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夢見る脂肪肝

2011年01月29日(土)

毎日沢山診ている脂肪肝。
その意味を田中逸教授に教えて頂いた。
遅い食事と夜食が、脂肪肝を作るメカニズムがだんだん解明されてきた。
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 2型糖尿病における脂肪肝の病的意義」

聖マリアンナ医大 田中逸教授

 

1 2型糖尿病とインスリン抵抗性

  ・インスリン抵抗性の多様性

  ・今後はメタボタイプが増加

 

2 インスリン抵抗性の原因は?

  ・脂肪肝は短期間に変動する

  ・TGの代謝物がインスリン抵抗性を惹起

 

3 新しい肥満外来

・肝内脂肪量を減らす、
 ・体重を5%を減らす

 

4 脂肪肝を減らす方法

・遅くて多い夕食と夜食を避ける

・インクレチン薬の可能性

 

HOMAのインスリン抵抗性指数

 

HOMA-R=空腹時血糖x空腹時インスリン÷405

1.6以下が正常。

2.5以上は抵抗性あり。

(空腹時血糖150までの症例に適応)

 

日本でも欧米人型の若年IGTが増加

 

インスリン抵抗性の原因は、肥大した内臓脂肪細胞

悪玉因子:TNFα、インターロイキン、 遊離脂肪酸

悪玉因子:アデイポネクチン

 

2週間の教育入院出では脂肪細胞由来の

液性因子(アデイポネクチンなど)は変化しない。(2005年)

しかし、脂肪肝は減少した。

 

脂肪肝や筋肉も、インスリン抵抗性の原因。

 

●48時間の食事制限でも脂肪肝が3割減少した。

Gastroetrelorogy 2009 136:1552

・低炭水化物食の方が脂肪肝が減る。

・過剰なブドウ糖は、中性脂肪に変換される。

・週末断食?

 

●脂肪細胞の肥大化=数か月かかる

脂肪肝は直接インスリン作用を妨害=数日レベルでも改善

 

●筋肉と脂肪の抵抗性=脂肪肝=肝の抵抗性

 

●新しい肥満外来

・上・下腹部のCTにより、全脂肪体積を測定

・75gOGTTでMATUDA Indexを測定

 

CTで全腹腔体積を算出した。

・男性は内臓脂肪が皮下脂肪より優位

・女性は同等。

・臍の位置=L3~5に相当

 

・最大内臓脂肪面積はどこで測定すべきか?

・肥満者では、最大断面とは違うが、総内臓脂肪量を反映している。

=臍で検討することは悪くはないことが確認

 

・MRIを用いたスペクトル解析=水と中性脂肪=IHLの測定

・カットオフポイントを作成している段階

・絶食で本当に内臓脂肪が先に動くのかは少し疑問。

・減量に伴って、内臓脂肪も皮下脂肪も同等に減少するひともいる。

 

●本当に良性の肥満、悪性の肥満があるのか?

・VS比では無く、脂肪肝の要素のほうが強い。

・「インスリン抵抗性のBetter markerは「脂肪肝」である!!!」

PNAS 2009

 

●脂肪肝を減らすには?

グリコーゲンは

・筋肉で400g

・肝臓には80g、合計500gしかない。

従ってグリコーゲン貯蔵には限界がある

だから中性脂肪に変換して貯める(=脂肪肝)

 

遅い夕食、夜食を止める!

 

●夢見る脂肪肝!

夕食を早く摂ると、脂肪肝が減少する。

●病院食

朝食8時。夕食18時。絶食は14時間は1週間で慣れる。

これで患者は痩せる。

 

・体重を5%減らす。

・脂肪肝は夜に作られる

・軽い空腹感で就寝する

 

●メトホルミンは、直接的に脂肪肝を減少させる。

 血糖が正常の人でも減少させる。


AMPKは、ATP消費(糖新生)を抑えてATPを増加させる。

・PEPCKを抑制する

・アデイポネクチン、メトホルミン、アクトスを飲むと下がる。

 

●インクレチン

・GLP-1レセプターが肝細胞に存在する

・DPP4も直接的に脂肪肝を改善する可能性がある。

・GOTが20以下でも脂肪肝であることがある

・尿酸も脂肪肝と関連する

・尿酸はインスリン抵抗性とも比例

 

Q 食事のあとの運動は?

A 食事が運動に勝る
   フラフープ
足に重りをつけるも悪くない

 

Q 食事を抜くのはどうか?

A食事回数を減らすと良くない。

・分割食で起こる弊害は多くない。

Second meal phenominanneが昔から知られている。

・朝抜きの食事の血糖上昇のほうが高い。

・朝を抜かない。

・1日2食は良くない。

 

Q 炭水化物制限はどうか。

A 炭水化物の比率は50%以下がいい。

  糖尿病協会が50%以上を推奨しているが、これはどうか?  

  高たんぱく、低炭水化物食がいい。

  

 

 

 

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