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幽霊老人に思う

2010年08月22日(日)

生きていれば、113歳とか103歳とか、考えたらおかしな表現ですね。
全国で、200人以上の100歳以上の幽霊老人が判明しているそうです。
こんな時に、「なんとなくわかる」と書けば、不謹慎でしょうか?
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100歳の老人が亡くなる時に、人工呼吸などの延命処置を要求する家族がいます。
電話してすぐに来なかったとなじる家族もいます。
100歳の在宅患者さんなら死んでも当たり前でしょうが、一歩間違えば訴えられます。

一方、経済的理由などから、医療を拒否する高齢老人の家族が時々います。
広義の「老人虐待」のようにも思います。
勝手にお世話もできませんから、困ります。

亡くなった瞬間にこだわる家族と、
亡くなってもそのまま寝かしておいた家族。
いろんな考えがあるものだと思います。

年金が不正受給できると知るのは後のことではないか?
一度味をしめたらやめられなくなるだろうが、後の理由ではないか?
私は、とりあえず、亡くなったという「線」を引けなかった、と感じます。

亡くなってから、何時間か経過した方の、診断書を書くことがあります。
先日も、2日間経過した方の検案書を、警察と一緒に書きました。
「相談」で、とりあえずの「線」を引くことは、現実には時々あります。

その「線」を引くきっかけを失った、優柔不断な家族像を想像してしまいます。
不謹慎かもしれませんが、その「優柔不断さ」は、理解できるのです。
「線」を引きたくない!という気持ちもあったのでしょう。

空海さんは、高野山の奥の院の横で今も生きていることになっています。
誰も「線」を引いていないから、生きているともいえます。
「死」という線を敢えて引かないこともあると思います。

エベレスト山で亡くなった人、
戦死した人、
失踪して生きてるか死んでいるか分からない人。

国民総背番号制にしたところで、必ずこのような行方不明者は出てくるはず。
何年かの猶予を持たせるだろうが、実態と合わないひとも出てくるでしょう。
時に、人の死が、ファジーであってはいけないのか?と心の底で思います。

年金不正受給や役所の怠慢などは、後の話。
次元が違う話として論じるべきでは。
この辺は、個人情報保護法との絡み。

「生きているか死んでいるか内緒にしておいてほしい」という願望は
個人情報保護法により保護されるのか?

「生きていれば、100何歳」と言っても、本当は80歳ぐらいで亡くなっている。
そんなこと言ったら、空海さんも「生きていれば1500歳?」

多くは介護保険制度以前(2000年以前)に起きた事件。
介護保険制度が出来てから、そのようなファジーさは減少した。
奥の間に潜んでいた老人たちが、デイサービスの車に乗せられた。

90歳以上の老人には全員に、介護保険審査を義務ずけることを
提案したい。


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