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認知症時代の高血圧治療

2010年10月29日(金)

昨夜は、大阪大学の森下竜一教授による降圧剤の合剤に関する講演を拝聴。
一部の、ARBには、認知症や骨粗しょう症の予防効果も証明されています。
さらに、「降圧剤による糖尿病予防」、という視点も重要です。
 

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糖尿病の予防は、高血圧の治療から始まる。
デイオバンは、糖尿病の発症を予防する。
認知症の発症も抑制する。

【認知症とARB】

認知症患者さんは、2005年には、230万人(65歳以上の8人に1人)。
これは、当初は、2010年の予想だった。
しかし予想をはるかに超えて、5年早く、この数字に至った。

2025年には、日本の人口は1億人に減少するので
20人に1人が認知症。
65歳以上の、4人に1人が認知症の時代が来る。
さらに、糖尿病があると認知症になる確率が、5倍高くなる。

ACEは、脳のAβ(アルツハイマーの原因物質)を増やす?
カプトリルによる認知症増悪が報告されている。
それに対してARBは、72%認知症を抑制する。

アルツハイマー病になるとBBBは壊れる。

AT1受容体ノックアウトマウスは長生きする?
⇒ARBは長寿薬!?

血圧を2mHg下げると、虚血性心疾患は7%減り
脳血管障害は、10%減る。

デイオバンは血圧を13下げるが、
コデイオEX(デイオバンと利尿剤の合剤)は、22も下げる(とても強力)。

【高血圧と骨粗しょう症】

両者は、ATⅡ(破骨細胞活性化)を介して深く連関する。
ALP=骨形成活性
TRAP=破骨活性、   ATⅡ上昇、ARBが予防する。

高血圧=続発性副甲状腺機能亢進症=PTH上昇状態、とも言える。

サイアザイド系利尿剤=骨粗しょう症を20%抑制する。
ARBも充分に抑制する。
さらにコデイオには、相乗作用あり。
エックスフォージは、さらに7%抑制する。

【アムロジン10mg処方の注意点】

浮腫:10mgだと浮腫(5mgだと3%だが、10mgだとなんと5倍)が増える。
頭痛;ARBを入れると頭痛は軽減する。
    ARBには、静脈拡張作用があるから、と説明される。

【合剤の価格破壊】

デイオバン80mgは、125円。
エックスフォージは、130円で、その差はわずか5円(=アムロジン5mg代)
ちなみに両者の単純合計は、190円。
そうなると、アムロジンのジェネリックが不要となる。

アムロジン増量より、エックスフォージのほうがずっと得である。

【沖縄クライシス】

沖縄が長寿日本一だったのは昔の話。
1985年はたしかに1位だった。
しかし、現在は26位に転落した。

心筋梗塞の増加が著しい。
糖尿病の発症率もワースト1。
メタボも激増し、2人に1人がメタボ。

現在は、本土が沖縄化している。
沖縄は、20年先の日本の姿。

マクドナルドが1店舗増えるたびに、脳梗塞のリスクが1%アップする。
不眠があると、糖尿病が増加する。

ダブルクオーターパウンダーチーズセット(ポテトとオレンジジュースを含む)
は、1600Kcalで塩分3.6gもある。
沖縄には、マクドナルド文化が入ってきた。

やはり食べ物の影響は大きい。




 

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この記事へのコメント

はじめて、ブログを拝見させていただきました。
近頃非常に感じること、不老不死なんてないのに、どこまで長寿化を望む医療が進むのであろう。
わたくし、現役世代の膵臓がん患者。標準化治療で使える薬はわずかに2種類。検診方法も未確立で、たいていは幸運にも手術できても再発多し、少しでも長く生きられますように。
と、同病患者をみていると、治療できる疾病から治療するのも、もちろん大事でしょうが、まだまだ、難治性の疾病にも明るい希望がほしい。限りある医療費の分配を再考してしてほしいものです。。製薬会社は利益優先でしょうが、医療を考えると、利益最優先でないものも倫理として必要でしょう。切実な思いです。(今回は合剤によって割安になったり、他の疾患の予防にもなるお得な薬剤の講演会のお話ですが)
税金、社会保険、社会への貢献できるのに、年齢に関係なく誰にでも、寿命はあるのです。と考えると、膵臓がんなんて理想的な天寿の全うの仕方でしょうか。
つい、講演会の感想でしたのに、こぼしてしまいました。失礼をご容赦ください。

Posted by ひがんばな at 2010年11月01日 05:44 | 返信

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