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正義とは何か?
2010年12月19日(日)
正義とは何か?
サンデル教授の「正義の授業」の再放送を聞いた。
何度聞いても重要な、「正義の哲学」だ。
サンデル教授の「正義の授業」の再放送を聞いた。
何度聞いても重要な、「正義の哲学」だ。
正義の定義には、3つあるという。
1)幸福の最大化(功利主義)
2)基本的権利や人間の尊厳を尊重する(カント)
3)美徳を称え育むこと(アリストテレス)
実例で考えてみよう。
【下記の3人と命と、1人の命のどちらを優先するか?】
3人の客と、給仕の少年1人、計4人を乗せた船が遭難した。
2週間たち、食糧が無くなった。
衰弱した給仕の少年(身内の無い人間)を食べて、3人は生き延びた。
果たしてこの3人は、罰せられるべきか?
功利主義者は、3人には家族があり、許される行為だと言う。
反対に、道徳的、基本的人権が優先すると言う人もいる。
死んだ人にも将来があったかもしれない。
人の命は平等化か?
殺された本人が同意していたらどうだろうか?
人間は自分の命を捨てる権利があるのか?(不可譲の権利)
では、どの程度の富の格差は、
正義の観点から、許されるのだろうか?
【ではイチローの年収をどう評価すべきか】
日本の学校の教師の平均年収は、4万5000ドル。
イチローの年俸は、1800万ドル。
両者は、400倍違う。
一方、オバマ大統領の年収は、40万ドル。
イチローより、はるかに少ない。
イチローの年収は、アメリカ合衆国大統領の42倍多い。
この所得格差は適正か?
どのように考えるのか。
イチローに年収の50%を課税すべきなのか。
あるいは寄付を強要すべきか。
国家は、どこまで介入すべきなのか?
高い課税は、寄付するという自らの自己決定権を
阻害するのか?
功利主義の理論は、船の例では非難され
所得の再分配の例では、称賛される。
【東大に、もし裏口入学があったら、どう考えるのか?】
東大に裕福な人しか入れないのは、不公平か?
これらについては以前に書いたとうりだ。
社会の不平等を無くすには
どのような哲学が応用されるべきなのか?
取り組んで行く、生活保護法に関しても、
「正義の哲学」で考えるべきだろう。
サンデル教授の講義は、アドリブのジャズ演奏に近い。
生徒たちの会話の糸を紬ぎ、哲学を考えさせる作業だ。
1)幸福の最大化(功利主義)
2)基本的権利や人間の尊厳を尊重する(カント)
3)美徳を称え育むこと(アリストテレス)
実例で考えてみよう。
【下記の3人と命と、1人の命のどちらを優先するか?】
3人の客と、給仕の少年1人、計4人を乗せた船が遭難した。
2週間たち、食糧が無くなった。
衰弱した給仕の少年(身内の無い人間)を食べて、3人は生き延びた。
果たしてこの3人は、罰せられるべきか?
功利主義者は、3人には家族があり、許される行為だと言う。
反対に、道徳的、基本的人権が優先すると言う人もいる。
死んだ人にも将来があったかもしれない。
人の命は平等化か?
殺された本人が同意していたらどうだろうか?
人間は自分の命を捨てる権利があるのか?(不可譲の権利)
では、どの程度の富の格差は、
正義の観点から、許されるのだろうか?
【ではイチローの年収をどう評価すべきか】
日本の学校の教師の平均年収は、4万5000ドル。
イチローの年俸は、1800万ドル。
両者は、400倍違う。
一方、オバマ大統領の年収は、40万ドル。
イチローより、はるかに少ない。
イチローの年収は、アメリカ合衆国大統領の42倍多い。
この所得格差は適正か?
どのように考えるのか。
イチローに年収の50%を課税すべきなのか。
あるいは寄付を強要すべきか。
国家は、どこまで介入すべきなのか?
高い課税は、寄付するという自らの自己決定権を
阻害するのか?
功利主義の理論は、船の例では非難され
所得の再分配の例では、称賛される。
【東大に、もし裏口入学があったら、どう考えるのか?】
東大に裕福な人しか入れないのは、不公平か?
これらについては以前に書いたとうりだ。
社会の不平等を無くすには
どのような哲学が応用されるべきなのか?
取り組んで行く、生活保護法に関しても、
「正義の哲学」で考えるべきだろう。
サンデル教授の講義は、アドリブのジャズ演奏に近い。
生徒たちの会話の糸を紬ぎ、哲学を考えさせる作業だ。
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この記事へのコメント
カントの哲学は、自己のモチベーションへの観点
です。自意識がすべてをつくる。カントは奴隷と使い人を同等にとらえます。
四の五の言わず、生きていくのみ。
飯を食えるだけ食うのみ、正義など個人の意識のみにしか存在しない。
誰が人の人生を作れますか。政治などやさしきものです。
個人の視点をおろそかにして、イチローの年収はイチローのもの。
ただ、人生を全うするのに哲学もくそもいらない。
ただ、日々是好日を生きていくのみです。
哲学と宗教はときとして、相容れないものとなるのは、捉えるものの愚かさです。
世の矛盾を唱えるから貧富の差が生まれるのです。
それぞれが自分の人生を生ききることに意味があります。
矛盾の追いかけあいが崩壊のはじまり。
生活保護者を哀れむことなど、カントの唱えた哲学の真逆です。
医師は、その使命を全うするのみ。
機械メンテナンス業者もその使命を全うするのみでしょう。
ただ、淡々と生ききることこそが最大の成功者でしょう。
Posted by 匿名 at 2010年12月20日 01:41 | 返信
匿名さま、長尾です。
大変貴重なご意見ありがとうございます。
サンデル教授は、議論の重要性を説いています。
半分は、匿名さまの仰せのとうりだと思います。
しかし、半分は、それだけで終わらないとが「人生」だと思います。
その中でも淡々と生きる人こそが真の達人であるとのお考えに、
おおいに賛同します。
ただし、私には、その才能は皆無です。
だから、正義の議論をするのは無駄、
と言われれば確かにそうかもしれない。
Posted by 長尾 at 2010年12月20日 02:27 | 返信
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