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帰りたくても帰れない
2010年10月19日(火)
娘さんが住む町の老人ホームに転居したある老人が、薬を取りに来られました。
車で1時間、電車で2時間の距離にある老人ホームなので、主治医も交代です。
しかし、その老人は大いに後悔していました。「なんでこうなったの?」と。
老いては子に従えと言うので、長年住み慣れた自宅を売却して入所したそうです。
入居金は、なんと2700万円。
さぞかし、いい生活かと思って聞くと、泣きそうな顔になって話し始めました。
部屋は、狭い。
友人は、できない。
尼崎に戻りたい、と。
1900万円で売却した尼崎の自宅は、現在3180万円で売りに出ているそうです。
買い戻そうにも、それが出来ない。
一方、入居間もない老人ホームも、10年以内の解約は、7割しか返金されない。
すなわち、800万円と1280万円の、合計、約2000万円の代償を
払わないと元の生活に、戻りたくても戻れない・・・
その老人は、独居になっても住み慣れた我が家に
死ぬまで住み続けることができることを知りませんでした。
もちろん、ご子族も。
近所のおばさんに、あとになって、この世には「在宅医療」というシステムがあり、
ご近所さんは、みんなご自宅で最期を迎えたことを知らされ、愕然としたそうです。
たまたま、その方のご近所では、10名位の患者さんを在宅看取りしていました。
「なんでこうなったの?」と、うなだれる、その老人に
かける言葉が、見つかりませんでした。
「相談してくれればよかったのに」。 なんて言っても、あとの祭り。
在宅医療の認知度は、まだまだこの程度なんだな、と思いました。
忙しくても、啓発講演を続ける意味はあるのだと。
「主治医殿」と書いた、紹介状を手渡すと、その老人はつぶやきました。
「帰りたくても帰れない」
「なんでこうなったの?」
・・・・・

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この記事へのコメント
長尾先生こんにちわ。 ブログいつも楽しく拝見しております。
なんて悲しい話でしょう・・・。
2700万円。そこに行きつくまでに誰かの知恵を拝借したでしょう。
誰も教えてくれなかったのでしょうね。
日本人は死の話題はタブーです。
いつになったら、自分の最期について自分の望む場所で過ごすことを選択することができるようになるのでしょう。
市民向け勉強会。今回は参加できませんが、またまた長尾先生の楽しい講演に参加したいと思います。
Posted by すずらん at 2010年10月20日 08:36 | 返信
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