このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

全く変わらないがん拠点病院の死生観

2010年10月28日(木)

たった数日間の、末期がん在宅医療が続いている。
運よく(?)、ほとんどの方を看取らせて頂いている。
おかげで、寝る時間がほとんど無い状態が続いている。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 
まるで、ゴミ箱に捨てるようにギリギリ紹介される末期がんの患者さん。
紹介状すら無い(後で届くが)ことも、よくある。
「後は野となれ、長尾在宅」という感じで、数日の御縁が始まる。

初回訪問に1時間、説明に毎回1時間。
それを終えたら最期。
説明して看取るだけのことが多い。

患者さんを診るからには、元気にしたい。
笑顔が見たい。
信頼関係を築きたい。

しかしその時間もなく、1週間以内に亡くなる人が多い。
スタッフ一同、振り回されるだけ振り回されて、呆気なく終わる。
こんな在宅が続くと、嫌になる。

せめて1ケ月間は診させて欲しい。
良好な信頼関係が築け、素晴らしい最期を迎えることが出来る。
時折、早めに紹介いただく医師には、心から感謝している。

しかし、大半の病院の医療者が、1人の人間の最期を考えていないから。
病気のことは考えても、最期をどう過ごすかを、全く考えていない。
最期は、どうでもいいと考えているようだ。

何度講演しても、何度書いても、がん拠点病院の医師は変わらない。
諦めた方が、得策だ。
彼らは、終末期医療に関しては、もう終わっている。

医学生や研修医に教える方が、ずっと「実」がある。
これからは、若者の「教育」に、さらに力を入れよう。
アホな、病院医師は、もう相手にしない。

アホな、がん拠点病院に言うのは、もう止めよう。
アンケートが来るので、いつも真剣に書くが、何の反応も、改善も無い。
ならば、こんな意味のないアンケートはよこさないで欲しい!

一方、世の中には、分かる研修医もいる。
彼らに期待したほうが、ずっと日本のためになる。
医学部で講義をしたい。

11月に本が5冊出る。
この本は、研修医に読んで欲しい。
病院の先生に配っても何の意味も無い。

今日は、これから、労働衛生コンサルタントとしての仕事。
「安全衛生推進者」の講師を、半日務める。
3時間半の長丁場。

しかし、素人の方がずっと教えがいがある。
彼らは、教えたことを覚えておいてくれる。
医者は、はなから理解しない。理解したくないのだ。

医者ほど、教えがいのない職種は無い。
がん拠点病院が、終末期医療の「がん」」である。
その「がん」医療者が、我々に終末期医療を説いている。

お笑いだ。

これまで、どれだけ無駄な時間を、
医者の再教育に費やしてきたか。
そんな暇があったら、遊んでいれば良かった。
患者さんともっとお話していればよかった。

一昨日、介護職のリーダーたちに言われたとうりだ。
医者には、期待しない。
医者は、単なるツール。
医者に、生病老死を教えようとすることが間違い。

これからは、志ある介護職ともっと話をしよう。
医者とは、ツール話に留めておこう。
アホな病院の先生方とは、さようならだ。



2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

「これまで、どれだけ無駄な時間を、医者の再教育に費やしてきたか。」この長尾先生の言葉に思わず共感を覚えます。
私が、落ちこぼされた生徒たちのための高校を作った時、生徒よりも教師たちの意識改革
に最も時間を取られたものでした。
教師が変わらなければ、何も変わらないことを教師が分かっていない。自分を変えないで生徒を変えようとする教師が多く、教師たちの意識改革のために大変な苦労をさせられたものだった。
 医師たちは、患者と向かい合う時、患者をお客さんだと思っているらしい。だから、
「・・・・様」などと呼ぶようになったのではないか。
「・・・・様」などと丁寧に呼ばれるより、診察を丁寧にしてほしいし、説明を丁寧に
してほしい。
 患者の側に立って診療をしていると疲れてしまう・・という医者もいる。医者も人間だからそうかもしれないと思う。反面、患者が今日何のために医師の前に来ているのかを考えてもらえると、患者の気持ちを少しは理解してもらえるのではないかと思う。
長尾先生が書いておられるように、医師不足ではなく、役に立つ医師が少ないということではないだろうか。
人材とは「社会の役に立つひと」のことで、誰でもが人材とは言えない。
頼りない医師が多いのは、頼りない教師が多いことと共通していて、そういう意味では
学校と病院は同じ問題を抱えている。閉鎖的なこともおなじだ。傷を舐め合うところも同じだ。
自分のスキルを磨いて、役立つ医師を目指すすばらしい人材が出てくることを望んでいる。そして何よりも、心のある医師になってもらいたいものだ。
厚労省、文科省は、医師養成のための問題点を根本から考え直すべきだと考えている。
それにしても、長尾先生・・毎日・・・日夜ご苦労様です。

Posted by 中原武志 at 2010年10月28日 03:37 | 返信

長尾先生そしてクリニックの皆様の毎日の献身のご様子、
そして残念なお気持ちがまっすぐ伝わってきました。
マザー・テレサも同じようなことをなさってましたね。
一人であれだけの実践を続けられた、結構過激な考えの持ち主でした。
反対者、やっかみもあったみたいです。

及ばずながら大切にしている言葉があります。
「この世で役に立たないように見えた人々がその最も大切な瞬間・死を迎える時に
愛されたと感じながらこの世を去ることができるためなら
私は何でもしたいと思っているのです」

どうぞ働き盛りの50代を大切に(本職ですもの、健康管理はバッチリ?)
そして良い意味で過激なブログながら、
どんな病院の中にあっても頑張っている医師達、コメディカルのこともちょこっとフォローしてあげて下さいね。
長尾先生に褒められたらやる気百倍!・・・そして良い医療につながります。

Posted by 梨木 at 2010年10月28日 09:58 | 返信

拠点病院が変わらないのですね
治療が救命になっているのか,延命になっているのか理解できていない.
とことん治療するよう家族が希望するのでしょうか
ご高齢者の治療はご家族も延命と思われる治療を希望されない
ところが多くなってきましたが

医者になるとますます堅い頭になりますからね

Posted by 稲本望 at 2010年10月29日 11:48 | 返信

先生のこのブログ投稿をよんで、言葉も無くうなずくばかりです。

私は、お役所的な大病院の無責任な態度にここ最近は真剣に嫌悪してしまい、過労とストレスが溜まり体調を崩すことが多くなりました。現場第一線に立って奮闘している人間が訴えても、全てを変えることができる権力を持つ人間は何もしてくれません。空調の効いた心地よいきれいな遮音空間で仕事をしているからでしょう。 
一日たった5分でもいいから、現場を見てほしい、患者さん達の病気だけを診るのではなく、一人の人間として向き合ってほしい。。。そう願っている医療従事者は私だけではないはず。

でも、人というのは自ら率先して変わろうと努力しないと変われない生き物なんですよね。
他人が何を言っても仕方が無い。。。そんな場面を毎日目にします。

だから最近は今まで以上に新人教育に特に力を入れています。
『いつかこの子達が成長して一人前になったときに、一人の人間として正しい判断と決断が出来ますように』と祈りつつ。。。

これまでに肥やしてきた土壌に良い種をまいて、しっかり見守り育てていかなければと痛感しています。

Posted by *snowflake* at 2010年11月06日 02:13 | 返信

長尾です。
エラそうに言えるのは、この日記の中だけ。
がん拠点病医のエラい先生の前では、大人しくしている、大人の自分がいます。

Posted by 長尾 at 2010年11月12日 04:29 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ