79ppm。

大動脈解離を徹夜の手術で助けてもらった患者さん。
かかった医療費は、おそらく数百万円。
でも、原因であるタバコが絶対にやめられない。

あんまりしつこく言ったので、怒って医者を変えてしまった。
残ったのは、無力感・・・
これが許される国、自由の国、ニッポン。

再喫煙した人は、全員、言いわけをします。
「こんなん、すぐにまた、わめたるわ」
「2、3本ぐらいええやろ、セコイこと言うな」

妊娠したばかりの未成年女性が、咳が止まらないと受診。
1日に2箱も吸っているなら、そりゃ、咳も止まらんでしょう。
禁煙を説くと、不思議な顔で、私の顔を見た。

「医者なら、咳ぐらい止めろ」
「タバコは、ストレス解消になって体にいいんだ」
「医者は、禁煙会社から金を貰っているのか?」

もはや、寿命は1、2日の死にかけ患者さん。
寝返りも打てず、食べれないのに、タバコをくわえている。
良く見ると、火のついたタバコをくわえながら、寝入っていた。

今日1日だけでも、まだまだ、書ききれない程の「タバコ物語」があった。
テレビをつけると、「いろんな形の分煙がある」とのJTのCMが、目に入ってきた。
社会的弱者をターゲットにした、CM会社とグルになった、巧みな「すり替え」

町にいると、そこまで感じない。
しかし、診察室に座ると、ニコチンの呪いを、はっきり感じる。
そして、、家に行くと、疑問が怒りにはっきり変わる。

JTは、財務官僚の天下り先。
年俸4300万円が約束される。
弱者の命を奪ったお金はそのまま天下り役人へ行く。

そんなおいしい利権構造は、氷山の一角だろう。
タバコ問題なんてかわいい方かもしれなし。
しかし、こんな、露骨な国家的詐欺に介入できない政治のふがいなさ。

鳩山前総理に、「タバコ1000円法案は、政権交代の象徴」と手紙を書いた。
もちろん、返事などない。

「政治主導」なんて、笑ってしまう。
タバコ問題こそが、政治主導でできる変革の象徴。
そんな簡単なこともできない、政治には絶望する。

町医者に何ができるのか?
権力のないものに何ができるのか?
せめてもの想いで、このブログを書くだけだ。

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