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お金を惜しんで命を失う

2011年02月17日(木)

多少のお金があっても、それを惜しんだために救えたはずの命を失う人が増えている。
大きな意味で、貧困が奪う「命」。
急速な受診抑制を、日々肌で感じる。
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ある日、緊急往診を頼まれた。
行くと瀕死の重症。
搬送した直後に亡くなられた。

重症肺炎だった。
もう少し早く言ってくれれば死ななかったのに・・・
モッタイナイ。

ご家族が、往診の挨拶に来られた。
「最期にかかりつけ医に往診してもらってよかったです・・・」
ちょっと待てよ。

私が最後に診察したのは、すでに5年以上前だぞ?
それに、「その日に亡くなったのによかったとは?」

5年以上空いていても、私がかかりつけ医?
全然、かかっていないのに・・・
患者さんの家族は、勝手にそう思っている。

持病が沢山あるのにどうして5年間もかかっていなかたのか?
ご家族に、そう聞いてみると、
「お金が惜しくて、来れませんでした」

まあ、そうなんでしょう。
多少のお金があっても、この不景気では、みなさん財布のひもは相当固い。

お金を惜しんだばかりに、救えたはずの命を失うひとが増えている。
本当に勿体ない。
国民皆保険制度が、泣いている。

かからなくてもいいのに、かかりすぎるのは問題だが、
かかるべきなのに、かかってくれないのも、モッタイナイ、
と思う機会が増えた。

上手く、かかりつけ医を使ってくれたら。
要領の問題と言うべきだろうか。
日本人の死生観というより、健康観自体が歪んでいる。
 

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この記事へのコメント

患者にとって医者を選択する一番のポイントとは、信頼だと思っています。
技術や経験はもちろん必要で、それがあれば自分を救ってもらえる確率は上がりますが、自分のところでたまたま判断ミスや誤診をされれば確率はゼロと変わりません。(お医者さんのブログでこういうのも申し訳ないですが…)

だから、「とりあえず調子が悪かったらそのお医者さんに聞けばいい」「そのお医者さんが言うならどんな高額な検査でも治療でも躊躇なくやれる」「万が一ミスがあっても許せる」と自分が思えるお医者さんを探して丸投げすることが、一番めんどうくさくない医者の使い方だと思います。それが一番難しいのも現実なのですが。

もちろん宗教になることなく、セカンドオピニオンの可能性を残すことも自分で調べることも大切ですが、患者は医者を選んでいれば病気を選ぶ必要はないと思います。(おっちょっと良い台詞?)

保険屋も同じですよね。
私は医者と保険屋にはとても恵まれていると思います。

Posted by AI at 2011年02月17日 12:52 | 返信

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